著者
古賀 明俊 城戸 英希 藤堂 省 川上 克彦 中山 文夫
出版者
The Japanese Society of Gastroenterological Surgery
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.13, no.4, pp.285-294, 1980

15例の膵のインスリン産生腫瘍を報告した.12例はインスリノーマでこのうち1例は異所性で, すべて単発性で, 良性であった.2例は過形成, 1例は組織学的に異常所見はなかった.全例にWhippleの三主徴があり, 血中高インスリン値, 種々の誘発試験を組合わせることにより診断が確実になる.選択的血管造影は72.7%に陽性であった.逆行性膵管造影も間接的診断法になる.手術は膵尾部切除2例, 膵体尾部切除2例, 膵頭十二指腸切除1例, 異所性腫瘍摘出1例, 腫瘍核出術9例である.術中血糖値の測定は腫瘍摘出成功の判定に有効で, 30分以上の持続的上昇を確認する必要がある.手術成績は14例が治癒し, 1例は術後肝不全で死亡した.
著者
深井 原 藤堂 省
出版者
一般社団法人 日本臓器保存生物医学会
雑誌
Organ Biology (ISSN:13405152)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.92-98, 2011-06-10 (Released:2014-11-26)
参考文献数
19

Heavy water, deuterium oxide(D2O), is a stable isotope compound of H2O, causing stabilization of actin and tubulin. D2O inhibits cytosolic calcium overload via plasma membrane channel and ER. D2O stimulates ATP production by augmenting glucose uptake, activities of glycolysis, TCAcylcle, and oxidative phosphorylation in certain experimental models. Further, D2O inhibits organ swelling and damage during cold preservation. Although precise mechanism remains unclear, these properties are considered suitable for the organ preservation. Here we reviewed the possible cytoprotective actions of D2O from the biophysical, biochemical, and clinical viewpoints to enlighten the new insight of organ preservation.
著者
細田 充主 高橋 將人 高橋 弘昌 藤堂 省
出版者
日本臨床外科学会
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.70, no.3, pp.645-649, 2009 (Released:2009-09-05)
参考文献数
11

乳房超音波エラストグラフィは非侵襲的診断方法として徐々に普及が進んでいるが,その診断的位置づけは未だ明らかにされていない.2006年11月から2007年11月に当科にてエラストグラフィを施行した72乳腺腫瘤(良性31腫瘤,悪性41腫瘤)を対象にその診断的意義を検討した.機器は日立メディコ製のEUB-7500を使用し,判定にはTsukuba elastography scoreを用いた.平均スコアは,良性腫瘤1.8±0.9,悪性腫瘤3.7±1.3(p
著者
深井 原 島田 慎吾 若山 顕治 嶋村 剛 山下 健一郎 藤堂 省 武冨 紹信
出版者
一般社団法人 日本臓器保存生物医学会
雑誌
Organ Biology (ISSN:13405152)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.176-180, 2013-07-10 (Released:2014-11-26)
参考文献数
17
被引用文献数
1

Extended criteria donor(ECD)グラフトの安全な利用のために,新しい臓器修復,保存法の実用化が求められている.単純冷保存に対する臓器灌流の優位性は腎移植,肝移植で示された.心停止グラフトは,摘出後ただちに酸素化灌流すれば灌流温度によらず修復されるが,灌流前に冷保存が加わると修復されがたい.本稿では,腎臓,肝臓の単純冷保存と臓器灌流の知見を整理し,実用性の高い方法論を確立するために克服しなければならない課題を明らかにすることを目的とする.
著者
古賀 明俊 城戸 英希 藤堂 省 川上 克彦 中山 文夫
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.13, no.4, pp.285-294, 1980

15例の膵のインスリン産生腫瘍を報告した.12例はインスリノーマでこのうち1例は異所性で, すべて単発性で, 良性であった.2例は過形成, 1例は組織学的に異常所見はなかった.全例にWhippleの三主徴があり, 血中高インスリン値, 種々の誘発試験を組合わせることにより診断が確実になる.選択的血管造影は72.7%に陽性であった.逆行性膵管造影も間接的診断法になる.手術は膵尾部切除2例, 膵体尾部切除2例, 膵頭十二指腸切除1例, 異所性腫瘍摘出1例, 腫瘍核出術9例である.術中血糖値の測定は腫瘍摘出成功の判定に有効で, 30分以上の持続的上昇を確認する必要がある.手術成績は14例が治癒し, 1例は術後肝不全で死亡した.
著者
江藤 敏治 弘野 修一 永田 賢治 加藤 順也 堀 剛 井戸 章雄 林 克裕 坪内 博仁 小野寺 誠 阿部 弘一 宮坂 昭生 川上 格 佐藤 彰宏 坂下 佳子 岩井 正勝 遠藤 龍人 滝川 康裕 鈴木 一幸 佐藤 俊一 鈴木 千衣子 内田 耕一 弘中 孝治 萱野 幸三 増原 昌明 坂井 田功 沖田 極 関山 和彦 井上 和明 与芝 真 半田 宏一 樋口 大介 井上 和明 関山 和彦 与芝 真 松原 寛 道堯浩 二郎 山内 雄介 井内 英人 長谷 部昌 山本 和寿 井上 愛 堀池 典生 恩地 森一 中西 崇 東俊 宏 狩山 和也 山野 智子 辻 孝夫 川口 光彦 糸島 達也 品川 克至 乾 あやの 小松 陽樹 松本 浩 茂木 陽 宮川 芳宏 藤沢 知雄 上本 伸二 猪股 裕紀洋 田中 紘一 平松 活志 橋本 悦子 谷合 麻紀子 野口 三四朗 長谷 川潔 林 直諒 次田 正 高崎 健 中島 一朗 渕之上 昌平 古川 博之 岸田 明博 大村 孝志 松下 通明 藤堂 省 藤田 美悧 清水 道夫 橋倉 泰彦 三田 篤義 窪田 達也 三輪 史郎 池上 俊彦 寺田 克 宮川 眞一 川崎 誠治 君川 正昭 渕之上 昌平 春口 洋昭 唐仁原 全 中島 一朗 阿岸 鉄三 白髪 宏司 伊藤 克己 高崎 健 橋本 悦子 林 直諒 田中 紘一 上本 伸二 猪股 裕紀洋 阿曽沼 克弘 江川 裕人 藤田 士朗 木内 哲也 林道 廣 田中 紘一 石井 邦英 古賀 郁利子 神代 龍吉 草場 信秀 佐田 通夫 坂本 照夫 加来 信雄 森岡 千恵 菊池 英亮 松尾 英城 中谷 吉宏 豊川 泰勲 富永 謙太郎 山尾 純一 福井 博 福田 邦明 安部井 誠人 遠藤 憲一 本橋 歩 正田 純一 松崎 靖司 田中 直見 古坂 明弘 高橋 正明 平本 淳 白浜 圭吾 永山 和男 田中 照二 Yusufu Youlutuz 松井 淳 持田 智 藤原 研司 小畑 達郎 中島 千種 岡山 昌弘 大野 研而 宮下 智之 田村 明彦 絵野 沢伸 鈴木 盛一 雨宮 浩 青木 達哉 小柳 泰久 山際 健太郎 川原田 嘉文 八木 真太郎 飯田 拓 横井 一 垣内 雅彦 足立 幸彦 飯田 拓 田端 正己 町支 秀樹 横井 一 川原 田嘉文 東口 高志 今井 俊積
出版者
The Japan Society of Hepatology
雑誌
肝臓 (ISSN:04514203)
巻号頁・発行日
vol.40, no.3, pp.189-198, 1999
著者
江本 慎 蒲池 浩文 田原 宗徳 神山 俊哉 松下 通明 西田 睦 藤堂 省
出版者
日本臨床外科学会
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.71, no.6, pp.1589-1595, 2010 (Released:2010-12-25)
参考文献数
18

背景:胆嚢の隆起性病変はしばしば診断に難渋する.今回われわれは胆嚢腺筋症(adenomyomatosis:ADM)に合併した胆嚢隆起性病変の質的診断に造影超音波検査が有効であった症例を経験したので報告する.症例:58歳,男性.2009年2月,職場の健診で腹部超音波にて胆嚢腫瘍を指摘され当科紹介となった.血液検査ではCEAが8.3ng/mlと上昇していた.体外式ultrasonography(US)では乳頭状隆起性病変を指摘でき,肝床部浸潤を疑う所見であったが,CT,MRIでは隆起性病変の良悪性の鑑別は困難であった.Positron emission CT(PET-CT)では隆起性病変に異常集積を認めなかった.腹部造影超音波検査では乳頭状隆起性病変に強くdiffuseな造影効果を認め,ADMに合併した胆嚢癌と考えられた.悪性を否定できず,同年3月に開腹拡大胆嚢切除術を施行した.肉眼所見では分節型ADMと乳頭状の胆嚢癌を認めた.病理診断ではtub1>pap. s(-),ss,pHinf0,pBilf0,pPV0,pA0,pN0,pBM0,pHM0,pEM0,int,INFβ,pn0,ly1,v0,pT2,pN0,fStageIIであった.結語:胆嚢の隆起性病変の診断に造影超音波検査は有用な検査となりうる.治療に際し検査所見から総合的に判断することが重要と考えられる.