著者
中村 仁彦 永井 清 吉川 恒夫
出版者
The Robotics Society of Japan
雑誌
日本ロボット学会誌 (ISSN:02891824)
巻号頁・発行日
vol.4, no.5, pp.489-498, 1986
被引用文献数
31 10

本論文では, 複数のロボットマニピュレータまたは多指ロボットハンドによる協調的あやつりの力学が議論される.協調的あやつりの問題は2つの局面に分けられる.1つは複数のロボット機構による合力を決定することであり, もう1つはそれらの間の内力を決定することである.合力は外力や環境拘束を受ける物体のあやつりに用いられる.内力は最大静止摩擦係数の不確さや変動に適応するために用いられる.合力の決定に対して動的協調制御方式が提案される.また, 最大静止摩擦の拘束の下で対象物に任意な加速度を発生する能力である協調的あやつり可能性を確認するための1方法が提案される.最後に, 最適内力を最大静止摩擦の拘束を満たすために必要な最小ノルムの内力と定義し, 最適解を求めるために非線形計画法が適用される.最適解は, それが存在する限り, 最大〓組の代数方程式を解くことによって必ず求められる.
著者
中村 仁彦 山根 克 杉原 知道 岡田 昌史 関口 暁宣 大武 美保子
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2003

1.力学的情報処理理論力学敵情報処理を行うメカニズムの設計法として,多項式および物理的力学系を用いた手法を確立した.また,力学系の可塑性パラメータを導入し,その可塑性に基づく学習と発達のモデルを構築するとともに,力学的引き込み現象としてのコミュニケーションモデルを実現した.2.ミラーニューロンの数学モデル隠れマルコフモデル(HMM)を用いたミラーニューロン数学モデルとその計算法を確立し,HMMの多重階層化による行為の抽象化を実現した.また,常識データベースをもつ言語解析システムと多重階層化ミラーニューロンモデルとの結合を行った.3.ヒューマノイドロボットによる行為の受容と生成の実験従外力運動をするヒューマノイドロボットの試作を行い,人間動作計測に基づいて動作パターンを獲得して制御系を設計する手法を開発した.また,ヒューマノイドロボットと力学情報処理および言語解析システム,行動受容生成システムの結合実験を行った.4.人間の筋・骨格詳細モデルによる大規模センサリ・モータ系のシミュレーションモーションキャプチャデータに基づく筋張力の推定と動力学シミュレーションを行う手法を開発した.また,人間詳細モデルの動力学計算の並列計算による高速化を実現した.大規模センサリ・モータ系としてのヒューマンキデルシミュレータを開発し,力学的情報処理モデルとの結合を実現した.
著者
中村 仁彦 今川 洋尚 野地 朱真 岡田 昌史
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2001

本研究の成果は以下の4点でまとめられる.・複数のヒューマンフィギュアなど大規模な構造可変リンク系に適用可能な高速順動力学計算法を開発した.この計算法を用いるとN個のリンクからなる系の動力学シミュレーションに必要な計算量がO(N)となり,さらにO(N)個のプロセスで並列計算を行うことにより計算時間をO(logN)に短縮することができる.これは現在提案されている最も高速な順動力学計算法と同じ計算複雑性であるのに加え,構造可変リンク系に適用可能であるという特徴を持つ.これにより,接触を含む複雑な運動を実時間の数倍程度の時間でシミュレートすることができる.・逆運動学計算を用いて,数個のリンクの位置を指定するだけで全身のポーズを決定することのできる計算法を開発し,CGアニメーション生成に応用した.従来のCGアプリケーションと比べて容易に自然なアニメーションを生成することができ,作業効率が大幅に向上することが示された.・上記動力学計算法と逆運動学計算のインタフェースを応用して,力学的整合性を満たすヒューマンフィギュアの運動生成を行う方法を開発した.これにより,簡単なインタフェースで力学的なバランスなどを考慮した運動を自動的に生成できるようになった.・力学計算を用いたゲームなどのアプリケーションに必要なインタフェースを考案した.力学シミュレーションを用いることにより,サーカス,アクロバットなどモーションキャプチャの難しい運動も扱えることを実証した.
著者
上田 直子 中村 仁美 大栗 誉敏
出版者
崇城大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

日本の南西諸島に棲息する毒蛇ハブの毒成分は、意外にも生物の様々な組織にある脂質やタンパク質を分解する酵素が主成分であり、それらが加速進化して多様性を増すとともに、極めて高い特異性とユニークな性質を獲得してきたことが明らかとなりました。またハブ毒は、貴重な創薬シーズ(種)としても注目されています。本研究は、それらの毒成分が、毒を産生する組織である毒腺で、どのようにつくりだされるのか、その分子機構の解明を目指した研究です。
著者
合志 剣之助 中村 仁彦 岡田 昌史
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
ロボティクス・メカトロニクス講演会講演概要集
巻号頁・発行日
vol.2003, 2003

医療やスポーツの分野などで筋骨格人体モデルのシミュレーションが有用であるが, 人の動きの制御系の設計が問題となる。本研究では, 人体のような大自由度系のコントローラとして, ヒューマノイド等の力学特性の似た低自由度系のコントローラを適用する方法を提案する。
著者
古本 勇記 山根 克 中村 仁彦
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
ロボティクス・メカトロニクス講演会講演概要集
巻号頁・発行日
vol.2000, 2000

近年, 情報メディアの中心になるであろう動画作成の手段としてCGが注目を集めているが, CGでは人間などの生体の自然な動作を再現することに莫大な時間と労力を要する。そのため容易に人間動作生成を行なうための研究が進められているが, 本研究ではそれらを踏まえて, より人間らしい動作の生成を目的とし, CG上のキャラクタに力を入力として加えることでよろめく, 踏みとどまる, といった動作の生成をインタラクティブに行なうことを試みる。