著者
三石 敬之 三石 京子 中西 亮二 山永 裕明
出版者
社団法人 日本リハビリテーション医学会
雑誌
リハビリテーション医学 (ISSN:0034351X)
巻号頁・発行日
vol.42, no.6, pp.412-417, 2005 (Released:2006-09-22)
参考文献数
11
被引用文献数
4 2

嚥下障害を呈したWallenberg症候群において, 食塊の輪状咽頭部優位通過側とその経時的変化を検討した. 対象は, Wallenberg症候群29例. 嚥下造影の正面像を観察し, 優位通過側を決定した. 9例に患側が優位通過側である時期がみられた. 5例は患側優位の通過が見られた後, 健側優位の通過へ移行した. 1例は両側不通過, 患側優位, 健側優位の順に変化した. 3例は患側優位の通過のみみられた. 20例は患側優位の時期が確認できなかった. Wallenberg症候群における食塊の輪状咽頭部優位通過側は患側の場合があり, また, 経時的に変化する症例が存在することが確認された. 直接的嚥下訓練における代償法として一側嚥下や頸部回旋を行う際には, 優位通過側の経時的確認が重要であると考えられた. Wallenberg症候群における嚥下障害の病態理解に際して, 患側輪状咽頭筋の弛緩状態を加味する必要があると考えられた.
著者
藤野 英己 近藤 浩代 植村 弥希子 中西 亮介
出版者
神戸大学
雑誌
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
巻号頁・発行日
2020-10-27

再生医療は幹細胞を患部に移植をすることで完了するのではなく,移植後の微小環境が重要であり,再生を促進するための微小環境の管理が必須である.本研究では微小環境形成に関与すると考えられるエクソソームに焦点を絞り,骨格筋に対する物理的刺激で放出されるエクソソームがニューロン再生を促進させ脊髄損傷後の運動機能回復に有効であるかを検証するのが目的である.特に再生微小環境の形成には毛細血管ネットワークの退行予防と血管新生促進が不可欠であると考え,骨格筋から放出されエクソソームが脊髄の毛細血管網の構築に関与するかを検証し,再生医療における神経再生の管理のためのリハビリテーションを開発する.
著者
野尻晋一 土井 篤 野崎 雄二 池田 耕治 山永 裕明 中西 亮二
出版者
公益社団法人日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.17, no.5, pp.459-462, 1990
被引用文献数
3

今回我々は脳卒中後片麻痺患者において, 屋内での歩行スピードと実際の横断歩道での歩行スピードを測定し, 熊本市における横断歩道の状況を参考に考察した。その結果, 屋内での歩行スピードは屋外においては十分に発揮されておらず, その原因としては患者の心理的因子や環境因子に加え, その場の状況判断力等様々な因子が考えられ, 単に屋内の歩行スピードだけではその実用性の有無を判断できないことがわかった。
著者
小林 達矢 深沢 宏 村山 伸樹 中西 亮二 奥村 チカ子
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MBE, MEとバイオサイバネティックス
巻号頁・発行日
vol.96, no.501, pp.111-117, 1997-01-25
参考文献数
6
被引用文献数
3

パーキンソン病(PD)の動的病態の特徴をとらえるために, パーソナルコンピュータとデジタイザを用いてシステムを構築し, 視標追跡変速描円運動を用いて, 運動時の振戦, 固縮, 動作緩徐の定量化に有効なパラメータの検討を行なった. その結果, ずれ成分では(1)加速時のずれが重要であり, 遅れ成分では(2)遅れのCV値(3)スタート時の遅れ(4)加速時の遅れ(5)遅れ時間というパラメータが重要であった. これらのパラメータを用いてPD陽性を判定してみると66名中51名をPD陽性と判断することができた.

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著者
中西亮著
出版者
みずうみ書房 (発売)
巻号頁・発行日
1990
著者
山永 裕明 中西 亮二 今村 重洋 出田 透 浅山 滉
出版者
The Japanese Association of Rehabilitation Medicine
雑誌
リハビリテーション医学 (ISSN:0034351X)
巻号頁・発行日
vol.22, no.2, pp.79-85, 1985-03-18 (Released:2009-10-28)
参考文献数
22

被殻出血患者33例についてCT所見を中心として上肢,歩行機能,失語症,ADLについて予後の検討を行った.その結果,(1)実用手に15.1%しかならず上肢機能の予後は悪かった.(2)57.6%が独歩となり,観血群で38.5%,保存群70%と後者が有意に独歩になりやすかった.(3)独歩群の年齢は52.5±12.4歳,非独歩群は60.6±6.7歳で前者が有意に年齢が低かった.(4)観血群では,独歩群39.6±12.7歳,非独歩群59.9±6.2歳で前者が有意に年齢が低かった.(5)尿失禁があると有意に独歩率が低かった.(6)27.2%に失語症を認めた.(7)ADLと移動能力の間に有意の相関を認めた.(8)CT上,内包後脚に影響ない例の予後は良好だが,他はCTのみで予後判定は困難であった.
著者
島田 佳広 佐藤陽一 中西 亮 品川 高廣 吉澤 康文
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告グループウェアとネットワークサービス(GN) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.9, pp.125-132, 2006-01-27

大量の動画像情報をディスクから読込み,クライアントに送信するVODサーバでは人気タイトルの情報をメモリ内にキャッシュする工夫によりディスクI/Oの負荷を低減することができる.しかしこの工夫が成功しても,通信回線を通して送信するオーバヘッドの低減はできない.そこで,P2Pプロトコルを用いて,クライアントの通信回線,CPU,メモリ等を利用し,VODサーバの負荷を低減する方式を提案する.本方式は,人気タイトルに要求が集中して発生する際に有効と考える.本稿では,本方式を採用したVODサーバとクライアントの処理方式を報告する.VOD servers that read a large amount of dynamic image data and send it to clients can reduce load of disk I/O with caching data of popular title. However, even if this attempt succeeds, overhead caused by transmitting data via communication lines cannot be reduced. Then, we propose the method to reduce the load of VOD servers by using the P2P protocol, and using client's network bandwidth, CPU power, and memory etc. Our method is effective, when the demand concentrates on a popular title. In this paper, We report how VOD server and the client will work with our method.