著者
高岡 素子 宮崎 博隆 別所 京子 松本 剛 佐々木 愛
出版者
日本食生活学会
雑誌
日本食生活学会誌 (ISSN:13469770)
巻号頁・発行日
vol.19, no.1, pp.44-49, 2008-06-30 (Released:2008-09-02)
参考文献数
18

We conducted a survey for students about lifestyle habitats such as eating habits and monitored skin conditions to study the effects of the eating habit on skin conditions. This eating habit survey showed that n-6/n-3 ratio is on the increase due to the excessive consumption of fat and the insufficient intake of fish. Furthermore, there was a trend that there was a lack of many nutrients. For the relationship between nutrient uptake and skin conditions, there was a significant positive correlation between the take of n-6/n-3 and transepidermal water loss (TEWL), and the consumption of alachidonic acid and icosatrienoic acid and the extent of the incidence of acne. These results suggested that nutrient component taken from eating affects skin conditions. In addition, it is indicated that n-3 or n-6 fatty acid is strongly related to the barrier function of the horny cell layer and the incidence of acne.
著者
中塚 幹也 安達 美和 佐々木 愛子 野口 聡一 平松 祐司
出版者
日本母性衛生学会
雑誌
母性衛生 (ISSN:03881512)
巻号頁・発行日
vol.46, no.4, pp.543-549, 2006-01
被引用文献数
6

日本の公的医療機関では, 精神神経学会の性同一性障害(GID)治療ガイドラインに従い, ホルモン療法は18歳以上に施行しているが, 年齢制限には検討の余地がある。このため, GID症例自身が, 説明, ホルモン・手術療法を何歳ごろ受けたかったかを調査した。対象はGID症例181名で, FTM症例117名, MTF症例64名であった。FTM症例の初経は12.8±1.6歳, 乳房増大の自覚は12.2±1.7歳であり, MTF症例の変声は13.6±1.7歳, ひげは15.3±2.5歳にみられた。中学生以前に性別違和感の生じた症例に限って検討すると, GIDについて知った年齢は, FTM症例で22.0±6.6歳, MTF症例では27.0±9.8歳であった。FTM症例では, GIDの説明は12.2±4.2歳, ホルモン療法の開始は15.6±4.0歳, SRSは18.2±6.0歳にしてほしかったとしていたが, MTF症例では, いずれも二次性徴の起こる前の各10.7±6.1歳, 12.5±4.0歳, 14.0±7.6歳と早期の治療を希望していた。現在のGID治療ガイドラインの年齢制限の緩和が必要であるが, 学校教育の中でのGIDの概念の解説, 思春期における適切なGID診断システムの確立などが重要となろう。
著者
佐々木 愛 宮野 素子
出版者
秋田大学教育文化学部附属教育実践研究支援センター臨床心理相談室
雑誌
秋田大学臨床心理相談研究
巻号頁・発行日
no.18, pp.21-25, 2019-03-25

内的な感覚を他者が理解することは難しく,観察可能な行動に支援の焦点が当たりやすい。行動への対処は社会生活を送る上で重要だが,変容が難しい場合もある。行動の背景にある感覚処理を視野に入れると,本人の困り感に沿いながら支援ができ,認知や感情が影響を受けた結果,行動が変容しやすくするのではないか。そこで本研究では,認知,情動の2側面があり,社会適応に必要とされる共感性との関連を明らかにすることを目的とし,中学生を対象に質問紙調査を行った。結果,感覚有意・回避群,刺激探求群,低関心群の3群が得られた。3群それぞれで共感性について分散分析を行ったところ,共感的関心では低関心群のみ男子より女子の得点が高く,個人的苦痛では感覚有意・回避群が他の群よりも高くなった。今回の結果から,感覚回避の強さが個人的苦痛や共感的関心といった共感性の情動的側面へ影響すること,感覚探求が強いほど,他者指向的な感情を抱きやすいことが示唆された。
著者
佐々木 愛
出版者
島根大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2006

本研究は、「宋代以後、明清期にかけて、社会に礼教が普及した」とする「通説」に対して、明清の礼マニュアルや礼説、法律とその適用などから検証し、通説は修正が必要であることを明かにしたものである。上記の視角は、朱熹『家礼』の普及がその根拠となっていたが、本研究では、『家礼』普及の実例と位置づけられていた丘濬『家礼儀節』が、朱熹『家礼』の根本原理となっている儀礼の実践を否定した書であることを明かにした。また、殺死姦夫律の検討を通して、国制と法は道徳とは別個の論理をそれぞれもっており、三者が一体となって礼教化を進めるという構造にはなっていなかったことを明らかにした。