著者
須田牧子著
出版者
東京大学出版会
巻号頁・発行日
2011
著者
荒木 和憲 伊藤 幸司 榎本 渉 須田 牧子 後藤 真
出版者
国立歴史民俗博物館
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2016-04-01

平成30年度に引き続き,研究代表者と研究分担者が5つの作業チームに分かれて研究を進めた。「東アジア交流史関係史料」の検出・データ化作業は,荒木班・榎本班・伊藤班・須田班が行った。具体的には,榎本班は中世前期の記録・典籍類(刊本),伊藤班は九州に所在する中世後期の文書類(刊本),荒木班は九州以外に所在する中世後期の文書・記録類(刊本),須田班は禅宗関係史料(東京大学史料編纂所謄写本)を分析し,10~16世紀における「東アジア交流史関係史料」を検出した。検出した史料については,基本情報(年月日・作成者・受信者・史料名・典拠など)だけでなく、本文の全文テキスト(一部は抄出)を作成し,かつ当該史料の生成・授受にかかわる地域・階層などのメタデータを付与した。各班で作成したデータは,研究代表者である荒木がとりまとめ作業,校正,データの整合性チェックを行った。こうして作成したデータは,平成30年度末の時点では約4,600件であったが,令和元年度末には約7,000件に増加した。また,紙媒体での報告書(『東アジア交流史関係史集成(稿)』)の編集作業を同時に進捗させており,原稿量は令和元年度末の時点で約1,300頁(A4版・2段組)に達した。一方,後藤班は,ファセット検索システムの運用改善を進めた。当該システムは,ユーザーがさまざまな切り口から高度で有意な情報を引き出すことを意図したもので,今年度内に国立歴史民俗博物館の「総合資料学情報基盤システム」(https://khirin-ld.rekihaku.ac.jp/)における試験公開を行っており,校正済のデータについての基礎検索が可能である。
著者
榎原 雅治 本郷 恵子 末柄 豊 伴瀬 明美 前川 祐一郎 高橋 典幸 井上 聡 須田 牧子 遠藤 珠紀 小川 剛生 高橋 一樹
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

室町時代は日本の伝統文化の形成された時代であるといわれている。本研究では、さまざまな理由によってこれまで全体像が把握されていなかったこの時代の公家や僧侶の日記を解読し、出版やデータベースの作成によって、その全文紹介を進めた。また日記に登場する人物について研究し、室町文化の形成を考える上で不可欠な人物データベースを作成した。
著者
保谷 徹 松井 洋子 柴山 守 谷本 晃久 岡 美穂子 五百籏頭 薫 原 正一郎 原山 浩介 須田 牧子 小野 将 山田 太造 横山 伊徳 佐藤 雄介
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2014-05-30

本研究では、東京大学史料編纂所の海外史料マイクロフィルム約150万コマ等をデジタルアーカイヴ化し、国内採訪史料とともに学術資源として閲覧公開をはかる。また、在外日本関係史料の調査・収集を進め、マルチリンガル、マルチアーカイヴァルなプロジェクト研究を推進する。①デジタルアーカイヴ構築の面ではマイクロフィルム全2739本からのデジタル画像データのサーバ登録を完了し、このうち約85%については簡易目録ベースでの公開を開始している。今年度は新規収集分を含めて約38万コマを公開データに追加し、累計185万コマとなった。②社会連携・地域連携の試みとして、英国外務省文書FO46(TNA原蔵)に続き、横浜開港資料館所蔵FO262(英国外務省駐日公館文書)マイクロフィルム(約20万コマ)をデジタル化した。史料編纂所と開港資料館でのFO262全体(28万コマ)の検索・閲覧を実現する。③ロシア国立歴史文書館長らを招聘した「日露関係史料をめぐる国際研究集会」をした(5月、東京本郷、日本学士院・東京大学史料編纂所で共催)をはじめ、計3回の国際研究集会を実施して研究成果を発表・発信した。④『ロシア国立海軍文書館所蔵日本関係史料解説目録2』を刊行し、ロシア国立歴史文書館所蔵東アジア三国関係史料解説目録の作成・提供を受けた。⑤各重点プロジェクトで日本関係史料調査と目録研究を実施し、とくに、ロシア両文書館での継続的な史料収集やロシア国立サンクトペテルブルク図書館での史料画像データ収集、ハワイ州立文書館での新規撮影約3500コマなど、さらに古写真史料集『高精細画像で甦る幕末・明治初期日本―ブルガー&モーザーのガラス原板写真コレクション―』(洋泉社)の刊行などの成果があった。⑥前項の海外史料調査・収集の成果に対する社会的反響は大きく、今年度も毎日新聞・読売新聞・朝日新聞・NHK報道などで大きく取り上げられた。
著者
須田 牧子
出版者
東京大学
雑誌
若手研究(スタートアップ)
巻号頁・発行日
2006

本年度においては、第一に、昨年度に引き続き、入明記諸本の検索を行ない、可能であれば原本調査を行なうとともに、その写真を入手し、伝来を含めた書誌情報の確定に努めた。この作業の結果、入明記の悉皆調査はほぼ完了し、良質な写真の入手あるいは撮影にっいても、修理中・貸出中であったものを除いては完了することができた。第二に、『笑雲瑞訴入明記』(1453年に明に渡った遣明船の記録)について、数種類の写本の伝来を確定し、各写本の字句の異同を全て確認のうえ、翻刻を完成させた。加えて、この翻刻の読み下しを作成し、昨年度・本年度の現地調査の成果をも盛り込んだ詳細な注釈を施した。以上の成果は解題を付し、単行本として出版すべく具体的に準備している(出版社決定済)。また本研究で得られた史料学的な成果については、「『笑雲瑞訴入明記』の書誌的検討」と題し、2008年7月に浙江工商大学日本文化研究所で行なわれる国際シンポジウム「東アジア文化交流-人物往来」で報告予定である。第三に、日明関係に深く関与し、入明記の伝来とも関係の深い大内氏についての基礎的な研究を進め、その成果の一部を公表した。現地調査としては、まず韓国沿海部・島嶼部の日・明・朝関係史跡の踏査を行ない、また中国北京市の中国第一歴史档案舘を訪問して中国の史料保存の実態に触れるとともに、第一歴史档案館が所在する故宮の見学をし、入明記に記載される一つ一つの門・建物を詳細に確認した。これら現地調査の結果は直接的には、『笑雲瑞訴入明記』の注釈という形でまとめられ、間接的には、現在進めているほかの入明記の内容分析に活かされている。
著者
須田牧子編
出版者
須田牧子
巻号頁・発行日
2023
著者
横内 裕人 須田 牧子 池田 寿 藤田 励夫 山口 華代 荒木 和憲 一之瀬 智
出版者
京都府立大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2013-08-30

東アジアにおける日本・朝鮮・中国の文化交流を考える基礎情報を得るため、長崎県対馬市に所在する渡来経巻を悉皆調査した。具体的には、豆酘・多久頭魂神社に所蔵される高麗再雕版大蔵経の詳細な目録を作成し、他の寺院等に所蔵される再雕版大蔵経との比較検討を通じて、本経巻の成立・伝来を考察した。その結果、本大蔵経は、おそらくは15世紀頃に印刷され、江戸時代までに対馬に伝来した経巻であり、李氏朝鮮と対馬との緊密な関係の中でもたらされた文化財であることが確認された。