著者
荒井 勇亮 佐藤 功人 滝沢 寛之 小林 広明
雑誌
研究報告ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)
巻号頁・発行日
vol.2010-HPC-124, no.11, pp.1-7, 2010-02-15

近年,従来の CUDA に加えて,GPGPU プログラミングのための新たな標準プログラミング環境として OpenCL が利用可能となった.本論文では,CUDA と OpenCL のプログラムの実行性能差を定量的に評価する.まず,ほぼ同等の処理を行う CUDA と OpenCL のプログラムを実装し,性能を比較する.次に,その性能差の主要因を調査し,CUDA コンパイラではサポートされているいくつかのコンパイラ最適化手法が,現在の OpenCL コンパイラではサポートされていないことを明らかにする.最後に,OpenCL コンパイラで生成されるコードを手動で最適化することによって CUDA と同等の性能を達成できた結果から,今後の OpenCL コンパイラの最適化機能が強化されることにより,CUDA コードを OpenCL に単純変換するだけでも,CUDA と同等の性能を達成できる可能性が示された.
著者
佐藤 功
出版者
The Japanese Psychological Association
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
vol.41, no.4, pp.173-181, 1970

The present study was conducted, in developing Zajonc's study on "cognitive tuning" phenomena, to investigate in detail the interrelationships between the transmissionreception (T-R) conditions and the cognitive structure of certain information. In this study, therefore, T-R conditions as situational variables were dealt with in relation to the predispositions conditions as subject varialbles, and the content index of the cognitive structure as well as Zajonc's morphological index was used.<br>The main findings are as follows.<br>1. The effects of the T-R and predispositions conditions on the cognitive tuning phenomena differ according to the properties (morphology and content) of the cognitive structure.<br>2. The level of the cognitive organization in morphological properties is directly related to the intensity of the predispositions. No appreciable interaction is found between the T-R and predispositions conditions.<br>3. The level of the cognitive organization in content properties is considerably influenced by the interaction of the predispositions with the T-R conditions: the level of the cognitive organization in content properties markedly increases, when the receiver's role is assigned to the subject having higher familiarity with a certain referent, or having deeper interest in it.<br>4. As to these results above-mentioned, some differences between morphological and content properties in the cognitive structure were discussed: it was suggested that the morphological index may reflect the general activation level of individuals, while the content index may reflect the specific psychological mechanism (such as defensive resistance to communication) of individuals who expect to receive certain information.
著者
伊達 学 佐藤 功 中野 秀治 中川 準平 伊達 和
出版者
日本肺癌学会
雑誌
肺癌 (ISSN:03869628)
巻号頁・発行日
vol.35, no.4, pp.445-452, 1995-08-20

症例は57歳男性,右胸背部痛を主訴に近医受診し,1992年8月11日当科紹介された.胸部X線にて大量の右胸水を認め胸腔ドレナージ施行.胸水中のCEA,ADA,ヒアルロン酸値は正常で,頻回に施行された細胞診も陰性であった.その後胸水の増大傾向なく経過観察していたが,右胸膜のび慢性肥厚増強を認めたためCTガイド下胸膜生検施行.免疫染色を含めた組織学的検索により低分化型腺癌疑いと診断された.また,同時期より有顎下に腫瘤を認め,細胞診にて胸膜生検と同様の細胞が採取された.以上より原発部位は不明であるが,胸膜播種および頸部リンパ節転移を伴う肺癌が疑われた.しかし,臨床的にび慢性胸膜中皮腫も否定できず,疼痛の解除および確定診断を得るために胸膜肺全摘術,顎下腫瘤摘出術を施行した.術後病理診断にて,顎下腺腺様嚢胞癌および胸膜転移と診断された.
著者
臼田-佐藤 功美子
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.73, no.11, pp.480-485, 2023-11-01 (Released:2023-11-01)

国立天文台は2019年に,市民がインターネットを通じて「すばる望遠鏡」のビッグデータにアクセスし,銀河研究に協力する「GALAXY CRUISE」プロジェクトを始動した。天文学分野において,ウェブ上で既存の観測データを分類するシチズンサイエンスは国内初といえる。本プロジェクトは,日本語で参加できるだけでなく,先行する海外でのプロジェクトにない独自の特徴を持つ。例えば,丁寧なトレーニングメニュー,クルーズ船に乗って宇宙を航海する世界観やゲーム性等を導入した。本稿ではGALAXY CRUISEの進捗状況とともに,アンケート結果から見えてきた参加者のモチベーションと属性の時間変化を紹介する。
著者
植田 睦之 島田 泰夫 奴賀 俊光 佐藤 功也
出版者
特定非営利活動法人バードリサーチ
雑誌
Bird Research (ISSN:18801587)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.S19-S25, 2017 (Released:2017-09-14)
参考文献数
19

洋上風車に対する海鳥の反応を明らかにするために,2013年と2016年に銚子沖で船舶用レーダを使った調査を行なった.いずれの調査でも風車から100m以内を鳥が飛行することは少なく,また,風車のそばで飛行方向をかえる行動が記録され,海鳥は風車を回避して飛んでいると考えられた.2013年と2016年を比較すると,2016年の方が風車のより近くを飛行する傾向があった.以上の結果から,洋上風車の海鳥への影響としては,バードストライクより風車を忌避したり,その海域を使わなくなったりする影響の方が大きいと考えられるが,レーダによる調査データには天候等の偏りがあり,海鳥への影響を明らかにするにはさらなる調査が必要である.
著者
佐藤 功人 近藤 雄樹 清田 雄策
雑誌
研究報告システム・アーキテクチャ(ARC) (ISSN:21888574)
巻号頁・発行日
vol.2016-ARC-222, no.14, pp.1-7, 2016-09-29

データの保存に用いられる記憶媒体がディスク装置 (HDD) からフラッシュメモリ (SSD) へと移行し,Linux OS におけるストレージ装置のプロトコルスタックも従来の SCSI 規格に加えて SSD に特化した NVMe (Non-Volatile Memory Express) 規格が導入された.NVMe デバイスドライバでは,従来存在したマルチコア CPU で生じるコア間の排他制御競合によるボトルネックが解消されている.本報告では,高性能共有ストレージ装置へのアクセスインターフェースとして NVMe 規格を適用することで,ローカルの SSD と同様にボトルネックが解消することを定量的に示す.また,初期の NVMe デバイスドライバの実装方法では運用上のデメリットが発生するが,運用性を損なわずボトルネックを解消するために後に Linux に導入された,ブロックマルチキューについて述べる.
著者
鈴木 基広 永野 柾巨 泰江 輝雄 福島 明 佐藤 功一 小勝 薫 三浦 妙太
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.1103-1106, 1985-09-25

坐骨神経に発生した巨大な孤立性神経鞘腫の一例を経験したので報告した.症例は48歳男性.約10年前,左大腿後面に無自覚性の小結節を生じ,漸次増大した.来院時,腫瘤は24cm×25cm,弾性硬で圧痛があった.術前検査により悪性新生物を考えて手術を行った.腫瘤は大腿二頭筋の深部に存在し,被膜に包まれ,坐骨神経本幹に連続していた.大きさは19cm×13cm×12cm,重さ1,852gと巨大な腫瘍であった.割面は充実性で,肉眼的には黄白色で一部に出血巣が認められた.病理組織はAntoni A型とAntoni B型の混合型の神経鞘腫であった.坐骨神経に発生する腫瘍には悪性のものが多く,神経鞘腫で,本症例のごとく巨大なものは,今日まで報告がなされていない.症例は術後5年間の経過観察をするも,再発の徴候なく,元気に社会生活を送っている.
著者
佐藤 功
出版者
日本臨床免疫学会
雑誌
日本臨床免疫学会会誌 (ISSN:09114300)
巻号頁・発行日
vol.39, no.4, pp.302, 2016

<p>  製薬企業が直面している問題点として,新薬開発における成功確率の低さによる研究・開発費の高騰や,創薬難易度(対象疾患の希少化や標的分子の減少)の上昇による競争の激化があります.これらの問題を解決する一つの手段として,オープンイノベーションが提唱されています.これまでも,多くの製薬企業が,アカデミアやバイオベンチャーとの共同研究・開発を実施してきていますが,今後はますます活発になると予想されます.一方で,規制当局から創薬に求められる科学的レベルも向上しています.そのため,アカデミアとの連携にあたっても,新規分子や作用機序の発見だけでは,共同開発に踏み切れないことが多くあります.製薬企業が期待するのは,新規性・革新性,作用機序と有効性の関連性,プロダクトのプロファイル,知的財産の排他性,そして競合優位性です.医師主導治験を実施するにあたり,これらの点をご紹介したいと思います.</p>
著者
祐川 励起 山道 祥郎 久米田 哲 佐藤 功二 西山 和彦 池野谷 達雄
出版者
Japanese Association for Oral Biology
雑誌
歯科基礎医学会雑誌 (ISSN:03850137)
巻号頁・発行日
vol.30, no.2, pp.156-163, 1988-04-20 (Released:2010-06-11)
参考文献数
15
被引用文献数
1

東北歯科大学解剖学教室所蔵の乳歯列期から永久歯列期までのインド人頭蓋101顆を歯牙の萠出状況により5期に分けた。そして, 口蓋各部位を計測して各期ごとの平均値と1期から5期の成長率を求めて口蓋の成長変化を推定した。さらに, 口蓋を構成する上顎骨口蓋突起の長さと口蓋骨水平板の長さについいては相関関係も調べた。切歯骨口蓋部の長さと前方口蓋の幅はそれぞれ中切歯もしくは犬歯の萠出により変動するが, 最終的に1期から5期で1.01倍と1.08倍の成長率であった。上顎骨口蓋突起の長さ, 骨口蓋の長さそして歯槽突起の長さは大臼歯の萠出に伴って増大し, 最終的に1期から5期で1.57倍, 1.37倍さらに1.42倍の成長率であった。口蓋骨水平板の長さと幅, さらに後方口蓋の幅は比較的スムーズに成長し最終的に1期から5期の成長率はそれぞれ1.40倍, 1.27倍さらに1.23倍であった。以上の結果から, 口蓋の形態は成長に伴って前後に長くなることが分かった。特に, 口蓋の後方部の成長には大臼歯の萠出が関与していると思われた。さらに, 上顎骨口蓋突起の長さと口蓋骨水平板の長さはすべての期で相関係数が負であったことから, 互いに口蓋の長さを一定に保つような関係にあると思われた。
著者
佐藤 功
出版者
上智大學法學會
雑誌
上智法学論集 (ISSN:04477588)
巻号頁・発行日
vol.20, no.3, pp.p185-209, 1977-03

有泉 亨教授退職気年号