著者
大村 敬一 木村 大治 磯部 洋明 佐藤 知久
出版者
日本文化人類学会
雑誌
日本文化人類学会研究大会発表要旨集 日本文化人類学会第47回研究大会 (ISSN:21897964)
巻号頁・発行日
pp.140, 2013 (Released:2013-05-27)

人類の宇宙への飛躍が目前に迫っているかもしれない今日の状況下、人類学に何が求められ、人類学に何ができるのだろうか。本分科会の目的は、宇宙空間への人類の進出が同時代的な課題となりつつある今日の世界にあって、「地球」という限定された空間を超えて、「宇宙」 という新たなフロンティアから人類を見つめ直す宇宙人類学の可能性を示し、問題提起を行うことにある。
著者
石原 友明 建畠 晢 佐藤 知久 砂山 太一 石谷 治寛
出版者
京都市立芸術大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2021-04-01

本研究は、芸術のデジタル・アーカイブに関して、さまざまな特定の機関や部局が全データを統御する集中管理型モデルではなく、各大学や機関・専攻等の個々のエージェントが資料を個々に管理しながら、そこで生成される芸術資源を横断的に活用しうるような「分散型芸術資源アーカイブ」の可能性を探究するものである。具体的には、理論的・技術的検討をもとに、ブロックチェーン技術を活用した分散型芸術資源アーカイブの実装と検証実験と、アーカイブの持続的成長に必要な人的・組織的なエコシステムに関する実践的検討を行うことによって、諸機関の独立性を維持しつつ成長する、来るべき芸術資源アーカイブの可能性を展望する。
著者
佐藤 知久
出版者
日本文化人類学会
雑誌
日本文化人類学会研究大会発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.2008, pp.16, 2008

本発表は、ドラァグ・クイーンという現象についてアメリカ合衆国と日本での状況を比較検討しつつ論じるものである。特に本発表では1990年代初頭の合衆国から日本へのドラァグ・クイーン文化導入の経緯とその後の展開について考察し、日本ではドラァグの「転覆」「脱臼」的な効果がゲイ男性による批判的実践のみならず、ヘテロセクシュアル女性による美や女性身体をめぐる規範の批判としても用いられていることを指摘する。
著者
高橋 悟 佐藤 知久 牧口 千夏
出版者
京都市立芸術大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2017-04-01

本研究「感覚のアーキペラゴ:脱(健常)の芸術とその記録法」は、障害という言葉を割り当てられた創造行為について、健常者を中心に構築されてきた知覚・表現論理や個人・表現・受容者を前提とした従来の芸術論による評価とは異なる視点からのアプローチを目指したものである。方法としては、長年に渡り障害を有した人々の潜在的な可能性をアートを媒介にし、自由な手法で支援しつづけている一般財団法人たんぽぽの家(奈良)での実践的フィールドワークと創作過程の行為分析を中心に進めた。研究の方法としては、「関係的な領野の記述」と「創作としての新たな展示モデル」という2つのテーマを設定し、それらに対応するチーム編成により具体的な作業をすすめていった。具体的には、(1)集団の身体をテーマにしたワークショップから他を排除しない集団行為としてのアホーダンスの考案(2)集団コミュニケーションのワークショップから複数の身体、リズム、音によるラップの実験的な公演。(3)上記2つのワークショップの映像メディアによる実験的な記録である。これらは完成された作品(Art-Works)を現場の文脈と分断して記録・展示するという従来の手法ではなく、生の環境を多感覚的に捉える記録方法や関係的な領野の記述を含む(Art-Documentation)としての試行である。以上のように本年度は、作品という完結したモノの分析からではなく、モノ、集団、環境など活動の現場での相互行為や創作のプロセスに着目した分析を中心に研究を進めた。