著者
倉沢 愛子 内藤 耕
出版者
慶應義塾大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

経済大国化しつつあるインドネシアにおけるテレビ放送について「公共性」と「商業主義」という観点から多角的に分析した。具体的には公共放送が定義づけられた2002年放送法制定をめぐる調査と研究、民放における公共性の確保をめぐる調査、公共広告放送やニュースの分析、地方局の現状に関する調査をおこなった。公共性がうたわれつつも、テレビ放送が商業的利益の追求や政治的動員のために利用される現状が明らかにされた。
著者
倉沢 愛子 内藤 耕
出版者
慶應義塾大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

3年間に亘りジャカルタ市南郊の低所得者の集住地区であるレンテンアグン町において、露天商・行商人たち、ならびに同地区内にある伝統的市場で商いをする商人たち(商店主並びに行商人)からその個人史(パーソナルヒストリー)の聞き取りを行なった。また、北部の中国系住民が多く住む商業地区コタにおいて、中国系の商人たちからも同様なききとりを行なった。それを通じて、開発政策の中で烈しく変容する庶民の生活を描き出し、それが大きな歴史をどのように投影しているのかを考察した。
著者
倉沢 愛子 内藤 耕
出版者
慶應義塾大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2001

都市化のプロセスと住民のあいだの組織原理の変遷と過去における機能を探求することを目的とした。基本的には、南部ジャカルタ市レンテンアグン町内を主たる対象地域としてフィールド調査を行ってきた。主に、上からの住民動員システムの代表例である、PKKの活動の観察を通して、住民組織がどのように編成されているのか解明することを試みた。他方、行商や露天商を営んでいる住民に対して個人史を中心とした聞き取り調査を行ってきた。その結果、同郷の親族や知人を頼って農村から出てきて、当初はその知人と同一の業種の仕事をすることが多いことが確認され、都市=農村間のネットワークについて素描することができた。彼らの多くは定住性が高くなく、町内居住者が定住性の高い集団とそうでない集団とに分離していく傾向があることが確認された。また、都市生成を商品流通と人の移動の点から解明するために、レンテンアグン町内にある伝統的市場に焦点をあてて、その歴史、規模、運営方法、出店している商人や買い物客の属性等の調査を行った。商人の多様性、階層性を明らかにする一方で、市場が地域社会の核となっていることを明らかにした。買い物客の分析を通しては、再販売のための仕入れ目的の者が約三分の一ほどいることがわかり、市場が地域のインフォーマルセクターを支える役割をしていることが明らかとなった。調査ではほかに、都市の日常を住民自身の感覚に近いところで表象する大衆紙を中心とした新聞資料の収集、整理に相当時間を費やした。全体として、ジャカルタ南部の都市化においてはフォーマルで強固な組織化の力とインフォーマルでルースなネットワークというふたつの組織原理がせめぎあっており、開発の時代を通して地域社会の二重化が進行してきたと考えられる。
著者
内藤 耕
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1617, pp.82-85, 2011-11-21

長らく生産性が低いとされてきた日本のサービス業。とりわけ地方の中小零細企業は地元経済の疲弊に伴い、苦境にあえぐ。なお逆風に負けず気を吐く零細企業を紹介する。八天堂個性消して売れるクリームパン 広島県三原市。JR三原駅から歩いて数分のところに4坪(約13.2m2)ほどの小さな店舗がある。
著者
芳本 信子 吉川 祐子 吉田 久江 菅沼 大行 山根 理学 稲熊 隆博 内藤 敬子 内藤 耕太郎
出版者
学校法人滝川学園 名古屋文理大学
雑誌
名古屋文理大学紀要 (ISSN:13461982)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.1-7, 2007-03-31 (Released:2019-07-01)

トマトやすいかに含まれ, 強い抗酸化作用を有するリコピンの摂取が, 2型糖尿病患者の酸化障害を軽減する可能性を考慮して血糖値, 特に糖化ヘモグロビン(HbA1c)の変動に及ぼす影響を検討した.リコピン摂取前平均7.9%であったHbA1cは, 摂取1年後には6.8%に低下し改善が認められた.2型糖尿病患者の高血糖による弊害をコントロールする1つの方法としてリコピンの含まれている食品を継続摂取することの有用性が示唆された.
著者
小林 直人 赤松 幹之 内藤 耕 藤田 茂 小野 晃
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.55, no.10, pp.722-734, 2013
被引用文献数
1

2008年に第2種基礎研究を中心とした原著論文を掲載する学術誌「Synthesiology(シンセシオロジー)–構成学–」が創刊された。Synthesiology(シンセシオロジー)に掲載される研究論文は,研究開発がめざした目標,それを実現するためのシナリオ,シナリオを実践するための要素技術の選択と統合の方法,研究成果などを明確に述べることが求められている。本稿では,この学術誌がめざした理念や,発刊に至った経緯,発刊の趣旨などを述べた後,実際に掲載された70編の論文を対象にして,構成の方法論を分析した結果を紹介した。全体として,共通の構成方法として,「技術的な構成」とも呼ぶべき方法論が重要であり,さらに研究成果を社会に導入していくためには,「社会導入に向けた構成」と呼ぶものを連続して起こす必要があることが明らかになった。また,今後はさらにシナリオの構成方法とその使用,役割についても詳細に分析を進めていくことの重要性が認識され,これらを含む本学術誌の今後の課題についても言及した。
著者
鈴木 弘貴 金山 勉 内藤 耕 阿部 るり 阿部 るり 竹村 朋子
出版者
十文字学園女子大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

(1)トランスナショナル・グローバルなニュースメディアでも、ニュースの「選択」および「解釈」においては、国際・外国ニュースの「自国化」が見られ、「ナショナル」な側面を強く残している。(2)ニュース報道における現時点での「グローバルな視点」とは、「両論併記」のことであり、報道機関としての解釈の余地のない速報に注力している。(3)イスラーム世界ではローカルメディアにおいても、「イスラーム世界・同胞」を意識した報道姿勢が見られる放送局がある。