著者
前川 昭二 斉藤 勝也
出版者
一般社団法人 日本航空宇宙学会
雑誌
日本航空宇宙学会論文集 = Journal of the Japan Society for Aeronautical and Space Sciences (ISSN:13446460)
巻号頁・発行日
vol.51, no.595, pp.412-418, 2003-08-05
参考文献数
8

An airship has usually two or three ballonets in its envelope in which air is contained. Its buoyancy and attitude control is performed by changing the air content of each ballonet. It is said that ballonet slosh may influence airship's stability or ride quality. However, no quantitative treatment has been performed so far to investigate this phenomenon. In this paper the coupled equations of an airship longitudinal motion are formulated by modeling the ballonets as cylindrical containers. Some numerical calculations are performed for a 25m class airship and it has been shown that the ballonet slosh may become a design issue when the shape of the ballonet is thinner or when the size becomes larger.
著者
児玉 豊彦 新地 浩一 前川 昭子 小栗 清佳 神崎 匠世 吉水 清
出版者
一般社団法人 日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.49, no.7, pp.827-837, 2009
参考文献数
21

目的:佐賀県における看護師の自殺の実態を調査し,自殺のリスク要因を明らかにし,予防対策に取り組むことを目的として,今回の研究を実施した.対象者および方法:佐賀県看護協会主催のストレスマネージメント研修会に参加した看護師83名,およびA大学医学部医学系研究科看護学修士課程に在籍している大学院生の看護師10名の計93名.方法:対象者に自記式質問紙調査票による調査を実施した.また,同僚の自殺または自殺未遂を経験した対象者のうち,同意が得られた2名に面接による調査を実施した.結果:回収率は91.4%で85名(男性8名,女性75名,性別不明2名)から回答を得た.有効回答率は100%,同僚の自殺もしくは自殺未遂を経験したものは8名であった.自殺者または自殺未遂者11名のうち,20歳代が9名(81.8%)で最も多く,7名(63.6%)が通算勤務年数が5年以下であった.婚姻状況は10名(90.9%)が独身者であり,8名(72.7%)が交替制勤務に従事していた.自殺の推測される動機は,職場の人間関係や恋愛関係など対人関係に関するものが7名(63.6%)と最も多かった.結語:看護師の自殺予防のために,就職後の早い時期からメンタルヘルス対策に取り組む必要性があると思われた.
著者
久郷 真人 谷口 匡史 渋川 武志 岩井 宏治 平岩 康之 前川 昭次 阪上 芳男 今井 晋二
出版者
社団法人 日本理学療法士協会近畿ブロック
雑誌
近畿理学療法学術大会
巻号頁・発行日
vol.2011, pp.4, 2011

【はじめに】<BR> 皮膚筋炎(delmatomyositis:DM)は対称性の四肢近位筋・頸部屈筋の筋力低下、筋痛を主症状とし、Gottron兆候やヘリオトープ疹などの特徴的な皮膚症状を伴う慢性炎症性筋疾患のひとつである。臨床検査では血清筋逸脱酵素(creatine kinase;CK)やLDH、aldorase、尿中クレアチン排泄量が異常高値を示す。治療としては副腎皮質ステロイドが第一選択薬とされるが、長期投与により満月様顔貌、行動変化、糖耐能異常、骨密度低下、ステロイドミオパチー等の多彩な副作用を生じることも多い。また、近年運動療法の適応についても多数報告されており、その効果が期待されている。<BR>今回、皮膚筋炎治療中にステロイドミオパチーを呈した症例を経験したので報告する。<BR>【症例紹介および理学療法評価】<BR> 症例は43歳男性。2010年12月頃より右上腕部に筋肉痛・潰瘍出現、顔・頸部・対側上腕に皮疹が広がり、皮膚筋炎を疑われ精査目的にて当院入院となる。入院後皮膚生検・筋生検にて皮膚筋炎と診断され、ステロイド療法(prednisolone;PSL,60mg/day)が開始される。最大PSL120mg/dayまで漸増するもCK値低下遅延し免疫グロブリン療法(IVIG)施行。またPSL120mg/dayに増量後、副作用と思われる両下腿浮腫、満月様顔貌、および下肢優位のステロイドミオパチーと考えられる筋力低下の進行を認めたためCK値の低下に伴いPSLを漸減。<BR> 入院後15病日目より理学療法開始。開始当初よりCK高値(約6000IU/L)であり、易疲労性、筋痛、脱力感著明。筋力はMMTにて股関節周囲筋2~3レベル。HHD(OG技研GT300)を用いた測定では膝関節伸展筋力右0.96Nm/kg、左0.83Nm/kg、股関節屈曲筋力右0.3Nm/kg、左0.28Nm/kgであった。立ち上がり動作は登攀性起立様、歩行は大殿筋歩行を呈していた。6分間歩行は141mであった。また体組成分析(Paroma-tech社X-scan)を用いた骨格筋量/体重比では34.4%であった。理学療法では下肢・体幹筋の筋力増強を目的に、自動介助運動から開始。CK値の低下とともに修正Borg scaleを利用し自覚的疲労度3~5の範囲の耐えうる範囲で自動運動、抵抗運動と負荷量を設定し、翌日の疲労に応じて調節しながら行った。<BR>【説明と同意】<BR> ヘルシンキ宣言に基づき、症例には今回の発表の趣旨を十分説明した上で同意を得た。<BR>【結果】<BR> 理学療法介入後4ヶ月時点では、CK値は116UI/Lまで低下。PSLは25mg/dayまで漸減し、筋痛は消失するも易疲労性残存。筋力はHHDにて膝関節伸展筋力が右0.92Nm/kg、左0.78Nm/kg、股関節屈曲右0.69Nm/kg、左0.71Nm/kgであった。立ち上がりは上肢を用いずに可能、歩行はロフストランド杖にてすり足、大殿筋歩行。6分間歩行は180mに増加した。体組成分析を用いた骨格筋量/体重比では29.4%であった。<BR>【考察】<BR> 今回、皮膚筋炎治療中にステロイドミオパチーを合併した症例を経験した。ステロイドミオパチーは蛋白の分解促進と合成抑制が起こり、特にtype_II_b線維の選択的萎縮を招くとされ、近位筋を中心とした筋力低下により難治例も多い。<BR> ステロイドミオパチーに対する治療は主にステロイドの減量である。一方で、近年ステロイドミオパチーに伴う筋力低下、筋萎縮の進行に対して運動療法は予防および治療手段として有効であるとされている。また、皮膚筋炎の場合、急激なステロイドの減量は筋炎症状の再燃を招き易く、これらの相反する治療方法から厳重な投与量管理および負荷量の設定が重要であるとされる。本症例において、CK値の正常化後も有意な上昇もなくステロイド減量が可能となり、筋力、骨格筋量の著明な低下を最小限に抑えられたことから、今回使用した修正Borg Scaleを用いた運動負荷量の設定方法および継続的な運動療法が有用であると考えられた。また、市川はステロイド減量による効果として10~30mg/dayに減量してから1~4ヶ月で筋力回復が認められると報告しており、本症例においては長期間の経過により廃用性の筋力低下も合併していることが考えられるため、今後も長期的な理学療法の介入が必要であると考える。<BR>【理学療法学研究としての意義】<BR> 皮膚筋炎およびステロイドミオパチーに対する理学療法において筋力低下の病態を考慮した上で、早期からの介入により運動機能の維持、向上に努め、長期的な理学療法の介入が必要であると考える。また運動療法効果についての報告は少なく、今後さらなる症例・研究報告が望まれる。<BR>
著者
平 修 常山 幸一 川崎 安都紗 小野 鮎子 前川 昭 伊藤 崇志 宮崎 照雄 城本 淳 小林 春輝 大森 肇 片野 肇 村上 茂
出版者
国際タウリン研究会
雑誌
タウリンリサーチ (ISSN:21896232)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.27-29, 2017 (Released:2019-11-11)

イメージング質量分析(MS)により、マウス筋肉 組織中の「どこ」にタウリンが局在するのかを視覚 的に解析した。本報ではラット脚部より採取した、 ヒラメ筋、腓腹筋、足底筋の凍結切片を用いて、タ ウリンと分岐鎖アミノ酸である、バリン、ロイシン、 イソロイシン、リジンの局在を解析した。
著者
飯島 健志 馬場 修 河田 哲典 上野 順士 田所 忠弘 前川 昭男
出版者
公益社団法人 日本ビタミン学会
雑誌
ビタミン (ISSN:0006386X)
巻号頁・発行日
vol.63, no.10, pp.497-502, 1989-10-25 (Released:2018-03-16)
被引用文献数
1

DNPH法,DP法及びHPLC法を用いて20種類の食品中の総AsA含量を測定し,測定法による値の相違について検討した.その結果,トマトジュース,ジャガイモ,アルファルファモヤシ,ダイズモヤシ及び調製粉乳では,いずれの測定法によってもほぼ一致した値が得られた.しかしブラックマッペモヤシではHPLC法,紅茶及びシイタケではDP法が,それぞれ他の測定法に比べ高値を示したので,DNPH-HPLC法を用いてさらに検討した.その結果,ブラックマッペモヤシではDP法,DNPH法とほぼ同値となったが,紅茶ではDNPH法よりも低値を示し,シイタケでは検出されなかった.これより紅茶及びシイタケのAsA測定法については,さらに検討の余地があることが判った.
著者
飛田 良 園田 悠馬 谷口 匡史 前川 昭次 越田 繁樹
出版者
日本理学療法士学会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.45, no.2, pp.97-105, 2018 (Released:2018-04-20)
参考文献数
25

【目的】NICU におけるリハビリテーションスタッフによる介入(以下,リハ介入)の現状と課題について調査する。【方法】近畿圏内の周産期母子医療センター62 施設・各2 診療科(新生児科・リハ科)に対しアンケート調査を行った。【結果】全体回答率55.6% で,リハ実施率は新生児科74.4%,リハ科86.7% であった。多種多様な疾患を対象とし,介入内容はポジショニングが各々最多を占めた。非実施の理由として,新生児科は,対象患者がいない,自施設の役割ではない等の問題を挙げた一方で,リハ科は,専門性が高く人員・技術不足などの問題を挙げた。リハ介入の必要性がないと回答したのは新生児科で多かった(60% vs 25%)。【結論】NICU のリハ介入率は高く,近年の障害の重度化および多様化に対し相応の介入で対応していた。しかし,非実施施設では介入の必要性がない理由として,専門性が高い領域と認識されており,人材等の課題が明らかとなった。
著者
飛田 良 園田 悠馬 谷口 匡史 前川 昭次 越田 繁樹
出版者
日本理学療法士学会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
pp.11346, (Released:2018-02-02)
参考文献数
25

【目的】NICU におけるリハビリテーションスタッフによる介入(以下,リハ介入)の現状と課題について調査する。【方法】近畿圏内の周産期母子医療センター62 施設・各2 診療科(新生児科・リハ科)に対しアンケート調査を行った。【結果】全体回答率55.6% で,リハ実施率は新生児科74.4%,リハ科86.7% であった。多種多様な疾患を対象とし,介入内容はポジショニングが各々最多を占めた。非実施の理由として,新生児科は,対象患者がいない,自施設の役割ではない等の問題を挙げた一方で,リハ科は,専門性が高く人員・技術不足などの問題を挙げた。リハ介入の必要性がないと回答したのは新生児科で多かった(60% vs 25%)。【結論】NICU のリハ介入率は高く,近年の障害の重度化および多様化に対し相応の介入で対応していた。しかし,非実施施設では介入の必要性がない理由として,専門性が高い領域と認識されており,人材等の課題が明らかとなった。
著者
前川 昭次 高木 律幸 小島 弓佳 石塚 威 富田 沙織 南部 計 今井 晋二 岩佐 文代
出版者
JAPANESE PHYSICAL THERAPY ASSOCIATION
雑誌
日本理学療法学術大会
巻号頁・発行日
vol.2009, pp.G4P3228-G4P3228, 2010

【目的】当院回復期リハビリテーション病棟(以下、回リハ病棟)は、国立大学法人附属病院としては本邦で初めての例として、平成20年6月に開設された。現在、開設後1年4カ月が経過したが、回リハ病棟の設置により病院全体としてどのような効果があり、患者にとっていかなる利益を供与できたかを知ることは、今後の病棟運営において非常に重要なポイントとなる。そこで、ここでは当院回リハ病棟の概要を紹介するとともに大学病院における回リハ病棟の位置付けについて各種統計データから考察することにする。<BR>【方法】回リハ病棟の病床数は46床、スタッフは回リハ医師4名(専従1名、専任3名、出身診療科:整形外科2名、神経内科1名、循環器内科1名)、理学療法士(以下、PT)3名(専従2名、専任1名)、作業療法士3名(専従1名、専任2名)看護師23名、看護補助者3名である。データは平成20年6月の回リハ病棟開設から平成21年9月までの実績(診療科別入棟患者数・割合、回リハ病棟在院日数、在宅復帰率)を算出した。そして回リハ病棟開設により、急性期の関係各診療科の在院日数がどのように変化したかを開設前、後で比較した。<BR>【説明と同意】当院は大学病院であるため患者には入院時に研究協力について理解が得られている。さらに、本研究の趣旨について回リハ病棟入棟時に説明を加え同意を得ている。<BR>【結果】平成20年6月~平成21年9月までに回リハ病棟に入棟した患者総数は371例で診療科別内訳は整形外科298例(80.3%)、脳外科27例(7.3%)、神経内科26例(7.0%)、心臓血管外科14例(3.8%)、その他6例(1.6%)であった。回リハ病棟在院日数の平均は39.6日で診療科別では整形外科31.4日、脳外科76.5日、神経内科84.1日、心臓血管外科63.8日、その他55.6日であった。在宅復帰率は全体平均が96.4%、診療科別では整形外科98.9%、脳外科87.0%、神経内科86.4%、心臓血管外科83.3%であった。回リハ病棟の入棟患者が多い診療科の在院日数を回リハ開設前(平成19年4月~20年3月)、後(平成20年6月~21年9月)で比較したところ、整形外科開設前24.4日、開設後17.8日、脳外科21.5日、21.9日、神経内科26.9日、26.6日、心臓血管外科22.1日、23.3日であった。<BR>【考察】ここで算出したデータと「回復期リハビリテーション病棟の現状と課題に関する報告書」(以下、報告書)に記されているデータを比較することにする。報告書の専従職員数平均は医師1.2名、PT4.3名、OT3.2名、ST0.9名、看護師16.5名、看護補助者9.1名であった。当院において平均値を上回っているのは看護師数のみであった。当院の場合専従医師数は1名であるが、専任医師3名の回リハ病棟患者の管理に関わる比重は大きく、ほぼ専従と同等のレベルにある。報告書のデータからも推察されるように、一般病床を有する施設の多くは回リハ病棟患者の主治医は急性期担当医師が兼務する場合が多く、当院のように4名の医師が各々の専門領域の疾患に応じて主治医となっているのは特徴の一つである。したがって、患者に何らかの不都合が生じた場合迅速な対応が可能であるだけでなく、スムーズな病棟運営に大いに貢献しているものと考える。看護師数は報告書の平均を上回っているが、これは看護補助者の配置が少ない分、相応な人員配置といえる。診療科別内訳について報告書では、脳血管系54.0%、整形外科系32.2%、廃用症候群11.9%となっている。当院の場合整形外科が圧倒的に多いが、先にも記したように、医師が専門領域別に必ず主治医となることと、整形外科医師が4名中2名人員配置されていることから、整形外科患者が最も多いことは当然の結果といえる。しかしながら、8割を超えることは開設前のシミュレーションからすれば予想外の結果であり、今後の病棟運営における検討課題の一つである。在宅復帰率についても同様に、整形外科患者が多いことがこのような高値につながったものと考える。回リハ病棟開設後の各診療科の入院在院日数の変化については、整形外科で約1週間短縮されており貢献度としては十分な結果であったといえよう。他の診療科については入院患者数に占める回リハ入棟患者の割合が少ないため、貢献度を推し測ることは困難である。今後他の統計手法を用い検討する必要がある。<BR>【理学療法学研究としての意義】本邦の国立大学法人附属病院では唯一の回リハ病棟であり、今後さらにデータを蓄積し公開することは他大学の参考となるだけでなく、本邦における回リハ病棟の位置づけや方針を考えていくうえで重要なデータとなるものと考える。<BR>