- 著者
-
小村 健
原田 浩之
前田 顕之
- 出版者
- 一般社団法人 日本口腔腫瘍学会
- 雑誌
- 日本口腔腫瘍学会誌 (ISSN:09155988)
- 巻号頁・発行日
- vol.12, no.4, pp.391-395, 2000-12-15 (Released:2010-05-31)
- 参考文献数
- 7
- 被引用文献数
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顎関節部の悪性腫瘍は極めてまれであり, 顎関節に原発するもの, 周囲組織に発生し顎関節に進展するもの, および顎関節に転移するものに大別される。症状は他の顎関節疾患に類似しているが, 進行は急速である。診断には詳細な病歴聴取, 視診, 触診, CT, MRI, 99mTcや67Gaシンチなどの画像診断が必須であり, 確定診断には生検ないし細胞診を必要とする。その中で超音波ガイド下穿刺吸引細胞診は有用である。治療は, 原発性腫瘍では拡大手術が第一選択となり, 経耳下腺的アプローチが有用である。進展性や転移性腫瘍では原発腫瘍の状況により放射線治療, 化学療法あるいは手術を選択し, 転移性腫瘍でもQOLの向上のための手術を検討すべきである。