著者
岡内 辰夫 北村 充
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
化学と教育 (ISSN:03862151)
巻号頁・発行日
vol.67, no.3, pp.130-133, 2019-03-20 (Released:2020-03-01)
参考文献数
4

2010年,「有機合成におけるパラジウム触媒を用いたクロスカップリングの開発」に貢献した3人(Heck,根岸,鈴木)に,ノーベル化学賞が与えられた。そのうち2人が日本人であったため,マスコミで大きく取り上げられ,クロスカップリングという言葉が広く知られるようになった。受賞者の1人である北海道大学名誉教授の鈴木 章先生らのグループが開発した反応が,鈴木-宮浦クロスカップリングである。この反応は,有機ホウ素化合物と有機ハロゲン化合物に対して,パラジウム触媒を作用させることで炭素-炭素結合が形成するというものである。この反応は,我々の身の回りの医薬品,農薬,液晶材料,EL材料などの開発・量産化に大いに貢献している。
著者
藤由 崇之 北村 充広 小田切 琢磨 蓮江 文男 神谷 光史郎 牧 聡 古矢 丈雄 大鳥 精司 国府田 正雄 山崎 正志 小西 宏昭
出版者
一般社団法人 日本脊椎脊髄病学会
雑誌
Journal of Spine Research (ISSN:18847137)
巻号頁・発行日
vol.11, no.10, pp.1163-1168, 2020-10-20 (Released:2020-10-20)
参考文献数
9

K-line(+/-/+)型OPLL症例に対し,椎弓形成術(LMP)に局所固定を最大圧迫高位レベルに追加する術式(sPDF)は有用であるかどうか調査するためにLMP群とsPDF群の術後成績を傾向スコアマッチング法にて比較検討した.全29症例中,それぞれ7例ずつマッチングした.JOA改善率と獲得点数はsPDF群で有意に高く,術後成績は改善していた.K-line(+/-/+)症例に対し,椎弓形成術に局所固定を最大圧迫高位レベルに追加する方法は有用な術式であると思われる.
著者
北村 充
出版者
公益社団法人 有機合成化学協会
雑誌
有機合成化学協会誌 (ISSN:00379980)
巻号頁・発行日
vol.72, no.1, pp.14-25, 2014-01-01 (Released:2014-03-04)
参考文献数
87
被引用文献数
8 13

2-Azido-1,3-dimethylimidazolinium chloride (ADMC) and its corresponding hexafluorophosphate (ADMP) were found to be safe and efficient diazo-transfer reagents to various organic compounds. ADMC was prepared by the reaction of 2-chloro-1,3-dimethylimidazolinium chloride (DMC) and sodium azide. ADMP was isolated as a crystal having thermal stability and low explosibility. ADMC and ADMP reacted with 1,3-dicarbonyl compounds under mild basic conditions to give 2-diazo-1,3-dicarbonyl compounds in high yields, which are easily isolated because the by-products are highly soluble in water. Naphthols also reacted with ADMC to give corresponding diazonaphthoquinones in good to high yields. Furthermore, ADMP shows efficient diazo-transfer ability to primary amines even without the aid of a metal salt such as Cu(II). Using this diazotization approach, various alkyl/aryl azides were obtained directly from corresponding primary amines in high yields. In addition, ADMC/ADMP could be used as azide-transfer and amidation reagents.
著者
北村 充 奈良坂 紘一
出版者
The Society of Synthetic Organic Chemistry, Japan
雑誌
有機合成化学協会誌 (ISSN:00379980)
巻号頁・発行日
vol.62, no.1, pp.38-48, 2004-01-01 (Released:2009-11-13)
参考文献数
84
被引用文献数
4 5

The recent advance is reviewed on the development of synthetic reactions by using oximes and their derivatives.
著者
岡内 辰夫 北村 充
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
化学と教育 (ISSN:03862151)
巻号頁・発行日
vol.67, no.3, pp.130-133, 2019

<p>2010年,「有機合成におけるパラジウム触媒を用いたクロスカップリングの開発」に貢献した3人(Heck,根岸,鈴木)に,ノーベル化学賞が与えられた。そのうち2人が日本人であったため,マスコミで大きく取り上げられ,クロスカップリングという言葉が広く知られるようになった。受賞者の1人である北海道大学名誉教授の鈴木 章先生らのグループが開発した反応が,鈴木-宮浦クロスカップリングである。この反応は,有機ホウ素化合物と有機ハロゲン化合物に対して,パラジウム触媒を作用させることで炭素-炭素結合が形成するというものである。この反応は,我々の身の回りの医薬品,農薬,液晶材料,EL材料などの開発・量産化に大いに貢献している。</p>
著者
廣田 哲也 北村 充 柳 英雄 朴 將輝 安部 嘉男
出版者
一般社団法人 日本臨床救急医学会
雑誌
日本臨床救急医学会雑誌 (ISSN:13450581)
巻号頁・発行日
vol.22, no.3, pp.462-468, 2019-06-30 (Released:2019-06-30)
参考文献数
18

目的:二次救急医療機関の感染症患者に対するqSOFAの予後予測能を検証し,認知障害を有する患者に対する意識を除いた簡便なprediction ruleを構築する。方法:当院に入院した18歳以上の肺炎,胆道感染症,尿路感染症(計500例)を対象にqSOFA,SIRSと院内死亡(35例)の関連を検討した。結果:全院内死亡に対するqSOFAのc-statisticは0.75でSIRSのc-statistic:0.61より高かった。認知障害を有する223例において意識を除いたqSOFA(2点)に年齢≧80 歳(1点),脈拍数≧110/分(1点)を加えたm-qSOFA(計4点)の院内死亡に対するc-statisticは0.80であった。結論:qSOFAの予後予測能はSIRSより優れていた。年齢,脈拍数を用いたm-qSOFAは意識の評価が困難な認知障害を有する患者の重症度評価に有用である。
著者
西津 卓史 谷次 智弥 竹澤 晃弘 米倉 一男 渡邊 修 北村 充
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 (ISSN:21879761)
巻号頁・発行日
vol.83, no.855, pp.16-00581-16-00581, 2017 (Released:2017-11-25)
参考文献数
19
被引用文献数
2

Structure can get various mechanical characteristics by applying periodic structures as typified by lattice structures. Lattice structures are generally used inside the structural member in order to reduce the weight. One advantage of lattice structures is that we do not need to change the whole structural shape when we replace the solid part of a component with the lattice structures. Another advantage is the lightness of the weight, and hence it is important to design a high performance lattice shape with low weight. However, a framework for development of micro lattice structures considering both stiffness and weight has not been established. Thus, we propose a method for designing and producing micro lattice structures. We use a topology optimization method for a designing methodology. Topology optimization is an effective method in designing high performance lattice structure since topology optimization allows us to change the topology and to design a complicated shape. We use a metal additive manufacturing (AM) machine for producing the optimal lattice structures. AM allows us to produce a complicated structure which removal and forming manufacturing cannot produce. We use a bulk modulus as the objective function since it is one of the important mechanical characteristics in design. In this research, we use a homogenization method to compute the bulk modulus. Objective function was modified so that isotropy of the optimal shape is retained when the solution is updated. In addition, structures produced by AM need holes so that internal metal powder can be removed. Hence, we defined the design domain so that the optimal structure becomes open cell structure. Then, high bulk modulus shapes were derived using topology optimization. The lattice structures were produced by metal AM machine after being modified for production.
著者
北村 充 濱田 邦裕 山本 元道 岩沢 和男 隅谷 孝洋
出版者
広島大学
雑誌
萌芽研究
巻号頁・発行日
2004

本研究の遂行により得られた結果を以下にまとめる.・船体構造解析ビデオ講座の構築造船設計技術者育成のための構造解析学のビデオ講座を作成し,インターネット配信した.これは,実際の授業風景をデジタルビデオで撮影し,インターネット配信できるフォーマット(Windows Media Player)に変換し,ホームページに掲載したものである.これにより,造船設計技術者はインターネット上に公開されたビデオ講座を,「いつでも」,「どこでも」受講できるシステムを構築した.調査の結果,時間制約が多い社会人にとって,「いつでも」,「どこでも」,また「何回でも」受講できるビデオ講座は,非常に利便性が高いことが判明した.・オンライン教材の作成方法の確立ディスプレイ上に写したPDFファイルなどをポインターで示しながら,説明する音声を加えることにより,非常に鮮明であり,かつ,理解しやすいオンライン教材を作成した.ポインターにはペン・タブレットを用い,外部マイクロフォアンを接続する.その状況下で,ビデオ出力することにより,オンライン教材を効率よく作成方法を確立した.受講者の目の前で行われている講義と同じ(またはそれ以上の)レベルの理解度を得ることができる.・WebCTによるオンラインクイズによる理解度チェクの効果WebCTと呼ばれるe-learningシステムを用いて,オンラインクイズを実施した.クイズは自動採点機能を有しているため,受講者は答案提出後すぐに各自の点数を知ることができる.クイズにより受講者は授業内容をより深く理解することが可能になる.また,教育者側も受講者の理解度を測定できる.アンケート調査の結果,オンラインクイズは受講者の理解を高めることに対して非常に高い効果を有することが分かった.
著者
北村 充
出版者
九州工業大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2009

グアニジノジアゾニウム塩はグアニジンの電子供与性により強力に共鳴安定化されていると考えられる化合物であり,ジアゾニウム塩とアジドの両者に由来する特徴的な反応性を示すと期待される。そこで,本研究ではグアニジノジアゾニウム塩の合成と,これを用いる反応開発に取り組んだ。その結果,グアニジノジアゾニウム塩の調製法を開発することに成功し,また,グアニジノジアゾニウム塩がジアゾ化剤やアジド化剤として利用出来ることを明らかにした。