著者
笠原 正雄 平澤 茂一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IT, 情報理論 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.444, pp.419-426, 2010-02-25

一般化された(u,u+v)構成法,g(u,u+v)構成法,に基づいて少数の情報記号数に対する最適2元線形符号の大きなクラスを構成している.そしてこの構成法に基づいて(3(2^m-1,m+1,3・2^m-1)符号,(3(2^m-1),m+1,3・2^m-1)符号,(3(2^m-1),m+1,3・2^m)符号を構成し,これらの符号がBrouwer-Verhoeffのテーブル(BVテーブル)に記載の最小距離にn≦125の範囲で一致し,それ故に最適2元線形符号であること且つn≧126の範囲においても最適2元線形符号であることが予測されることを述べる.さらに情報記号数k=2,符号長n,最小距離dの(n,2,d)線形符号および情報記号数3の(n,3,d)線形符号を与えている.そして(n,2,d)符号がn≦125の任意の符号長に対しBVテーブル記載の最小距離限界に一致すること,即ち理論的限界式を完全に満たすことを示している.同様に(n,3,d)符号もn=8+7μ(μ=1,2,…)を除く任意の符号長において(BVテーブル)理論的限界式を満たすことを示している.これらの符号nη≧126の範囲においても最適性を満たすことが強く予想される.さらに情報記号数k=4,5,6および7に対する最適符号を構成し,具体例を示している.
著者
荻原 正雄
出版者
特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
雑誌
気管支学 (ISSN:02872137)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.3-4, 2005

私の論文を書く前に, 今は過去の人となった気管支学の創始者で気管支ファイバースコープを開発された名誉教授の池田茂人先生を始め, 山口豊先生, 武野良仁先生など立派な業績を残していかれた. 数多くの立派な先輩たちが気管支学の基礎を作られ, 最近気管支学会が一歩大きく発展し, 日本呼吸器内視鏡学会となり喜ばしいことである. 慢性気管支感染症は現在では, 高年齢の男性にみられる数少ない疾患となった. 病理学的に慢性分泌腺の肥大と上皮化成を伴っている. すなわち, 長期(6ヶ月以上にわたり)多量の喀痰と咳の症状を訴え, 初診時の諸検査で炎症がみられ, 連続して喀痰の中に多数の非特異的細菌がみられる. 胸部X線像で肺炎様所見はない. 病因:高年齢の男性に多い, 大気汚染, 喫煙, 細菌, ウイルス感染, 粉塵, 化学物質に従事する職業に多く, 副鼻腔炎が誘因となる. 慢性気管支感染症, 分類 1)浮腫型 浮腫を示し, 寛解時には消退する. 喀痰と咳嗽が続き(6ヶ月前後), 非特異性細菌が多数検出される. 組織像:慢性カタール性気管支像を示す. 2)肥厚型 長期間に及ぶ炎症のため, 粘脹な分泌液が多量にみられ, 発赤腫脹を示し, 分泌腺は開大する. 組織像:混合性, 浮腫, 軽い円型細胞浸潤.
著者
境 隆一 笠原 正雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ISEC, 情報セキュリティ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.212, pp.131-138, 2002-07-12
被引用文献数
4

2001年7月開催のISEC研究会で同一題目の発表を行い,ペアリングの双線形性を利用した幾つかの暗号方式を紹介し,新しい署名方式も提案した.また,筆者等はID情報に基づく公開鍵暗号方式も幾つか提案した.本論文では同様に,ペアリングの双線形性を利用した新しい形の公開鍵暗号方式および署名方式を提案する.そして,提案方式と従来のペアリングを用いた方式との差について考察する.
著者
佐竹 賢治 笠原 正雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. A, 基礎・境界 (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.79, no.3, pp.702-710, 1996-03-25
被引用文献数
2

RSA 暗号は高いセキュリティレベルを有し, またディジタル署名も可能な優れた暗号方式として, 活発に研究されてきている. しかしこの暗号方式は暗号化, 復号にべき乗および剰余演算を繰返し実行する必要があるため, その処理時間が膨大になるという実用上の欠点を有している. 本論文では, このRSA暗号システムに適用可能な高速化べき乗剰余演算法を提案している. この手法は剰余演算に用いる法 (合成数) を工夫することによって, 剰余演算の処理ステップを大幅に削減し, 高速化を実現するものである. この手法をRSA暗号に適用した場合, 演算処理の高速化に加え, 公開鍵情報の短縮化といった著しい特徴を有する暗号システムの実現が可能となる. 本論文では, この高速べき乗剰余演算手法を適用したRSA暗号を, ユーザインタフェースとしての簡便さと安全性とを, トレードオフの関係のもとに自由に設定し得る実用的な暗号方式として論じ, その安全性等について考察を加えている.