著者
島津 善美 藤原 正雄 渡辺 正澄 太田 雄一郎
出版者
Brewing Society of Japan
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.106, no.11, pp.747-755, 2011 (Released:2017-03-21)
参考文献数
43
被引用文献数
1

味と温度の関連性については必ずしも一致した結論が得られてないのが現状であるが,近年,清酒の特性を生かした飲み方の提案として,温めて飲む燗酒及び酒質と様々な食材・料理との相性を求めるような研究も多く見られるようになった。そこで,ワインの有機酸の研究を長年に亘って研究を重ねてこられた筆者らに,清酒の味を左右する二つの成分,有機酸及びアミノ酸と飲用温度の関係について,官能評価の結果に基づいて,詳しく解説して頂いた。日常の料理メニューで最も普及している21品目について,清酒と料理の相性基本表など新しい知見も提示されている。得られた知見が清酒の需要拡大につながるものと期待し,清酒業界の方々にも是非参考にしていただきたい。
著者
山口 惠三 大野 章 石井 良和 舘田 一博 岩田 守弘 神田 誠 辻尾 芳子 木元 宏弥 方山 揚誠 西村 正治 秋沢 宏次 保嶋 実 葛西 猛 木村 正彦 松田 啓子 林 右 三木 誠 中野渡 進 富永 眞琴 賀来 満夫 金光 敬二 國島 広之 中川 卓夫 櫻井 雅紀 塩谷 譲司 豊嶋 俊光 岡田 淳 杉田 暁大 伊藤 辰美 米山 彰子 諏訪部 章 山端 久美子 熊坂 一成 貝森 光大 中村 敏彦 川村 千鶴子 小池 和彦 木南 英紀 山田 俊幸 小栗 豊子 伊東 紘一 渡邊 清明 小林 芳夫 大竹 皓子 内田 幹 戸塚 恭一 村上 正巳 四方田 幸恵 高橋 綾子 岡本 英行 犬塚 和久 山崎 堅一郎 権田 秀雄 山下 峻徳 山口 育男 岡田 基 五十里 博美 黒澤 直美 藤本 佳則 石郷 潮美 浅野 裕子 森 三樹雄 叶 一乃 永野 栄子 影山 二三男 釋 悦子 菅野 治重 相原 雅典 源馬 均 上村 桂一 前崎 繁文 橋北 義一 堀井 俊伸 宮島 栄治 吉村 平 平岡 稔 住友 みどり 和田 英夫 山根 伸夫 馬場 尚志 家入 蒼生夫 一山 智 藤田 信一 岡 三喜男 二木 芳人 岡部 英俊 立脇 憲一 茂龍 邦彦 草野 展周 三原 栄一郎 能勢 資子 吉田 治義 山下 政宣 桑原 正雄 藤上 良寛 伏脇 猛司 日野田 裕治 田中 伸明 清水 章 田窪 孝行 日下部 正 岡崎 俊朗 高橋 伯夫 平城 均 益田 順一 浅井 浩次 河原 邦光 田港 朝彦 根ケ山 清 佐野 麗子 杉浦 哲朗 松尾 収二 小松 方 村瀬 光春 湯月 洋介 池田 紀男 山根 誠久 仲宗根 勇 相馬 正幸 山本 剛 相澤 久道 本田 順一 木下 承晧 河野 誠司 岡山 昭彦 影岡 武士 本郷 俊治 青木 洋介 宮之原 弘晃 濱崎 直孝 平松 和史 小野 順子 平潟 洋一 河野 茂 岡田 薫
出版者
日本抗生物質学術協議会
雑誌
The Japanese journal of antibiotics (ISSN:03682781)
巻号頁・発行日
vol.59, no.6, pp.428-451, 2006-12-25
参考文献数
17
被引用文献数
37
著者
富永 真琴 山谷 恵一 原 正雄 佐々木 英夫 大島 健次郎
出版者
一般社団法人 日本糖尿病学会
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.174-179, 1977-03-31 (Released:2011-08-10)
参考文献数
12

糖尿病と感染症の関係を知るために, インフルエンザ流行期に糖尿病死亡が増加するかどうかを人口動態統計の資料を用いて検討した. 近年, インフルエンザ流行の時期と規模の客観的指標として, また, その慢性疾患への影響の指標として, 超過死亡という概念が欧米諸国, WHOで慣行化されており, 今回この方法を用い, インフル満ンザ流行期を推定し, その流行期における糖尿病の超過死亡について検討した. 超過死亡は実際の死亡と非流行期の死亡から予測される期待死亡との差で求められる. 月別期待死亡率は月別死亡率 (観察値) を人口動態統計より得て, Serflingの方法に準じ, y=a+bt+csin (πt/6-θ) の予測式の係数を最小二乗法で求めることにより得られる. 超過死亡率の有意さの程度は比較強度 (超過死亡率/標準偏差) で検討した. インフルエンザ流行期の推定には呼吸器感染症の超過死亡で検討し, 1961年~1974年の14年間に7回の流行を把握した. この流行期に糖尿病の超過死亡は3回に有意, 1回にほぼ有意であることを認めた. 一方, 臨床的には1975年~1976年冬のインフルエンザ流行期に感冒様症状を呈した糖尿病外来患者の約70%に空腹時血糖値の上昇を認めた. したがってインフルエンザに対し糖尿病患者はhigh riskgroup (高危険群) であり, インフルエンザへの対策は糖尿病の管理上重要であると考えられる
著者
渡辺 正澄 藤原 正雄
出版者
Brewing Society of Japan
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.83, no.3, pp.171-176, 1988
被引用文献数
2

酒をおいしく味わうには, 飲酒に最適な温度と酒に合った料理を選ぶことがポイントであるが, 特にワインの場合には両者の関係がよリ厳しく要求される。本稿では, ワインの酸組成と飲酒適温との関係並びに料理との相性についてこれまでの知見を要約して紹介いただいた。<BR>ワインがなぜ温度と料理にこだわるのかを科学的に解き明かしてくれた興味ある解説である。
著者
渡辺 正澄 藤原 正雄
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.83, no.3, pp.171-176, 1988-03-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
11
被引用文献数
2 2

酒をおいしく味わうには, 飲酒に最適な温度と酒に合った料理を選ぶことがポイントであるが, 特にワインの場合には両者の関係がよリ厳しく要求される。本稿では, ワインの酸組成と飲酒適温との関係並びに料理との相性についてこれまでの知見を要約して紹介いただいた。ワインがなぜ温度と料理にこだわるのかを科学的に解き明かしてくれた興味ある解説である。
著者
笠原 正雄
出版者
一般社団法人 電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会 基礎・境界ソサイエティ Fundamentals Review (ISSN:18820875)
巻号頁・発行日
vol.5, no.1, pp.28-41, 2011-07-01 (Released:2011-07-01)
参考文献数
48
被引用文献数
1

リード・ソロモン(RS:Reed-Solomon)符号誕生後,半世紀の歳月が経過している.本稿ではRS 符号が情報通信・記録技術発展の歴史の中で,マイナーな存在からやがて私たちの生活の中に最も深く溶け込んだ符号,すなわち総合的に考えて最上位にランクされる符号として高く評価され,位置付けられていく過程をディジタル情報通信・記録技術の発展の歴史の中で幅広く捉えて解説する.更にRS 符号には高信頼度の情報通信記録システムを構築する上での大きな貢献に加えて,情報セキュリティ分野への応用をはじめとする多様な分野への応用が期待されることを述べる.
著者
山内 眞義 平川 淳一 木村 和夫 中島 尚登 中原 正雄 中山 一 北原 敏久 大畑 充 片山 辰郎 高原 仁 藤沢 洌 亀田 治男
出版者
一般社団法人 日本肝臓学会
雑誌
肝臓 (ISSN:04514203)
巻号頁・発行日
vol.30, no.6, pp.643-648, 1989-06-25 (Released:2009-07-09)
参考文献数
15

雌と雄ラットに慢性アルコール投与を行い,アルコール性肝障害の発症と伸展に及ぼす性差の影響を検討した.雌アルコール群で最も肝ハイドロオキシプロリンの増加を認め,雌のほうが雄に比べてアルコール性肝障害になりやすいことを実験的に明らかにした.雌アルコール群では,雌コントロール群に対して,アルコール脱水素酵素(ADH),アルデヒド脱水素酵素(ALDH)活性及びエタノール除去率はいずれも低下するのに対して,雄アルコール群では雄コントロール群に対してADH,ALDHは高活性を示し,エタノール除去率も速やかとなった.以上より女性のアルコール性肝障害に対する高感受性の原因として,男女間の常習飲酒に対するアルコール代謝の変動の差異が一因と考えられた.
著者
大岸 聖史 境 隆一 笠原 正雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ISEC, 情報セキュリティ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.414, pp.37-42, 1999-11-08
被引用文献数
10

本報告では楕円曲線上定義されるようなペアリングを用いたID-NIKSを提案する.また,提案方式の安全性の根拠となる拡張楕円離散対数問題を提案する.本報告で提案する鍵共有方式はこの問題及び離散対数問題に基づいたWeilペアリングやTateペアリングなどのペアリングを用いる鍵共有方式である.提案方式は楕円離散対数問題,拡張楕円離散対数問題が解けなければ結託攻撃は困難であると考えられ結託攻撃に対して十分安全であると思われる.
著者
平澤 茂一 笠原 正雄
出版者
一般社団法人 電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会 基礎・境界ソサイエティ Fundamentals Review (ISSN:18820875)
巻号頁・発行日
vol.4, no.3, pp.183-191, 2011-01-01 (Released:2011-01-01)
参考文献数
18
被引用文献数
2 1

誤り訂正符号の代数的復号法の一つであるユークリッド復号法について解説する.ユークリッド復号法はBCH符号やRS 符号の強力な復号法として知られ,数多くの適用例がある.まず,1950 年代に始まった誤り訂正符号の構成法の研究と,1960 年代から1970 年代にかけての復号法の研究の歴史をたどり,ユークリッド復号法の位置付けを行う.次に,ユークリッド復号法の概要を紹介する.最後に,この復号法発見に至る筆者らの当時の環境や様子を,研究者の立場から経験談に私見を交えながら述べる.
著者
佐竹 賢治 笠原 正雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. C, エレクトロニクス (ISSN:13452827)
巻号頁・発行日
vol.84, no.5, pp.419-426, 2001-05-01
被引用文献数
2

本論文では磁気記録通信路に適用可能な誤り訂正符号を対象として、新しい復号法を提案する。この復号法はインタリーブされた符号内の2個以上の受信語において訂正能力を適えない誤り系列が生起している場合、訂正不能の誤りが生起した残りの受信語を訂正することを特徴としている。具体例としてインタリーブ数4,6及び8の符号を対象にして提案手法を解析し、考察を加える。その結果、本提案復号手法により、従来、CRCによって使用不可能な領域と判定していたセクタ領域の70〜80%が再利用可能となることを示す。
著者
松本 好太 橋本 修 藤原 正雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MW, マイクロ波 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.296, pp.33-38, 2004-09-07

本研究では,電子レンジのドア全周構造のシールド効果およびその性能向上を目的とした改善法について,並列FDTD法を用いることにより検討を行った.具体的には,まず,市販の電子レンジに使用されるドア全周構造を詳細にモデル化し,漏洩波に対するシールド効果について解析を行い,次にシールド性能の改善法として,チョーク構造の周期スリットに着目し,スリット幅および高さに対するシールド効果の変化について検討した.この結果,市販モデルにおいて実用上の技術基準を満たすシールド効果がドア上下左右において得られること,またスリットの寸法に対するシールド効果の変化を定量的に確認し,電子レンジドア構造のシールド性能向上に向けた基礎的な資料を提供することができた.
著者
石原 正雄
出版者
一般社団法人日本建築学会
雑誌
日本建築学会近畿支部研究報告集. 計画系 (ISSN:13456652)
巻号頁・発行日
no.17, pp.93-96, 1977-05-02

人類が住居に炉を作り主に採暖のために火を利用したことは、生産性・快適性の上昇でありまた生活圏の拡大を可能にし、さらに生産性を高めることになった。しかしそれは室内空気の汚染という現代まで存在する不利をもたらした。発生する煙に惱まされて、はじめて屋根に排煙口があけられたことは換気技術・空調技術の第一歩だといってよい。給気のための開口は出入口や多くの隙間であった。從って壁に孔をあけて換気を図るということは余り考えられなかったと思われる。窓はむしろ明り取りのためあけられ、雨・風の侵入を防ぐために角、雲母,石の薄片,クロスなどで被われ、はめ殺しであった。窓建具の普及は1700年代であろう.換気のため窓建具を開けたとき生ずるドラフトを防ぐ工夫は18世紀に多く、ホッパー窓の原型は1784年にst.Thomas Hospitalに設計られた.これにつづいて孔あき金属枝,ガラスルーバー,風車型ベンチレーターなどが用いられた.が多くは採光のロスがあり、全く満足できるものはなかった.ヴィクトリア時代,労働者階級の住宅の換気不良は社会の問題となった."室の換気は容易なことであるが大衆の大部分はその必要性を理解しておらず、またそれを彼らに教え、実際に設置する義務をもつ人々さえも分っていなかったのである.われわれの住居は換気不良であるというだけでなく、建築家が彼の芸術や才能を惜しまずつぎ込を建物は多くの部分において換気のたあの処置を全く欠いており、またそのような処置をおこなうことは極めて困難あるいは不可能であるように作られていた."(Tomlinson)その時代の衛生学者、技術者、物理学者によって、多くの関心がこの問題(建物の換気)に一致して向けられ、また政府(イギリス)の査問の対象ともなった.しかしそこでは住居の自然換気については殆んど述べられておらず事態の転換を政府に託すことはできなかった.自然換気の基礎は1850年にWalkerによって与えられた.(i)窓は光を入れるが空気は入れない、換気は別に調達せればならない.(ii)給気口と排気口が共に必要である.(iii)入ってくる空気はドラフトをさけるため温めるべきである.(iv)給気口と排気口はうまく配置されねばならない.(v)換気用開口は恒久的なものでなければならない.一旦閉鎖されると、そのまいになってしまう.これらの原則は今日でも改める余地はないし、また今日でも実行されていないものがある.(例(iii))Walkerは壁の中空部を給気シャットに用い給気を温めることを提案している.後の工夫であるTobin-Tubeは同じ目的のための器具である.孔あき煉瓦がすべてそれに代ったが、それがうまく作用したとはいえない.それはフリーエリアが小さく取入空気量は僅かなものである.当時,Walkerの原則はほとんど知られなかったが、住居換気改善の最近の計画は,恐らく特に意識せずに.彼の原則によっており.又Dr.Neil Arnottの教示によっている.風力だけにたよる換気が実際上うまくゆかないことは昔から知られており、他の方法が種々試みられた.16世紀,Aglicolaは鉱山の換気を,その立坑の底部の焚火によって行った.このアイデアが建築に応用されたのは1723年、Desaguliersが下院議事堂の換気を促進するために試みてからのことである.機械送風は1734年以来用いられたがDr.Reidは1836年に下院議事堂が再建された時,再びこの熱的換気法を用いた,De Chabannesはガスシャンデリアからの熱をCovent Garden劇場の換気に利用した.電動送国機が完成されると,他の換気促進の方式はほとんど消え去った.
著者
長尾 敦 和田山 正 若杉 耕一郎 笠原 正雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IT, 情報理論
巻号頁・発行日
vol.95, no.79, pp.49-54, 1995-05-26
参考文献数
6
被引用文献数
8

本稿では,近年,磁気記録符号の分野で重要性が高まりつつあるEPR4(Extended Partial Responce 4)チャネルに対して有効な符号化法を提案する.従来より,記録密度が低い場合の磁気記録系モデルである1-Dチャネルに対して,さまざまな記録符号が提案されているが,より高密度な記録系のモデルであるEPR4チャネルに対する検討は少ない.そこで,本稿では,基本的にはHoleとYtrehusらが提案している1-Dチャネルに対する符号を基礎として,EPR4チャネルに適した符号を探索した.またHoleとYtrehusらはプリコーダを用いる場合のみを考察しているが,ここでは新たにプリコーダのない場合も検討した.その結果として,特に符号化率の低い範囲で優れた符号が見出された.
著者
島津 善美 藤原 正雄 渡辺 正澄 太田 雄一郎
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.42, no.5, pp.327-333, 2009 (Released:2015-01-23)
参考文献数
35
被引用文献数
2

清酒に含まれる有機酸の主要3成分(乳酸,コハク酸,リンゴ酸)および少量成分(クエン酸,酢酸)に着目して,飲用温度を変えて酸味の強さ(強度)および呈味質について,専門パネリストによる官能評価を行った。有機酸単独の評価は,20℃に比較して乳酸が37℃でコハク酸が50℃で,極めて有意に酸味を強く感ずることが認められた。さらに乳酸,コハク酸の呈味は,37℃,43℃において,ソフトでまろやかに感じられた。リンゴ酸は,10℃で爽快ですっきりしている呈味質が確認された。有機酸主要3成分混合の評価は,43℃での酸味が,極めて有意に強く感じられ,かつ呈味がしっかりとして調和が良いことが明らかになった。有機酸主要3成分+ブドウ糖+アルコール系の評価は,43℃での酸味が極めて有意に強く感じられ,さらに呈味がまろやかとなり,バランスが良かった。
著者
島津 善美 藤原 正雄 渡辺 正澄 太田 雄一郎
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 = Journal of cookery science of Japan (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.42, no.5, pp.327-333, 2009-10-20
参考文献数
34
被引用文献数
2

清酒に含まれる有機酸の主要3成分(乳酸,コハク酸,リンゴ酸)および少量成分(クエン酸,酢酸)に着目して,飲用温度を変えて酸味の強さ(強度)および呈味質について,専門パネリストによる官能評価を行った。有機酸単独の評価は,20℃に比較して乳酸が37℃でコハク酸が50℃で,極めて有意に酸味を強く感ずることが認められた。さらに乳酸,コハク酸の呈味は,37℃,43℃において,ソフトでまろやかに感じられた。リンゴ酸は,10℃で爽快ですっきりしている呈味質が確認された。有機酸主要3成分混合の評価は,43℃での酸味が,極めて有意に強く感じられ,かつ呈味がしっかりとして調和が良いことが明らかになった。有機酸主要3成分+ブドウ糖+アルコール系の評価は,43℃での酸味が極めて有意に強く感じられ,さらに呈味がまろやかとなり,バランスが良かった。