著者
田原 靖彦 佐藤 洋 西谷 修一
出版者
一般社団法人 日本音響学会
雑誌
日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.61, no.1, pp.14-23, 2004-12-25 (Released:2017-06-02)
参考文献数
13

エコーが分離して知覚される限界の遅延時間(dTJd)の測定を通じて,聴覚の積分特注が検討された。聴感実験の音源としてインパルス,帯域ノイズパルス,純音パルス,そして日本語の4連音節単語が使用された。本研究により以下の知見を得た。1)聴覚積分による音感覚の減衰過程は,一般的にベキ乗関数によって表現される。しかし,実験音源とエコーレベルの範囲を限定すれば指数関数による表現も可能である。2)エコーが分離知覚されるための直接音とエコーの間の最小空白時間(臨界無音時間)は音源の匪類によらず約9msとなる。3)第2エコーのdTJdは,第1エコーを第2エコーの直接音と見なして,単一エコーの分離知覚モデルを適用することで説明できる。これらの結果を通じて,室内音響評価指標の改良に重要な意味を持つ,聴覚減衰過程の関数型,各種の聴覚パラメータ,エコーの分離知覚メカニズムが明らかとなった。
著者
土屋 泰夫 佐野 佳彦 中村 利夫 梅原 靖彦 大久保 忠俊 中村 達
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.32, no.9, pp.2258-2262, 1999-09-01
被引用文献数
15

症例は63歳の男性で, 食後右季肋部の疝痛発作のため入院した. 腹部超音波, CT検査で肝前上区域(S8)に胆管内部の腫瘤陰影とその末梢胆管の拡張を認め, ERCPでは同部に辺縁平滑な陰影欠損像を認めた. この後直接胆管造影で腫瘤陰影の脱落, その後再び腫瘤陰影が確認された. 血管造影で肝S8に腫瘤濃染像を呈したため, 胆管内発育型肝細胞癌を疑い手術を施行した. 肝S8表面の腫瘍を認め, 胆管内腫瘍栓は肝門部まで進展していたため, 右葉切除術を施行した. 主腫瘍の割面は被膜形成なく最大径は2.2cmで腫瘍栓に連続性を認めた. 組織学的にはEdmondso III型の肝細胞癌であった. 本邦報告例の臨床的検討では, 肝切除例の予後は姑息的治療例より良かった. 自験例のごとく被膜形成が不明瞭な浸潤性の腫瘍で, 2cm前後の肝細胞癌でも胆管内発育を来すため, 占居部位がGlisson鞘に近い例では十分な範囲の切除が必要である。
著者
戸澤 幸一 小林 義和 白井 健二 原 靖彦 菊地 照彦
出版者
公益社団法人 精密工学会
雑誌
精密工学会誌論文集 (ISSN:13488724)
巻号頁・発行日
vol.71, no.7, pp.879-884, 2005 (Released:2007-05-15)
参考文献数
13
被引用文献数
2 5

製品表面に付けられている微小な凹凸である表面テクスチャは製品の触覚または視覚品位や機械的性質を向上させるための一要因であるが, その作成方法を体系的に研究している例は見当たらない. そこで, 機械加工により表面テクスチャを作成するシステムを開発し, テクスチャリング処理に関する基礎的な研究を行った.
著者
岩崎 倫政 笠原 靖彦 船越 忠直 金城 政孝 藤崎 和弘 三浪 明男
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

Stromalcell-derivedfactor-1(SDF-1)を高純度硬化性ゲルに添加し、ウサギ膝軟骨損傷部に移植することで良好な軟骨組織再生が獲得された。本研究成果より、軟骨損傷に対する無細胞移植治療の可能性が示唆された。