著者
原田 浩二 小泉 昭夫 Steinhauser Georg 新添 多聞
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

福島第一原子力発電所におけるがれき撤去作業に伴う原子炉3号機建屋からの放射性物質放出量を基にした大気拡散シミュレーションを行い、2013年8月に南相馬市で実測された大気中濃度、降下量を再現した。粉じんが降下したとされる南相馬市原町区10地点で、撹乱されていない箇所での土壌試料21検体について放射性ストロンチウム、プルトニウム分析を実施し、放射性ストロンチウムは比較的高い地点が見られるなど挙動、拡散は異なる可能性が示唆された。これらの結果から、二次拡散における粗大粒子の拡散は降下物量に有意な影響を与え、コメをはじめとする農産物汚染を引き起こしうることが示された。
著者
伊藤 弘明 岩崎 基 原田 浩二
出版者
順天堂大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2020-04-01

ここ数十年で乳がんの年齢調整罹患率は著しく増加してきたが、乳がんの原因はその既知の危険因子だけでは半分程度しか説明できないとされている。一方、新規な環境汚染物質である有機フッ素化合物への曝露が乳がん発生に関与している可能性が注目されている。しかしながら世界的にもデータが乏しく、国際機関が発がん性を評価していない有機フッ素化合物も多い。既存の疫学研究では異性体別に研究しておらず、南半球での研究例もまだない。これまで日本人女性において有機フッ素化合物が乳がんの発生に及ぼす影響の解明を進めてきたが、これに加え、本研究ではブラジル人女性における症例対照研究を行い、国際比較と統合解析を行う。
著者
米田 稔 瀬戸口 浩彰 原田 浩二 福谷 哲 高橋 知之
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2019-04-01

福島第一原発事故で放射能汚染された地域の復興では、森林活動の復活が欠かせない。本研究では、実際に被災した村が考える森林を活用した復興のあり方を実現するための知識の普及、技術の確立、村有林等を対象としてモデル事業を実施した場合の有効性の検証を行う。その研究内容は大まかには以下に分類される。1.森林を活用した住民の生活時間パターンの把握とそのパターン毎の被曝量評価2.現地での天地返し法を主たる除染法とした線量削減効果の評価3.様々な健康リスクを考慮した森林活用健康生活モデルの提案4.村有林を対象としたパイロット除染事業の可能性検討と効果の予測これらの研究を実施し、帰還地域の復興加速化に貢献する。
著者
原田 浩二 小泉 昭夫
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2013-04-01

南アジアの島国・スリランカでは1990年代より、セイロン島中東部、中北部および周辺地域において、慢性腎不全が急増している。これまでに続いて遺伝的素因を検討し、SLC13A3、KCNJ10、LAMB2の候補遺伝子を示した。バルカン半島腎症の原因とされる腎毒性を有するウマノスズクサ、また農薬曝露の関与について検討するため、尿中アリストロキア酸、ネオニコチノイドの分析方法を検討した。また症例対照研究を行った。結果として、検出できる量のアリストロキア酸は見出されなかった。病理組織の検討も行い、電子顕微鏡観察を行った。腎組織の電子顕微鏡観察は、CKDuの病因における重金属毒性を支持する証拠はなかった。
著者
原田 浩二 小泉 昭夫 皆田 睦子
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

環境汚染物質ペルフルオロオクタン酸(PFOA)はヒト体内に蓄積しやすい。成人の血清中濃度はPFOAより炭素鎖の長い化合物が急速な増加が認められた。動態パラメータを算出し、一般集団での曝露量を与えて、血中濃度シミュレーションを行った。動物実験ではリン脂質輸送分子MDR2の発現量とPFOA胆汁濃度が相関する。MDR1欠損マウスでは腎臓からのPFOA排出量が低下し、MDR1分子がPFOAの排出に関与することを示した。マイクロアレイの結果MDR1が誘導されていることが分かった。
著者
原田 浩二 森山 美知子
出版者
日本精神保健看護学会
雑誌
日本精神保健看護学会誌 (ISSN:09180621)
巻号頁・発行日
vol.22, no.2, pp.31-39, 2013-11-30 (Released:2017-07-01)
被引用文献数
1

本研究は,飲酒者の飲酒理由や節酒に向けた介入に抵抗を示す理由を明らかにすることを目的に,男性飲酒者12人にグループインタビューを実施し,データを質的に分析した.その結果,飲酒者は「飲酒することに人生の価値」があり,飲酒のための努力は惜しまない傾向にあった.そして価値は容易に歪められないので「節酒に対する意図的な無関心」や「飲酒することの正当化」が認められた.節酒への介入に対しては,節酒効果を体感しにくい上,自分の人生の価値の否定につながるので抵抗を示した.しかし飲酒者は,健康被害によって飲酒ができなくなると人生の価値を示されなくなるから,節酒が「酒と長く付き合いができる」,「いつまでも飲み続けられる」という目的であれば,節酒介入への抵抗は少なくなった.そこで節酒に向けた介入を実施する者は,飲酒者の人生の価値を理解することが基本姿勢として重要であることが示唆された.