著者
上田 昌宏 大原 隆司 高垣 伸匡 伊藤 栄次 大森 志保 清水 忠
出版者
一般社団法人 日本薬学教育学会
雑誌
薬学教育 (ISSN:24324124)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.2018-041, 2019 (Released:2019-12-26)
参考文献数
13

薬剤師が信頼性の高いプロトコールを作成するために,診療ガイドラインだけでなく,推奨文の根拠となっているシステマティックレビュー(SR)論文を評価・活用することが求められる.しかし,大学教育および生涯研修においてSR論文の評価と活用に関する実践的な教育についての報告はごく限られている.本研究では,SR論文の評価と活用を志向したワークショップの実践による知識習得度の変化と受講者のEBMの実践可能性への意識とワークショップの理解満足度について調査した.知識習得度確認試験の受講後の平均点は受講前に比べ有意に向上した(9点満点,Pre:2.29点,Post:5.16点,p < 0.001).本研究により,SR論文の評価と活用を志向したワークショップは受講者のSR論文の評価に対する知識習得度の向上およびEBMの実践可能性に対する意識づけに寄与することが明らかとなった.
著者
阿登 大次郎 小竹 武 小森 浩二 森山 博由 井上 知美 三田村 しのぶ 日高 眞理 水野 直子 廣瀬 隆 吉田 彰彦 鬼本 茜 八代 哲也 大原 隆司 清水 忠 東海 秀吉
出版者
一般社団法人 日本薬学教育学会
雑誌
薬学教育 (ISSN:24324124)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.2020-033, 2020 (Released:2020-12-25)
参考文献数
9
被引用文献数
2

本研究は,処方解析報告書を連携ツールとした薬局病院合同教育プログラムが,実習生の処方解析能力にどのような影響を与えたかについて検証することを目的とした.処方解析報告書は,採択理由などを含む4つの大項目で構成された書式を作成した.実習生は本報告書を週1例以上提出し,実習開始1,6,11週目に報告書の内容と自身の考察を発表した.提出された報告書と発表内容に対して評価チームの薬剤師および大学教員がルーブリックを用いて評価した.実習生の報告書と発表に対する評価結果および実習後アンケートの結果から,実習11週目には,1,6週目と比べてルーブリックの全項目が有意に向上し,特に疾患を意識した症例選択能力が向上したと考えられた.また,アンケート調査から,実習生が本プログラムにより自身の成長を実感していることが明らかになったが,発表会後のフィードバック方法に今後の課題が見出された.
著者
山崎博子 大原隆明 堂囿いくみ
出版者
跡見学園女子大学
雑誌
跡見学園女子大学文学部紀要 (ISSN:13481444)
巻号頁・発行日
vol.37, pp.75-88, 2004-03 (Released:2009-12-19)

跡見学園女子大学構内に植栽されているサクラの分布および同定調査を行った結果, 2003年10月現在, 全域にわたり合計166個体のサクラが植栽されていることが明らかになった。そのうち, 145個体30種類を同定することができたが, その主なものはサトザクラ類 (70個体, 全個体数に占める割合は42.2%), 野生型のヤマザクラ (32個体, 同19.3%), ソメイヨシノ (15個体, 同9.0%), 野生型のエドヒガン (8個体, 同4.8%) であった。最も一般的に植栽されるソメイヨシノの個体数が比較的少なく, 野生型のヤマザクラやエドヒガンが高頻度で見られるのは本調査地の特徴のひとつであると考えられる。サトザクラ類は計18品種を同定することができたが, このうち個体数が多かったものは 'イチョウ' (24個体) および 'カンザン' (17個体) の2品種のみであった。ヤマザクラやサトザクラの園芸品種中には 'コウダイジ' や 'ベニナンデン' といった栽培されることが稀なものが含まれていることも特徴的であった。なお, 今回同定できなかったものは21個体あったが, その内訳はサトザクラの一品種と思われるもの (2種類2個体) と品種名がない交雑品 (19個体) であった。
著者
清水 忠 西村 奏咲 大原 隆司
出版者
日本リメディアル教育学会
雑誌
リメディアル教育研究 (ISSN:18810470)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.29-37, 2020 (Released:2020-08-01)
参考文献数
17
被引用文献数
1

本実践研究では,初年次導入科目で高校化学と有機化学が薬学臨床に活かせるという内容についてチーム基盤型学習による授業をデザインした。受講生の知識習得度の変化と受講後に行ったリフレクションペーパーの記述について解析した結果,受講後に有機化学の知識が向上し,さらに,有機化学の知識が臨床に活かせることを初年次学生に意識付けられ,学習意欲の向上を図れたことを明らかとした。
著者
赤津 裕康 土井 愛美 正木 克由規 田中 創始 兼松 孝好 小嶋 雅代 明石 惠子 岩田 彰 鈴木 匡 木村 和哲 浅井 清文 間辺 利江 大原 隆弘 竹尾 淳 川出 義浩 木村 雄子 近藤 麻央 伊藤 禎芳 長野 弘季 野崎 耀志郎
出版者
一般社団法人 日本老年医学会
雑誌
日老医誌 (ISSN:03009173)
巻号頁・発行日
vol.55, no.3, pp.358-366, 2018
被引用文献数
2

<p><b>目的:</b>今後の超高齢社会を乗り切っていく重要な1つの方策は意識改革である.その要になるのはヘルスケア・メディケーションを行いつつ自らの最終ゴールを見つめる,即ちアドバンスケアプランニング(Advance care planning:以下ACPと略す)と事前指示(Advance directive:以下Adと略す)を行うことである.また,パーソナルヘルスレコード(Personal Health Record:以下PHRと略す)の匿名開示,病理解剖はあまり言及されていない.しかし,死後のことも事前に考え,意向を聞いておく環境整備も必要である.この死後対応を含めたAd/ACPの啓発・浸透が国民の意識改革にもなっていく.本研究は地域住民の意識をアンケート形式で把握し,講演(啓発活動)での変容を捉えることを目的とした.<b>方法:</b>高齢化の進む大都市旧ニュータウン住民へAd/ACP啓発講演を行い,その前後での意識調査を行った.意識調査はアンケートでの自記式4択を主体に末期認知症になった状況を主に想定した6大項目,38問を設けた.<b>結果:</b>参加者は35名(男7名,女22名)で40歳代~80代以上で70歳代が25名であった.途中退出者が数名発生したため,前後変容に関しては,統計的解析は不可能であったが意識変容の傾向は得られた.特に死後の対応(献体)に関しては有意差をもった意識変化を認めた.また蘇生・延命の希望者数と救急搬送希望者数に乖離を認めた.<b>結論:</b>医療行為への希望・不安はその情報量に加え,置かれた状況でも変容する.今回の意識調査で,死後の社会貢献意識に講演前後で変化が観られた.また蘇生・延命と救急搬送は別物と捉える地域住民が多い点も明らかとなった.今後のAd/ACPの普及,意識改革では,この点を念頭においた地道な活動と医療・介護者,地域の方々,家族,本人との連携が必要である.</p>
著者
大原 隆明 神戸 敏成 中田 政司
出版者
公益財団法人花と緑の銀行
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

北陸地方における菊咲き性サクラ栽培品種群の調査の結果、樹齢40年以上の古木が44個体確認された。中には4新品種が含まれており、3品種をニュウゼンオトメキクザクラ、ショウホウジキクザクラおよびシママチキクザクラと命名した。二季咲き性1新品種は‘コシノフユザクラ’として品種記載を行った。芽接ぎ法については活着率11.8%と低い値であり、芽接ぎでの増殖は効率の良い方法ではなかった。組織培養については、実験に用いた10品種すべてにおいて、成長点からシュートを誘導することに成功した。最も効果的な培地は1 mg/l BAPおよび5 mg/l GAを添加したWP培地であった。