著者
竹内 聡志 土屋 篤志 杉本 勝正 大藪 直子 後藤 英之 武長 徹也 鷹羽 慶之 大塚 隆信
出版者
日本肩関節学会
雑誌
肩関節 (ISSN:09104461)
巻号頁・発行日
vol.40, no.2, pp.495-498, 2016 (Released:2016-10-07)
参考文献数
9

原テストにおけるCombined abduction test(CAT)とHorizontal flexion test (HFT)と肩関節可動域の関係について調査を行った.2012年から2014年にメディカルチェックを行った大学生・社会人野球選手96名(平均年齢20.9歳,平均野球歴10.9年)を対象とした.全ての選手に原テスト11項目,肩可動域測定を施行した.その結果から,CAT・HFT共に陽性群(CH群),CAT陽性群(C群),HFT陽性群(H群),CAT・HFT共に陰性群(N群)に分類し,肩関節下垂位(1st),90°外転位(2nd)および90°屈曲位(3rd)における内外旋角度との関連を調査した.CH群49名,C群8名,H群8名,N群31名であった.CH群,C群,H群において非投球側と比較して投球側の2nd 内外旋総可動域(total arc)が有意に減少していたが,N群では有意差がなかった.投球側の2nd total arcは肩後方タイトネスの存在により,非投球側と比較して減少することが報告されている.この結果から,CAT・HFTは肩後方タイトネスの評価に有用である可能性が示された.
著者
坪井 義晃 澤田 雅人 大塚 隆信 澤本 和延
出版者
日本DDS学会
雑誌
Drug Delivery System (ISSN:09135006)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.46-49, 2017-01-25 (Released:2017-04-25)
参考文献数
24

体内に存在する組織幹細胞の研究が進み、それを用いた再生医療の開発が期待されている。内在性幹細胞を利用することができれば低コストで安全な治療が可能になると考えられるが、その実現のためには再生能力を促進する技術が必要である。内在性幹細胞の分化・誘導因子を局所に供給するドラッグデリバリー技術の有効性が種々の研究によって明らかにされ、臨床応用がなされているものもある。こうした取り組みの現状を紹介する。
著者
武長 徹也 竹内 聡志 後藤 英之 吉田 雅人 西森 康浩 大塚 隆信 杉本 勝正 大藪 直子 土屋 篤志 多和田 兼章
出版者
日本肩関節学会
雑誌
肩関節 (ISSN:09104461)
巻号頁・発行日
vol.37, no.3, pp.1121-1123, 2009

<B>Background:</B> The purpose of the present study was to evaluate the clinical results of conservative treatment for rotator cuff tears.<BR><B>Methods:</B> 33 shoulders of 28 patients were evaluated and diagnosed as having rotator cuff tear with magnetic resonance image or ultrasonography in our institution. There were 13 male cases (17 shoulders), and 15 female cases (16 shoulders). The average age of the 33 shoulders at the time of the diagnosis was 70.9 years old (range 56 to 82 years) and their mean follow-up period was 37.5 months (range 12 to 106 months). With respect to tear size, 4 shoulders were categorized as massive tears, 5 were large tears, 14 were medium tears, 9 were small tears. There was 1 partial tear at the bursal side. The clinical results were evaluated by Japanese Orthopaedic Association shoulder scoring system (JOA score) and pre and post therapeutic active range of motion was also investigated.<BR><B>Results:</B> The average JOA score improved from 69.2 points at first exam to 84.0 points at the final follow-up. However, younger patients (less than 60 years old) showed deterioration. Improvement of active range of motion has been confirmed from 139 to 156 degrees in elevation, from 135 to 150 degrees in abduction, from 57 to 63 degrees in external rotation and from L2 to L1 level in internal rotation at the final follow up.<BR><B>Conclusion:</B> In most of the cases, clinical results of conservative treatment for rotator cuff tears were satisfactory except for younger and active patients.
著者
多和田 兼章 竹内 聡志 鷹羽 慶之 後藤 英之 武長 徹也 大塚 隆信 杉本 勝正 大藪 直子 土屋 篤志
出版者
日本肩関節学会
雑誌
肩関節 (ISSN:09104461)
巻号頁・発行日
vol.38, no.3, pp.795-797, 2014 (Released:2014-11-21)
参考文献数
9

今回の研究の目的は当院における肩関節脱臼に対するStimson法の整復率について調査することである.当院救急外来にて研修医がStimson法で整復を行った肩関節前方脱臼21例22肩(平均年令60.8歳,男性13例,女性8例)を対象とした.外傷性脱臼が14肩,反復性脱臼が8肩であった.整復できた群をStimson法群,Stimson法で整復できなかった群をFailure群とし,比較を行った.当院におけるStimson法の整復率は40.9%(9/22肩)であった.他の13肩はzero position法で整復された.Failure群13肩では年齢が高く,合併損傷を伴う外傷性脱臼が多い傾向にあった.Stimson法は簡便で,非侵襲的だが,整復時間を要することや低い整復率が問題である.当施設においても40.9%と他の整復法と比較して低い整復率であった.
著者
土屋 篤志 大藪 直子 後藤 英之 堀内 統 吉田 雅人 西森 康浩 大塚 隆信 武長 徹也 杉本 勝正
出版者
日本肩関節学会
雑誌
肩関節 (ISSN:09104461)
巻号頁・発行日
vol.35, no.2, pp.567-569, 2011

We investigated the shoulder function of the frozen shoulder after an average of thirty months (12 to 108 months) of the conservative treatment. In this study, 17 shoulders of 16 patients (13 males and 3 females) of non-traumatic frozen shoulder without rotator cuff tear were investigated. The mean age of all cases was 66 years old, ranging from 47 to 76 years old. At an average of 30 months follow-up, the clinical results and shoulder function including subjective and objective evaluation, range of motion and shoulder strength using micro FET, were investigated. The mean JOA score was 63.7 points at the initial treatment and 82.5 points at the end of the treatment. After thirty months of the treatment, JOA score was improved to 93.4 points. About 88% of the patients were satisfied with their daily living, although 16.7% of the patients changed sports activity level or their work. Seven of 17 patients who were satisfied with their ADL, restricted some concrete action related to shoulder function such as scratching their back. The range of motion of flexion, abduction and external rotation of the affected side tended to be lower compared with the normal side, but not significantly. The strength of the shoulder of the affected side was improved without a significant difference from normal side. The prognosis of the frozen shoulder was relatively good with a little discomfort for living and a limitation of sports activity.
著者
大塚 隆信
出版者
一般社団法人 日本農村医学会
雑誌
日本農村医学会学術総会抄録集 第60回日本農村医学会学術総会 (ISSN:18801749)
巻号頁・発行日
pp.5, 2011 (Released:2012-02-13)

日本においては平均寿命が延び,急速に高齢化社会が到来している。男性のほぼ5人に1人,女性の4人に1人が高齢者である。それにともなって介護を必要とする要支援・要介護者は約450万人と増えている。その原因として「関節疾患」「転倒・骨折」などの「運動器」の障害が20%を超えている。ロコモティブシンドロームという言葉は日本語で「運動器症候群」と訳され『ロコモ』という通称が使用されている。運動器の障害により日常生活での自立度が低下し,要介護の状態や要介護の危険のある状態をいう。これは運動器のことをロコモティブオルガン(locomotive organ)ということから派生している。またロコ モティブには「機関車」という意味もあり人生を機関車のようにアクティブに生きようという意味が込められている。 ロコモティブシンドロームの徴候・症状 関節や背部の痛み,関節や脊柱の変形,関節や脊椎の可動域制限,下肢・体幹の筋力低下,バランス能力の低下がポイントとしてあげられる。 日常生活でチェックすべき項目 1.家のやや重い仕事が困難である。 2.家の中でつまずいたり滑ったりする。 3.15分くらい続けて歩けない。 4.横断歩道を青信号で渡りきれない。 5.階段を上がるのに手すりが必要である。 6.片脚立ちで靴下がはけない。 7.2kg程度の買い物をして持ち帰るのが困難である。 ロコモティブシンドロームの判定基準 1)開眼片脚起立時間:15秒未満 2)3m Timed up and go test:11秒以上 運動機能低下をきたす疾患 脊椎圧迫骨折及び各種脊柱変形(亀背,高度脊柱後弯・側弯),下肢の骨折(大腿骨頚部骨折など),骨粗鬆症,下肢の変形性関節症(股関節,膝関節など),脊柱管狭窄症,脊髄障害,神経・筋疾患,関節リウマチおよび各種関節炎,下肢切断,長期臥床後の運動器廃用,高頻度転倒者 予防と治療・ロコモーショントレイニング ロコモ対策の基本は運動器局所の治療と歩行機能の維持改善の2本立てである。 これらの項目の解説と運動機能低下をきたす主なる疾患(骨粗鬆症,下肢の変形性関節症,脊柱管狭窄症)の診断・治療などについて述べる。 参考文献: 日本整形外科学会編;ロコモティブシンドローム診療ガイド2010,文光堂
著者
夏目 長門 酒井 映子 山中 克己 大塚 隆信 千田 彰 中垣 晴男 小島 卓 服部 正巳 前田 初彦 森田 一三 井上 誠 吉田 和加
出版者
愛知学院大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

モンゴル国において3年間に5回にわたり調査を行うとともにモンゴル人スタッフに通年依頼して調査を行った。その結果、(1)モンゴル人口唇口蓋裂発現率は、0.07%であった。(日本人口唇口蓋裂0.2%)(2) 961名の妊婦の母体環境調査を行った。(3)モンゴル人の口唇口蓋裂遺伝子レポジトリーでは、1, 999名の試料を入手できた。
著者
小林 猛 大塚 隆信 河合 憲康
出版者
中部大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2008

1. MCLとサーモトロンRF-8を用いた温熱療法における免疫誘導効果(小林)MCLとサーモトロンRF-8を用いた温熱療法をマウスのメラノーマモデルで実施し、Heat Shock Proteinが関与する癌細胞特有の免疫誘導があることを確認した。2. MCLとサーモトロンRF-8を用いた温熱療法の臨床研究(小林)前年度に実施したMCLの安全性試験の結果を基にして、中部大学にてGMP基準に準拠した患者用MCLの調製を行った。倫理委員会の審査体制が整った戸畑共立病院がん治療センターにおいて、MCLとサーモトロンRF-8を用いた温熱療法の臨床研究を開始した。喉頭部に直径7cmもの腫瘍がある患者に、最初は通常のサーモトロンRF-8による温熱治療を行い、腫瘍部位の温度は42.1℃までしか加温されないことを確認した。6日後にMCLを腫瘍部位に投与してからサーモトロンRF-8による温熱治療を行った所、44.3℃まで腫瘍部位が加温されることを認めた。さらに、in vitroの細胞実験で、42.1℃と44.3℃の加温を30分間行い、癌細胞の死滅率は44.3℃の方が10,000倍も高いことを確認した。現在、この患者の経過観察中である。3. MCLを使用した温熱療法のための倫理委員会への提出書類の整備(大塚および河合)名古屋市立大学において、大塚は整形外科領域の骨肉腫などに対するMCLの投与方法や投与量の設定根拠などを定めた。同様に、河合は前立腺がんなどを対象とした場合のMCLの投与方法や投与量の設定根拠などを定めた。