- 著者
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松田 圭悟
大山 航
若林 哲史
- 出版者
- The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
- 雑誌
- 電子情報通信学会論文誌 A (ISSN:09135707)
- 巻号頁・発行日
- vol.J100-A, no.12, pp.435-443, 2017-12-01
本研究では,訓練偽筆を含まない学習データを用いた組み合わせ分割署名照合法を提案する.提案手法は,まず,ペン先のx, y座標,筆速,筆圧の時系列で構成されるオンライン署名情報を入力し,筆速,筆圧をそれぞれストローク幅,濃度値に反映させた署名画像を生成する.次に,オンライン署名時系列及び生成された署名画像のそれぞれをストロークの重心位置で分割する.入力されたオンライン署名時系列及び生成された署名画像とそれぞれの分割署名をオンライン用,オフライン用の手法で照合し,照合スコアを判定用SVMで真偽判定する.判定用SVMの学習には真筆同士,真筆と偽筆の照合スコアを含む学習用データを用いる必要があるが,本論文では偽筆クラスの学習サンプルとして第三者の真筆を用いるランダム偽筆学習を提案する.また,偽筆サンプルの削減のために,One-class SVMとk-meansクラスタリングを用いた効果的なサンプリング手法も提案する.多言語署名を含むSigCompデータセットを用いた評価実験の結果,訓練偽筆を含む学習用データセットを用いて学習した場合と同程度の精度の署名照合が実現できた.