著者
馬場 基 中川 正樹 久留島 典子 高田 智和 耒代 誠仁 山本 和明 山田 太造 笹原 宏之 大山 航 中村 覚 渡辺 晃宏 桑田 訓也 山本 祥隆 高田 祐一 星野 安治 上椙 英之 畑野 吉則
出版者
独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2018-06-11

国際的な歴史的文字の連携検索実現のため、「IIIFに基づく歴史的文字研究資源情報と公開の指針」および「オープンデータに関する仕様」(第一版)を、連携各機関(奈良文化財研究所・東京大学史料編纂所・国文学研究資料館・国立国語研究所・京都大学人文学研究所・台湾中央研究院歴史語言研究所)と共同で策定・公表し、機関間連携体制の中核を形成した。また、上記「指針」「仕様」に基づく、機関連携検索ポータルサイト「史的文字データベース連携システム」の実証試験版(奈文研・編纂所・国文研連携)を令和2年3月に公開。令和2年10月には、台湾中研院・国文研・京大人文研のデータを加えて、多言語(英語・繁体中国語・簡体中国語・韓国語)にて本公開を開始した(https://mojiportal.nabunken.go.jp/)。なお、連携・サイト公開は、国内および台湾メディアで報道された。木簡情報の研究資源化として、既存の木簡文字画像(約10万文字)をIIIF形式に変換した。また、IIIF用の文字画像切出ツールを開発し、新規に約15,000文字(延べ)のデータを作成した。過年度と合わせて合計約115,000文字の研究資源化を実現した。文字に関する知識の集積作業として、木簡文字観察記録シートを約50,000文字(延べ)作成した。なお、同シートによる分析が、中国簡牘・韓国木簡にも有効であることが確認されたことを踏まえ、東アジア各地の簡牘・木簡文字の観察作業も実施した。国際共同研究・学際研究として、令和1年9月に、東アジア木簡に関する国際学会を共催した(北京)。当初、国際学会の開催は、研究計画後半での実施を予定していたが、本研究遂行にあたっての共同研究等の中で、学会共催の呼びかけを受け、予定を繰り上げて国際学会を共催した。また、人文情報学の国内シンポジウム等において、IIIF連携等本研究の成果を報告した。
著者
笹原 宏之
出版者
国立国語研究所
雑誌
奨励研究(A)
巻号頁・発行日
1997

小地名の大規模な資料として、『国土行政区画総覧』1995.08現在号を基礎資料とし、そこに記された小字・通称地名のうち、国語資料としての価値が高いと考えられるものについて、文字列と読みと所在を入力した。さらに微細地名・消滅地名における用例を補うため、同書初号、除去号、『角川日本地名大辞典』所載「小字一覧」 (約300万件)などを補助資料とし、その小地名使用漢字の全数を調査し、用例を引き出し、入力した。『国土』のチェックは継続中であるが、『角川』の小字からの入力は完了した。「全国町・字ファイル」は適宜参照した。ほかに、『朝日新聞』や高校教科書、個人の記憶内における地名の漢字などについての調査も追加した。これと並行して関連資料の購入を始め、その内容について分類・整理を行った。この結果、地名特有の字や音訓かと思われていたものでも、実際には歴史的な資料などに存在していた例が、いくつも確認された。これらの分析を進め、調査研究の結果を発表した。この成果は一例に過ぎず、さらに調査を継続している。1 「アゼ」の方言形の分布と、「畦」 「畔」の地名訓の分布とを取り上げ、比較検討した結果、方言資料では覆えなかったり、さかのぼれない方言形の分布や方言釧多数を確認した調査は、国立国語研究所の論集に論文として掲載。2、 「町」 「村」の読み方の地域差について専門誌に寄稿。3、 「艝」 (そり) 「轌」 (そり)「鱈」など「雪」を含む地名国字の歴史と分布を論文として、商業誌に寄稿。4、 「范」 (やち) 「葛」など『朝日新聞』に現れた地名とその字体、頻度などについて論文をまとめ、学会誌に投稿。5、 「蛎」 (かき) 「砺」 (と) 「辻」 「鈬」 (ぬで) 「粐」 (ぬか)など地名に使われる字などの字体に対する選択行動について論文にまとめ、学会誌に投稿。
著者
笹原 宏之
出版者
早稲田大学国文学会
雑誌
国文学研究 (ISSN:03898636)
巻号頁・発行日
vol.105, pp.57-66, 1991-10-15
著者
笹原 宏之
出版者
明治書院
雑誌
日本語学 (ISSN:02880822)
巻号頁・発行日
vol.34, no.13, pp.46-51, 2015-11
著者
笹原 宏之
出版者
早稲田大学国文学会
雑誌
国文学研究 (ISSN:03898636)
巻号頁・発行日
vol.114, pp.120-109, 1994-10-15
著者
當山 日出夫 笹原 宏之 高田 智和
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告人文科学とコンピュータ(CH) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.9, pp.1-8, 2007-01-27
被引用文献数
4

日本語の表記において、文字にも方言のような地理的な差違が発見できる。例えば、北海道の「蛯」や、京都・博多。広島の「祇園」などである。これらの研究事例をもとに、他の文字。表記についても、地理的差違の有無について調査する必要がある。このとき、不可欠となるのがGPSである。本発表においては、文字の地理的差違についての研究とGPSの問題点を考察する。When investigating about the use of the character, there is difference among regions in Japan-domestic. There is difference among regions in" GION" and" EBI". Based on these cases, we study about the other character. For its purpose, using the GPS, the investigation spot must be specified. In this releasing, a character research and the problem of the use of the GPS are described.
著者
横山 詔一 笹原 宏之 黒田 信二郎 澤田 照一郎 野島 伸一 石岡 俊明
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告人文科学とコンピュータ(CH) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2004, no.110, pp.47-54, 2004-11-05

いつでも,どこでも,だれでも,社会的に必要な漢字を使える漢字ユビキタス環境を実現するため,行政文字情報交換の基準となる「文字情報集積体(文字情報データベース)」の開発を進めている。社会的に必要な漢字の範囲を決めるには,科学的根拠のほかに国民的合意の形成が欠かせない。国立国語研究所,情報処理学会,日本規格協会の3者連合体は,経済産業省から委託を受けて,総務省住民基本台帳統一文字と法務省戸籍統一文字の間に存在する微妙な字形差の統一や,文字属性情報の調査に基づく情報付与作業を行い,併せて大漢和辞典の一部などの電子化を通した研究を行ってきた。また,漢字ユビキタス環境の実現を狙うという方向性そのものが国民のニーズに合致しているのかを検討するため,国立国語研究所は独自に「漢字環境学」の視点を導入して,世論調査データの解析を行った。A comprehensive and Standardized database of kanji characters is critical to ubiquitous computing in Japan. A project team of three institute and associations, the National Institute for Japanese Language, Information Processing Society of Japan, and the Japanese Standards Association, is developing a character information database under contract with the Ministry of Economy, Trade and Industry. The database unifies the variations in the forms of kanji characters as well as includes linguistic information of the characters and the data from Daikanwa (大漢和辞典) kanji dictionary. Furthermore, the National Institute for Japanese Language has conducted a study on language policies regarding kanji characters in a framework called "kanji environment studies" in order to identify the opinions and the demands of language users in Japan.
著者
笹原 宏之
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2022-04-01

日本語の名詞の一種である固有名詞でありながら、その方法上の困難さなどから、内在する学術的な意義に比して研究が十分には開拓,実施されてこなかった日本の人々の下の名前に対して実証的な調査を実施し、そこに用いられている漢字に関して字種・字体・字音・字義・字訓など各面からの分析を行うことで、それらの実状を検証し、背景も検討する。研究成果は学術分野のみならず、行政全般の抱える諸課題、そして広く一般の命名意識に対して波及効果ももたらすものと考えられる。
著者
横山 詔一 笹原 宏之 當山 日出夫
出版者
社会言語科学会
雑誌
社会言語科学 (ISSN:13443909)
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.16-26, 2006
被引用文献数
2

文字コミュニケーションのメカニズムを解明するため,異体学の選好に関する実験を行った.異体字とは,「桧-檜」のように読みと意味は同じで字体だけが異なる文字の集合を指す.IT機器で漢字を書いている場面を実験参加者にイメージさせ,異体学263ペアについての選好判断を2肢強制選択法で求めた(選好課題).同じ実験参加者グループに対して半年後に同じ課題を与え,旧字体選好率の積率相関係数を求めたところ,r=0.96ときわめて強い正の相関がみられた.これから,選好課題の結果は高い信頼性を有することが明らかになった.さらに,別の実験参加者グループを用いて異体学ペアのいずれの親近度が高いかを2肢強制選択法で判断させ(親近度比較課題),選好課題との相関を分析した.その結果,親近度比較課題と選好課題の間にはr=0.95ときわめて強い正の相関関係がみられた.ある異体学が社会でよく使われている場合は人間がその異体学に接触する頻度が高くなり,接触頻度が高くなると単純接触効果によってその異体学に対する親近性が増加するとともに好意度も高くなると考えられる.選好課題と親近度比較課題の間に見られる強い相関関係は,単純接触効果の影響を色濃く反映した結果であると説明できる.
著者
笹原 宏之
出版者
JSL漢字学習研究会
雑誌
JSL漢字学習研究会誌 (ISSN:18837964)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.1-14, 2010

学術用語における表外漢字・表外音訓を中心とする漢字の使用実態を把握し、その生じた背景について通時的な観点を加えつつ検討した。仮名書き、交ぜ書き等に代わり、表外漢字が増加する一方、略字がしばしば使用されており、位相的慣用音とともに特定の社会において用字に体系性を整える方向が見出せた。一般との関わりが深まる情報化時代において、新常用漢字表や他国の用語との比較を通じ、その意義も考察した。
著者
笹原 宏之 横山 詔一
出版者
計量国語学会
雑誌
計量国語学 (ISSN:04534611)
巻号頁・発行日
vol.21, no.7, pp.291-310, 1998-12
被引用文献数
2
著者
笹原 宏之
出版者
明治書院
雑誌
日本語学 (ISSN:02880822)
巻号頁・発行日
vol.33, no.2, pp.60-77, 2014-02