著者
森 英季 干野 隆之 大日方 五郎 大内 一弘
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MR, 磁気記録 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.625, pp.25-30, 2001-02-09
被引用文献数
2

直動型空気静圧軸受けを有するリニア・アクチュエータを用いて、高精度トラック・フォローイング及び高速なシーク動作のための位置決め機構を提案した。試作したアクチュエータの共振周波数は、市販HDDに搭載されているロータリ型に比べ、約2倍程高いことが確認できた。このトラッキング・システムを用いてトラッキングを行なったところ、一般に許容されるトラッキングエラー(トラック幅の1/10)の更に1/2でトラック・フォローできることを確認した。またPDコントローラを用いたフィードバック制御によって、100Gbit/in^2以上の高TPIで必要となる10nm分解能の高精度位置決めが可能であることをステップ応答やランプ応答から検証した。
著者
片柳 憲雄 武藤 輝一 田中 乙雄 鈴木 力 藍沢 喜久雄 西巻 正 田中 陽一 武藤 一朗 武田 信夫 田中 申介 鈴木 茂 田中 典生 藪崎 裕 大森 克利 多田 哲也 鈴木 聡 大日方 一夫 曽我 淳
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.24, no.4, pp.968-976, 1991-04-01
被引用文献数
18

1989年末までの22年間に経験した食道癌症例814例のうち,他臓器に重複癌のある64例(7.9%)を対象として,手術術式,治療成績を中心に検討した.同時性2臓器重複癌は37例,異時性2臓器重複癌では食道癌先行が10例,他臓器癌先行が11例あり,3臓器以上の重複癌も6例に認めた.同時性重複癌の重複臓器は胃が25例と圧倒的に多く,このうち16例は早期胃癌であった.胃癌合併例では,早期癌が胃管作製時の切除範囲に含まれる場合を除いて胃全摘,結腸による再建を原則とした.同時性重複癌の両癌切除例の5生率は34.6%であり,少なくとも一方が非切除であった症例に対して有意に(p<0.05)良好であった.さらに,食道癌治癒切除例の予後は,5生率58.3%とほぼ満足できる成績であった.治療成績向上のためには,重複癌の存在を念頭においた診断と,両癌の治癒切除を目指した積極的な手術が重要であると思われた.
著者
大日方 真史
出版者
一般社団法人日本教育学会
雑誌
教育学研究 (ISSN:03873161)
巻号頁・発行日
vol.75, no.4, pp.381-392, 2008-12

教育の私事化が進行する今日、学校教育の公共性の意義が根底から問いなおされており、公共性を実現する場および主体、そして教師の専門性がいかに構成されうるかは、重要な課題となっている。本稿は、そうした課題を捉えて、教育の公共性再構築の道筋を、教師・保護者間対話を成立させる教育実践の可能性に探るものである。対象として取り上げるのは、学級通信を継続的に発行する教師の実践である。考察にあたっては、公共性に関するハンナ・アレントの論を援用し、加えて「親密圏」概念を参照する。本稿を通じて、公共性における重要な局面として、保護者間の関係形成過程を含み込んだ対話の成立と、保護者の声が発せられる場の生成に着目し、それらの条件を明らかにする。さらに、教師・保護者間対話の成立における教師独自の専門的な位置と役割を明らかにして、公共性の実現可能性を見いだす。