著者
太田 亨 新井 宏嘉
出版者
一般社団法人 日本地質学会
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.112, no.3, pp.173-187, 2006 (Released:2006-07-14)
参考文献数
78
被引用文献数
15 11

岩石・鉱物の化学組成,砕屑物の粒度組成やモード組成,生物の群集組成などで利用される組成データは変数の総量が一定であるために定数和制約を受ける.このような形式のデータを対象とした統計学的推定,検定の方法論は最近まで確立されていなかった.しかし,近年,組成データの厳密な統計学的解析方法が急激に進歩した.本論では,このような手法の1つである対数比解析と単体解析を実例を交えて紹介する.対数比解析は,組成データを単体空間から実空間に写像する方法である.単体解析は,単体空間に属する組成データに対して,新たに統計量や解析方法を開発する試みである.今後はこのような解析方法を用いて,より適切な論理的基盤から地質学的諸現象を解析することが重要となるであろう.
著者
新川 詔夫 太田 亨 吉浦 孝一郎 デョミトロ スタレンキ
出版者
北海道医療大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

174名成人における巻舌/平舌、組み手パターン、組み腕パターン、耳垂付着部の形状、前毛髪線の形状、一重/二重まぶたなどのいわゆる正常多様性形質について、全ゲノムSNPsとの関連研究を行った。優性遺伝モデルの下で、組み腕パターンのみが10^<-4>以下のp値を示す4種のSPEN遺伝子内SNPがみられたが、右型組み腕93名と左型80名全員のSPENのシーケンシングでは2群に分けるような変異あるいは多型はみられなかった。他の形質ではいずれも明白な関連SNPは検出されなかった。したがってこれらの正常多様性形質は遺伝形質ではないとは言えないが、少なくとも1遺伝子形質ではないと結論できる。
著者
新川 詔夫 太田 亨 吉浦 孝一郎
出版者
北海道医療大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

ヒト耳垢型決定遺伝子ABCC11多型に関する分子遺伝学的・医学的・人類学的研究を行った。乳癌との関係は証明されないが、産婦の初乳量と湿型耳垢型との間、および腋窩臭症と湿型多型間に相関を認めた。全国SSHコンソーシアムとの共同研究で、乾型耳垢型のアレル頻度に関する日本地図を完成した。さらに、ABCC11遺伝子多型が湿型。乾型耳垢型表現型を形成する分子機構を明らかにした。
著者
太田 亨 新井 宏嘉
出版者
一般社団法人 日本地質学会
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.112, no.4, pp.298-299, 2006-04-15 (Released:2014-02-07)

訂正地質学雑誌112巻3月号掲載の太田・新井論文(Vol.112, No. 3, p.173-187)中で,校正段階でのミスにより数式等に誤りがありました.訂正し,お詫び申し上げます.
著者
三浦 香苗 太田 亨 深川 美帆
出版者
金沢大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

学生によるビデオ会議(日本語使用)を,タイ,トルコ,豪州の協定校と,1 対1及び多地点同時通信で行った。その結果(1)1対1の方が多地点より議論が円滑であった。(2)会議のturn数を日:豪,日:タイ,日:トルコで比較すると,日:豪が有意に多かった。(3)「結婚」「職業」などは異文化会議を進めやすいトピックである。(4)国によっては,サブトピックより更に下位の話題が活発に出た以上の結果の原因が文化差か,グループの傾向か等は未だ特定できない。
著者
及川 恒之 小林 健史 太田 亨
出版者
北海道医療大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

FOXP2遺伝子は転写因子をコードしており、その機能は言語に関わる非常に興味深い遺伝子である。FOXP2の標的遺伝子を単離するため、FOXP2 transgene細胞を作成しマイクロアレイ法で検出した。この網羅的スクリーニングにより、多数抽出された。今回は、2way ANOVA解析により、ヒトFOXP2で2個、FOXP2 isoformで31個、chimp FOXP2で6個の遺伝子が変化したところまで、候補を絞った。次に神経芽細胞腫由来Tg FOXP2の細胞を作製し、再現性を解析した。両者の細胞で発現促進された遺伝子群が数個が認められ、グリア細胞由来やマトリックス形成に関するものであった。
著者
太田 亨 今井 智文 石田 直人 坂 幸恭
出版者
一般社団法人 日本地質学会
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.118, no.9, pp.588-593, 2012
被引用文献数
2

This study re-examines the depositional age, lithostratigraphy, and distribution of Mesozoic sedimentary formations in the section of the Kurosegawa Belt that outcrops in the Toba area, eastern Shima Peninsula, Mie Prefecture, Japan. In this area, Mesozoic successions are divided into the Jurassic Shiranezaki Formation and the Cretaceous Matsuo Group. We collected Bajocian and Callovian–Oxfordian age radiolarians from the Shiranezaki Formation and Valanginian–Barremian age radiolarians from the Matsuo Group. The lithology and age constraints provided by these collected radiolarians suggest that part of the previously defined Matsuo Group actually forms part of the Shiranezaki Formation, with this formation being stratigraphically overlain by the Matsuo Group across a disconformity.
著者
鈴木 慶太 酒井 邦裕 太田 亨
出版者
一般社団法人 日本地質学会
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.119, no.3, pp.205-216, 2013
被引用文献数
6

本論では,楕円フーリエ–主成分解析,mPD法フラクタル次元を用いて砕屑物粒子の形状を定量的に評価し,河川,前浜,氷河堆積物を形状から判別することを試みた.楕円フーリエ–主成分解析によって,粒子の伸長度(EF1)と突起度(EF2,EF3,EF2 + EF3)など全体的な形状を表す指標が,mPD法フラクタル次元では,表面構造(FD,FDCv)を示す定量的な指標が得られた.この結果に基づくと,砕屑物粒子は氷河,前浜,河川堆積物の順に円形から棒状に変化する.また,氷河,河川,前浜堆積物の順に表面構造が滑らかになり,かつ,滑らか度の標本ばらつきが少なくなる.これらの指標の中で,堆積場ごとの値の違いが顕著であるのはFD,次いでEF1であり,楕円フーリエ–主成分解析とフラクタル解析の結果を統合的に用いることによって,各堆積環境を明瞭に判別することが可能となった.
著者
安藤 寿男 長谷川 卓 太田 亨 山本 正伸 長谷部 徳子 高橋 正道 長谷川 精
出版者
茨城大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

モンゴル南東部の白亜紀中期(シネフダグ層)とジュラ紀中期(エーデムト層)の湖成層を対象に,(1)炭素同位体比,カイエビ化石,凝灰岩のF-T年代などに基づく年代層序の構築と,(2)岩相変化(頁岩・ドロマイト互層)から復元した湖水位変動の周期解析,鉱物・主要元素組成による化学風化度変動,有機化学指標(TEX_<86>)による湖水温復元などに基づく古環境変動復元を行い,モンゴル湖成層には,白亜紀中期温室期に頻発した海洋無酸素事変期(OAE1a~1b)の,地球軌道要素を反映した降水量および古気温変動が記録されている.
著者
鈴木 慶太 酒井 邦裕 太田 亨
出版者
一般社団法人 日本地質学会
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.119, no.3, pp.205-216, 2013-03-15 (Released:2013-07-03)
参考文献数
67
被引用文献数
2 6

本論では,楕円フーリエ–主成分解析,mPD法フラクタル次元を用いて砕屑物粒子の形状を定量的に評価し,河川,前浜,氷河堆積物を形状から判別することを試みた.楕円フーリエ–主成分解析によって,粒子の伸長度(EF1)と突起度(EF2,EF3,EF2 + EF3)など全体的な形状を表す指標が,mPD法フラクタル次元では,表面構造(FD,FDCv)を示す定量的な指標が得られた.この結果に基づくと,砕屑物粒子は氷河,前浜,河川堆積物の順に円形から棒状に変化する.また,氷河,河川,前浜堆積物の順に表面構造が滑らかになり,かつ,滑らか度の標本ばらつきが少なくなる.これらの指標の中で,堆積場ごとの値の違いが顕著であるのはFD,次いでEF1であり,楕円フーリエ–主成分解析とフラクタル解析の結果を統合的に用いることによって,各堆積環境を明瞭に判別することが可能となった.
著者
太田 亨 小島 聡 廣瀬 幸夫 古城 紀雄 村岡 貴子 菊池 和徳 門倉 正美 安 龍洙 門倉 正美 村岡 貴子 西村 謙一 安 龍洙 菊池 和徳 藤田 清士 酒勾 康裕 古城 紀雄 金 重燮 趙 顯龍 真貴志 順子
出版者
金沢大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

本研究では,(1)日韓プログラムにおける「通年予備教育」用活動型シラバス試案を公表し,(2)日本の大学教員が韓国における前半期予備教育の現場に直接入って教育する「教育参画」を行いシラバス試案の教育的な効果を検証すること,の2点を目指した。また,『研究成果報告書』を刊行し,その結論部において,日本語教育,数学教育,物理教育,化学教育に分け表形式で簡潔に纏めた形で上記シラバス試案を提示した。