著者
三浦 徳宣 井出 健弘 宇田 尚史 野田 輝乙 浅井 聖史 西村 謙一 白戸 玲臣 柳原 豊 宮内 勇貴 菊川 忠彦 丹司 望 横山 雅好
出版者
一般社団法人 日本泌尿器科学会
雑誌
日本泌尿器科学会雑誌 (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.105, no.3, pp.79-84, 2014-07-20 (Released:2015-08-04)
参考文献数
23
被引用文献数
1 1

(目的) 副腎皮質癌は稀な疾患であるが,予後不良で治療に難渋する症例が多い.当科で副腎皮質癌と診断された7例における,臨床病理学的特徴と予後について検討した. (対象と方法) 2002年1月から2012年12月までに診断された7例の副腎皮質癌症例の臨床的背景,原発巣最大径,治療法,転帰について調査した. (結果) 男性4例,女性3例であった.診断時の年齢は中央値63歳(36~71歳)で,最大腫瘍径は中央値7.0 cm(4~13 cm)であった.治療は,Stage Iの1例は腹腔鏡下副腎摘除術のみ,Stage IIIの4例は,副腎摘除術に加え,周囲臓器合併切除をおこなった.完全切除した5例のうち4例は中央値55カ月(22~107カ月)で再発なく生存している.遠隔転移があった2例のうち,1例は外科的切除困難にて全身化学療法(エトポシド+アドリアシン+シスプラチン療法+ミトタン)をおこなったが19カ月目に癌死した.もう1例は,副腎皮質癌肺転移に対し,原発巣と転移巣を外科的切除し,術後補助療法としてミトタン内服治療を行っており,術後9カ月で再発は認めていない.7例の3年癌特異生存率は56%であった. (結論) 周囲臓器への浸潤が疑われても,副腎周囲臓器を含めて合併切除することで長期生存できる症例が存在しており,診断時の可能な限りの完全な外科的切除が予後改善に重要であると思われた.
著者
菊地 雅子 野澤 智 佐藤 知美 西村 謙一 金高 太一 櫻井 のどか 原 良紀 山崎 和子 横田 俊平
出版者
一般社団法人 日本小児リウマチ学会
雑誌
小児リウマチ (ISSN:24351105)
巻号頁・発行日
vol.5, no.1, pp.26-31, 2014 (Released:2020-12-15)
参考文献数
10

当科では,若年性線維筋痛症 juvenile fibromyalgja:JFM)に対して,環境分離を主軸とする入院治療 を行ってきた.入院の適応は,重症例もしくは社会的因子が病状に強く影響している場合である. 入院では,規則正しい生活と院内学級通学,リハビリテーションが治療の中心であり,同時に環境調 整(家族や学校との面談)を進め,必要に応じて薬物療法を併用する. 2001年3月~2012年12月までの期間に,当科で入院加療したJFM患児32例について,その効果と 実際について検討した.結果は,臨床症状と重症度において,退院時のステージが17例(53%)で改 善し増悪は1例のみだった.また,入院中9例(31%)に圧痛点の減少があり,うち6例(19%)は退 院時に圧痛点が消失した.入院時に不登校の患児は25例(78%)で,うち9例(36%)が退院後3か月 の時点で登校可能となった. 入院治療による多面的なアプローチは,JFMの症状改善に有効と考えられた.
著者
池川 健 山崎 和子 西村 謙一 金高 太一 菊地 雅子 野澤 智 原 良紀 佐藤 知実 櫻井 のどか 横田 俊平
出版者
日本臨床免疫学会
雑誌
日本臨床免疫学会会誌 (ISSN:09114300)
巻号頁・発行日
vol.37, no.3, pp.176-182, 2014 (Released:2014-06-30)
参考文献数
15
被引用文献数
1

症例は14歳男児.1か月以上続く弛張熱,紅斑,関節痛,筋痛を認め,抗菌薬投与では改善せず,全身型若年性特発性関節炎(JIA)を疑われた.メトトレキサートの内服,メチルプレドニゾロン(mPSL)・パルス療法2クールが行われたが,効果不十分であったため当科へ転院となった.骨髄検査で悪性所見なく,positron emission tomography(PET)で椎体骨,骨盤骨,上腕骨近位端など赤色髄への18F-FDG集積を認めた.また弛張熱,発熱時の紅斑,関節痛,筋痛があり,血液検査では白血球増多,顆粒球増多,CRP高値,フェリチン高値,IL-6高値を認めた.以上から全身型JIAと診断した.きわめて強い全身炎症があり,mPSLパルスをさらに2クール追加後,トシリズマブ(TCZ)を導入した.その効果は著しく,症状は改善した.激しい全身炎症を有する全身型JIA重症例には,トシリズマブ導入を早めることで早期に炎症を沈静化でき,ステロイドの副作用を軽減できる可能性がある.トシリズマブ治療のさらなる検討を行い,時期を違えずにトシリズマブを導入する適応の検討が必要であろう.
著者
西口 光一 三牧 陽子 村岡 貴子 難波 康治 西村 謙一 大谷 晋也 義永 美央子
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

大学における日本語教育カリキュラムのあり方について、CEFR などの外国語能力記述を参照しつつ、大阪大学における日本語教育のスタンダードとして、6 つの習得段階での各コンポーネントの教育内容と達成水準の記述を行った。それを参照枠としながら以下の開発・研究を行った。(1) 自己表現活動中心の新たな基礎日本語のカリキュラムと教材の開発及びそれに関連する研究(2) 大学院生の研究活動及び各活動に関連するディスコースの研究とそれらに基づくアカデミック・ライティングとアカデミック・オーラル・コミュニケーションのカリキュラムと教材の開発及び実施と検証(3) 社会科学系を専門とする日本語教員による社会科学日本語のカリキュラムと教材の開発的研究(4) 日本語教育 IT 支援プラットフォームに関する研究と同プラットフォームの開発
著者
永井 史男 秋月 謙吾 持田 信樹 岡本 正明 西村 謙一 籠谷 和弘 小林 盾 菊地 端夫 砂原 庸介 安部 鶴代(船津鶴代)
出版者
大阪市立大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2009

タイ、フィリピン、インドネシアの 3 カ国で、地方自治体の政策の優先順位、予算配分等がどのように決まるのか、質問票を使って社会調査を実施した。抽出した基礎自治体数は、フィリピン 300 カ所、インドネシア 112 か所、タイ 1500 カ所で、回収率はそれぞれ 100%、93%、25%であった。平成 25 年 1 月初めにはこれらの調査結果をもとに、明治大学駿河台キャンパスで国際シンポジウムを開催し、英文報告集を取りまとめた
著者
太田 亨 小島 聡 廣瀬 幸夫 古城 紀雄 村岡 貴子 菊池 和徳 門倉 正美 安 龍洙 門倉 正美 村岡 貴子 西村 謙一 安 龍洙 菊池 和徳 藤田 清士 酒勾 康裕 古城 紀雄 金 重燮 趙 顯龍 真貴志 順子
出版者
金沢大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

本研究では,(1)日韓プログラムにおける「通年予備教育」用活動型シラバス試案を公表し,(2)日本の大学教員が韓国における前半期予備教育の現場に直接入って教育する「教育参画」を行いシラバス試案の教育的な効果を検証すること,の2点を目指した。また,『研究成果報告書』を刊行し,その結論部において,日本語教育,数学教育,物理教育,化学教育に分け表形式で簡潔に纏めた形で上記シラバス試案を提示した。