著者
Binbin WANG CHENG Chewchuang 江頭 祐嘉合 太田 剛雄 真田 宏夫
出版者
公益社団法人 日本栄養・食糧学会
雑誌
日本栄養・食糧学会誌 (ISSN:02873516)
巻号頁・発行日
vol.48, no.3, pp.181-187, 1995-06-10 (Released:2010-02-22)
参考文献数
26
被引用文献数
9 10

4週齢のウィスター系雄性ラットを用いて飼料中のオリゴ糖のガラクトサミン肝障害発症に及ぼす影響について検討した。<BRガラクトースを含んでいるラクチュロース, ラフィノース, 2種のガラクトオリゴ糖 (以上ビフィズス菌増殖因子), ガラクトースおよびラクトースにガラクトサミン肝障害発症抑制効果が認められた。同じビフィズス菌増殖因子であるフラクトオリゴ糖とグルコマンノオリゴ糖にはこのような効果が見られなかった。ビフィズス菌増殖因子が必ずしもガラクトサミン肝障害発症抑制効果を示さない場合があった。ガラクトサミン肝障害発症抑制にはオリゴ糖中あるいは単糖としてのガラクトースが深く関与していることが明らかにされた。
著者
西沢 千恵子 太田 剛雄 江頭 祐嘉合 真田 宏夫
出版者
公益社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.45, no.8, pp.499-503, 1998-08-15 (Released:2009-05-26)
参考文献数
19
被引用文献数
17 24

フェルラ酸は,主として細胞壁中にアラビノキシランとエステル結合して存在しており,種々の抗酸化性を有していることが知られている.本研究では,日常的に摂取している食品,特にイネ科の食品中のフェルラ酸含量を,HPLCにより定量した.同一の原料では,例えば玄米の方が精白米より多くフェルラ酸を含み,精製されていないものの方が精製されたものより多く含有していた.またライ麦粉,オートミール,粟などの雑穀や大麦,たけのこには,米,小麦粉及びそれらの加工品より多く含まれていた.さらに食品中の総食物繊維含量や不溶性の食物繊維含量が増加すると,フェルラ酸含量も増加する傾向が認められた.これはフェルラ酸が各部位の細胞壁において,細胞壁マトリックス多糖であるアラビノキシランとエステル結合していることによると推定された.
著者
太田 剛雄
出版者
Japanese Association for Dietary Fiber Research
雑誌
日本食物繊維研究会誌 (ISSN:13431994)
巻号頁・発行日
vol.5, no.2, pp.1-10, 2000-12-30 (Released:2010-06-28)
参考文献数
63
被引用文献数
1

Ferulic acid is a phenolic acid, ubiquitous in the plant kingdom, which can be absorbed by the small intestine and excreted through the urine. Ferulic acid is extensively reported to have preventive effects against several diseases. It can increase the ratio of HDL to VLDL+LDL cholesterol, and bioavailability of vitamin E and decrease total cholesterol in rats. It also increases vitality of sperm and is a potential medicine for male infertility. Ferulic acid shows strong antioxidant, free radical-scavenging and anti-inflammatory activity, it increases the resistance of LDL to peroxidation, protects LDL cholesterol from oxidation and prevents the oxidative modification of LDL; it is a good topical protective agent against UV radiation-induced skin damage. The most remarkable function of ferulic acid is its anti-tumor and anti-cancer effect. Several reports have suggested that ferulic acid is chemopreventive on oral cancer and that proved that ferulic acid is a potential chemopreventive component for colon cancer.
著者
伊藤 清 太田 剛雄 原 昌道
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.82, no.4, pp.289-293, 1987-04-15 (Released:2011-11-04)
参考文献数
11
被引用文献数
1 1

清酒もろみ中の香気成分の米粒への吸着について検討を行った。1.みかけの吸着定数を求めたところ, カプロン酸エチルは酢酸イソアミルの約10倍, カプリル酸エチルはそのさらに10倍吸着し易いことがわかった。2. 脂肪酸のエチルエステルは主に米澱粉中のアミコースによる包接作用で米粒に保持され, その他に香気成分全般について米蛋白質への吸着が関与していることがわかった。3.もろみ中でも, 香気成分は米粒に吸着し酒かすへ移行したが, ろ液仕込を行うことにより清酒への移行率を高めることができた。
著者
太田 剛雄 高下 秀春 轟木 康市 岩野 君夫 大場 俊輝
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.87, no.12, pp.922-926, 1992-12-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
19
被引用文献数
12 11

1. 清酒中の抗酸化活性を調べたところ, 清酒中には原料米中よりも強い抗酸化活性が存在した。2. 清酒中の抗酸化活性はAmberlite XAD-2に吸着され, 50%メタノールにより溶出した。3. 50%メタノールによって溶出される活性区分は分子量の異なるA, B, C, Dの4つのフラクションからなり, C, Dフラクションの主成分はそれぞれフェルラ酸およびチロゾールであった。4.分子量の大きいAフラクションは0.5N NaOHまたはジアスターゼ原末による加水分解でフェルラ酸を遊離し, フェルラ酸の配糖体エステルと推察された。本研究の一部は日本酒造組合中央会との共同研究として実施した。