著者
安永 卓生
出版者
日本結晶学会
雑誌
日本結晶学会誌 (ISSN:03694585)
巻号頁・発行日
vol.61, no.1, pp.43-50, 2019-02-28 (Released:2019-03-02)
参考文献数
57

The electron cryo-microscopy is one of the most powerful techniques to elucidate biological molecular structure under nearly physiological condition. By single particle analysis, many three-dimensional structures of proteins and their complexes have been resolved at atomic resolutions. Furthermore, in situ molecular behaviours in cells and tissues have also been reported at nano-meter or sub-nanometer resolutions by electron tomography. I would here review current situations of electron cryo-microscopy and the principles of their analysis and so show its possibility.
著者
馬水 信弥 田中 康太郎 安永 卓生
出版者
公益社団法人 日本顕微鏡学会
雑誌
顕微鏡 (ISSN:13490958)
巻号頁・発行日
vol.55, no.3, pp.104-108, 2020-12-30 (Released:2021-01-13)
参考文献数
17

クライオ電子顕微鏡による単粒子解析では,試料中に含まれる複数のタンパク質構造を分類しながら解くことが出来る.ただし分類された構造間のダイナミクスの情報は類推するしかない.この問題について2020年に発表された三次元再構成およびクラス分類を行うための深層学習アプローチであるcryoDRGNは,離散的なデータ分割による構造分類を脱却し,連続的な構造分類を実現した.そこでは,オートエンコーダーをベースとし,入力粒子画像から投影パラメーターに依存する情報を分離して潜在空間を構築している.本稿では従来の構造分類と,cryoDRGNおよびその背景となる深層学習のトピックについて解説を行ったのち,構造分類のベンチマークとして6種類の複合体を有するGroEL/ESの実データについて三次元再構成とその分類を試みた.