著者
安永 明智 柴田 愛 クサリ ジャヴァッド 岡 浩一朗
出版者
公益財団法人 パブリックヘルスリサーチセンター
雑誌
ストレス科学研究 (ISSN:13419986)
巻号頁・発行日
vol.36, pp.21-27, 2021 (Released:2022-05-14)
参考文献数
47

This study reviewed previous studies and discussed the relationship between sedentary behaviour and mental health in older adults. We also discussed the impact of the COVID-19 pandemic on sedentary behaviour and mental health in older people. The findings suggest that longer sedentary time may have a negative impact on mental health. Especially, previous studies consistently reported that mentally-passive sedentary behaviour, such as television viewing, is associated with poorer mental health in older adults. The COVID-19 pandemic has affected people of all ages, including the older population, by decreasing their physical activity and increasing their sedentary time. These changes in activity have led to deterioration in mental health. Therefore, it is essential to send public health messages to people encouraging them to reduce sedentary time in their daily lives and be physically active to maintain and improve their health, including their mental health, even in the COVID-19 pandemic. It is crucial to reduce mentally-passive sedentary behaviour, such as television viewing, to maintain mental health in older people.
著者
安永 明智 野口 京子
雑誌
ファッションビジネス学会論文誌 (ISSN:13489909)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.129-137, 2012-03-31

本研究は、日本人男女1242名を対象に、ファッションへの関心及び着装、購買行動の性別、年代、主観的な経済状況、性格による差を検討することを目的とした。平成22年7月に、ファッション意識と生活満足度に関するインターネット調査を実施した。回収サンプルは、男性618名(平均48.8±14.4歳)、女性624名(平均47.6±14.2歳)であった。調査内容は、基本的属性(満年齢、性別、主観的な経済状況、性格)、服装への関心(自分及び他人のファッションへの関心)、外出着の着装基準(個人的嗜好、流行、社会的規範、機能性)、1ヶ月の衣服の購入金額について尋ねた。分析の結果、(1)女性は、男性と比較して、自分や他人のファッションへの関心が高く、外出着の着装基準において、個人的嗜好、流行、社会的規範、機能性を重視し、1ヶ月の衣服の購入金額が多い、(2)男女ともに、20歳代の若者世代が中高齢世代と比較して、ファッションへの関心が高く、外出着の着装基準として個人的嗜好や流行を重視する、女性では、中高齢世代が若者世代よりも機能性を重視する、(3)男女ともに、主観的な経済状況を良いと評価した者、外交的な性格の者は、そうでない者と比較して、自分のファッションへの関心が高く、外出着の着装基準として、個人的嗜好や流行、社会的規範を重視し、1ヶ月の衣服の購入金額が多いことが示された。
著者
安永 明智 谷口 幸一 徳永 幹雄
出版者
一般社団法人 日本体育・スポーツ・健康学会
雑誌
体育学研究 (ISSN:04846710)
巻号頁・発行日
vol.47, no.2, pp.173-183, 2002-03-10 (Released:2017-09-27)
被引用文献数
9 6

本研究では,地域の高齢者209名を対象に,QOLの重要な構成要素である主観的幸福感に運動習慣が及ぼす影響について,心理社会的変数を加えて,その関係性を明らかにしていくことが目的であった.以下のような結果が得られた.1)運動習慣は,特に後期高齢者において,社会的自立因子,健康度自己評価,家族サポート,主観的幸福感で有意に肯定的な影響を及ぼすこと.2)運動習慣はADLを維持すること,そしてADLを維持していくことは,健康度自己評価やソーシャルサポートを高め,そのことが主観的幸福感に影響すること.3)これらの結果から,運動習慣が主観的幸福感に及ぼす影響は,ADLやソーシャルサポート,健康度自己評価を通した間接的な影響であることが推察された.なお,本研究は,地方小都市である一地域を対象に実施したものである.したがって,地域的なバイアスが諸変数に及ぼす影響も考えられる.今後,都市部などを含んだ様々な地域を対象に同様な調査を繰り返し,共通性を明らかにしていく必要があるであろう.また,横断的な分析であるために,因果関係までは言及することができなかった.今後は,縦断的な調査方法を用いて,因果関係を明らかにしていくことを課題としたい.
著者
柴田 愛 石井 香織 安永 明智 宮脇 梨奈 小﨑 恵生 クサリ・ ジャヴァッド 岡 浩一朗
出版者
日本運動疫学会
雑誌
運動疫学研究 (ISSN:13475827)
巻号頁・発行日
pp.2202, (Released:2023-03-31)

目的:本研究は,世界各国で策定された座位行動指針について概観し,その内容や特徴,策定背景を整理し,日本の成人(高齢者を含む)および子ども・青少年を対象にした座位行動指針策定に向けた基礎資料を得ることを目的とした。 方法:概観した座位行動指針は,身体活動・座位行動研究が格段に進展しており,十分な研究成果に基づいて指針が策定されているオーストラリア,アメリカ,イギリス,カナダ,WHOの5つの国・機関とした。 結果:成人に対する座位行動指針として,「長時間にわたる座位行動をできるだけ少なくすること」や「できるだけ頻繁に座位行動を中断すること」といった内容が,文章表現はわずかに異なるものの,すべての国・機関において共通して言及されていた。一方,子ども・青少年のための座位行動指針では,「余暇におけるスクリーンタイムを2時間までにすること」や「長時間の座りっぱなしを中断すること」に注目した内容が示されていた。 結論:日本の成人および子ども・青少年に対する座位行動指針を策定する際には,座位行動が種々の健康アウトカムに及ぼす影響について,諸外国および日本における研究の動向を整理し,それらの成果を踏まえた上で,日本の成人に対する座位行動指針策定の際に閾値の設定を行うかどうか十分に議論することが重要である。
著者
安永 明智
出版者
一般社団法人 日本繊維製品消費科学会
雑誌
繊維製品消費科学 (ISSN:00372072)
巻号頁・発行日
vol.59, no.4, pp.297-303, 2018-04-25 (Released:2018-04-25)
参考文献数
15

本研究の目的は,20 歳から79 歳までの10,800 人の大規模サンプルを用いて,外出着の着装基準を類型化し,その性,年代別の特徴を検討することであった.クラスター分析の結果,外出着の着装基準は「全基準重視型」「機能・規範重視型」「個人的嗜好・流行重視型」「無頓着型」の4 つに分類された.χ2 検定の結果,対象者の4 つの着装基準の分類と性,年代の間に統計学的に有意な関係が認められた.着装基準の性別の特徴を見ると,男性では「機能・規範重視型」,女性では「全基準重視型」が最も高い割合を示した.また年代別の特徴では,男性においては,20 代は「全基準重視型」,30 代は「個人的嗜好・流行重視型」,40~70 代は「機能・規範重視型」の割合が,女性においては,全ての年代で「全基準重視型」の割合が,それぞれ最も高かった.
著者
柳澤 唯 安永 明智 青栁 宏 野口 京子
出版者
文化学園大学
雑誌
文化学園大学紀要. 人文・社会科学研究 (ISSN:09197796)
巻号頁・発行日
no.22, pp.27-34, 2014-01-31

本研究では,青年期から高齢期までの女性を対象に,インターネットによる質問紙調査法を用いて,女性の化粧行動の目的(気持ちの切り替え,リラクセーション,身だしなみ,同性への意識・同調,異性への意識・魅力向上)と公的及び私的自意識の関連について検討することを目的とした。また,化粧行動の目的や自意識と個人の基本的属性(年齢,職業の有無,婚姻状況,1 ヶ月間に自由に使える金額)の関連についても検討を行った。本研究の結果から,以下のことが明らかとなった。①年齢が若いほど,同性や他者を意識して化粧を行う傾向が強く,逆に年齢が上がるにつれリラクセーションを目的に化粧をする傾向にある,②未婚女性は,異性への意識や魅力向上を目的として化粧を行う傾向が強い,③化粧をする目的には,公的自意識が関連する。特に,身だしなみ,同性への意識・同調,異性への意識・魅力向上などの他者から見られる自分を意識することに関連する目的に対して公的自意識は強い関連を示す,④私的自意識は,気持ちの切り替えなど自分の内面に関連する目的と強く関連する。本研究の結果は,化粧を行う目的は,年齢,婚姻状況などの基本的属性や自意識から影響を受けることが示唆された。
著者
柳澤 唯 安永 明智 青栁 宏 野口 京子
出版者
文化学園大学
雑誌
文化学園大学紀要. 人文・社会科学研究 (ISSN:09197796)
巻号頁・発行日
vol.22, pp.27-34, 2014-01-31

本研究では,青年期から高齢期までの女性を対象に,インターネットによる質問紙調査法を用いて,女性の化粧行動の目的(気持ちの切り替え,リラクセーション,身だしなみ,同性への意識・同調,異性への意識・魅力向上)と公的及び私的自意識の関連について検討することを目的とした。また,化粧行動の目的や自意識と個人の基本的属性(年齢,職業の有無,婚姻状況,1 ヶ月間に自由に使える金額)の関連についても検討を行った。本研究の結果から,以下のことが明らかとなった。①年齢が若いほど,同性や他者を意識して化粧を行う傾向が強く,逆に年齢が上がるにつれリラクセーションを目的に化粧をする傾向にある,②未婚女性は,異性への意識や魅力向上を目的として化粧を行う傾向が強い,③化粧をする目的には,公的自意識が関連する。特に,身だしなみ,同性への意識・同調,異性への意識・魅力向上などの他者から見られる自分を意識することに関連する目的に対して公的自意識は強い関連を示す,④私的自意識は,気持ちの切り替えなど自分の内面に関連する目的と強く関連する。本研究の結果は,化粧を行う目的は,年齢,婚姻状況などの基本的属性や自意識から影響を受けることが示唆された。
著者
安永 明智 谷口 幸一 徳永 幹雄
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
体育学研究 (ISSN:04846710)
巻号頁・発行日
vol.47, no.2, pp.173-183, 2002
被引用文献数
6 6

本研究では,地域の高齢者209名を対象に,QOLの重要な構成要素である主観的幸福感に運動習慣が及ぼす影響について,心理社会的変数を加えて,その関係性を明らかにしていくことが目的であった.以下のような結果が得られた.1)運動習慣は,特に後期高齢者において,社会的自立因子,健康度自己評価,家族サポート,主観的幸福感で有意に肯定的な影響を及ぼすこと.2)運動習慣はADLを維持すること,そしてADLを維持していくことは,健康度自己評価やソーシャルサポートを高め,そのことが主観的幸福感に影響すること.3)これらの結果から,運動習慣が主観的幸福感に及ぼす影響は,ADLやソーシャルサポート,健康度自己評価を通した間接的な影響であることが推察された.なお,本研究は,地方小都市である一地域を対象に実施したものである.したがって,地域的なバイアスが諸変数に及ぼす影響も考えられる.今後,都市部などを含んだ様々な地域を対象に同様な調査を繰り返し,共通性を明らかにしていく必要があるであろう.また,横断的な分析であるために,因果関係までは言及することができなかった.今後は,縦断的な調査方法を用いて,因果関係を明らかにしていくことを課題としたい.
著者
安永 明智 谷口 幸一 野口 京子
出版者
文化学園大学
雑誌
文化女子大学紀要. 人文・社会科学研究 (ISSN:09197796)
巻号頁・発行日
vol.19, pp.63-72, 2011-01

本研究は,全国の70歳以上の高齢者を対象に,郵送法による質問紙調査法を用いて,服装や流行への関心と外出着の着装基準,外出の頻度,ボランティアや町内会活動への参加,QOLとの関係を横断的に検討することを目的とした。2010年1月に全国の70歳以上の高齢者850名に調査票を郵送し,568名(男性274名;平均年齢76.0±44歳,女性294名;平均年齢75.8±4.7歳)から回答が得られた(有効回答率66.8%)。調査は,自分や他人の服装への関心,流行への関心,外出着の着装基準,外出の頻度ボランティアや町内会活動への参加,生きがい,抑うつ,活動能力について質問した。分析の結果から,(1)高齢女性は,高齢男性と比較して,自分及び他人の服装への関心や流行への関心が高く,外出着の着装基準においても,個人的服装嗜好,流行,機能性,社会的服装規範を重視すること,(2)服装や流行への関心が高い高齢者は,低い高齢者と比較して,外出着の着装基準において,個人的服装嗜好や流行,機能性,社会的規範を重視すること,(3)服装や流行への関心が高い高齢者は,低い高齢者と比較して,町内活動やボランティア活動に積極的に参加していること,そして活動能力や生きがい感も高く,メンタルヘルスも良いこと,などが明らかにされた。本研究の結果は,高齢期において,装いに関心を持つことが,生活の質(Quality of Life;QOL)の維持・増進に貢献しうる可能性があることを示唆する。