著者
山田 実 平田 総一郎 小野 玲 安藤 啓司
出版者
公益社団法人日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.33, no.1, pp.14-21, 2006-02-20 (Released:2018-08-25)
参考文献数
23
被引用文献数
10

変形性股関節症(hip OA)は歩容異常を呈する代表的な整形外科的疾患である。今回,自由歩行中の体幹加速度信号に波形解析(パワースペクトラム解析,root mean square,自己相関分析,相互相関分析)を加え歩容指標(歩容の滑らかさ,動揺性,対称性や規則性,正常波形との類似性)を作成し,hip OA患者における歩容異常の客観的評価の可能性を検討した。対象は女性片側Hip OA患者55名とコントロール群の女性健常者31名とした。歩容指標の値をhip OA群とコントロール群の間で比較した。さらに,これらの歩容指標と臨床指標(hip score,walking score,limp score,X線重症度,最大歩行速度)との関係をSpearmanの相関係数により求め,歩容指標の基準関連妥当性を検討した。Hip OA群では歩容の滑らかさ,対称性,平均化正常波形との類似性は健常群より有意に低下しており,逆に動揺性は有意に大きかった。また4つの歩容指標は多くの臨床指標と中等度の相関関係があった。歩行時の体幹加速度信号にパワースペクトラム解析,root mean square,自己相関分析,相互相関分析を加えることで作成した歩容指標は,基準関連妥当性を有し,変形性股関節症患者における歩容異常の客観的評価に有用であることが示唆された。
著者
安藤 啓太 青村 茂 渡邉 誉幸 中楯 浩康
出版者
公益社団法人 精密工学会
雑誌
精密工学会学術講演会講演論文集 2013年度精密工学会春季大会
巻号頁・発行日
pp.277-278, 2013-02-27 (Released:2013-08-27)

本研究ではヴァイオリン演奏を指標に人間の高度な身体制御の解析を行い、ヴァイオリン演奏ロボットで再現することを目的としている.弓圧と弓速の推移を入力すると弦の振動をシミュレートする擦弦振動シミュレータによって弓圧と弓速のコントロールの仕方を導き出すことを目標とし,このシミュレータを用いて弦の弾き初めの際に速やかにヘルムホルツ振動に至ることができる弓速と弓圧の値を求める.
著者
安藤 啓司
出版者
公益社団法人 計測自動制御学会
雑誌
計測と制御 (ISSN:04534662)
巻号頁・発行日
vol.60, no.2, pp.131-135, 2021-02-10 (Released:2021-02-16)
参考文献数
39
著者
安藤 啓太 青村 茂 中楯 浩康 許 翔宇
出版者
公益社団法人 精密工学会
雑誌
精密工学会学術講演会講演論文集 2015年度精密工学会春季大会
巻号頁・発行日
pp.909-910, 2015-03-01 (Released:2015-09-01)

本研究ではヴァイオリン演奏ロボットによる演奏再現を目的としている.演奏動作において音質に最も影響を与える動作は運弓動作である.その力学的パラメータとして,弓速と弓圧が挙げられ,これらのパラメータを的確に制御する必要がある.本研究室のロボットは弓圧制御を空気圧シリンダで行っており,本発表では空気圧シリンダによる弓圧制御の確立に関して述べる.
著者
柴原 弘明 安藤 啓 西村 大作
出版者
日本緩和医療学会
雑誌
Palliative Care Research (ISSN:18805302)
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, pp.507-510, 2013 (Released:2013-05-02)
参考文献数
22

【緒言】従来の一般的な内服や外用薬に対して治療抵抗性の皮膚掻痒感をもつがん患者では, 症状緩和に難渋する. 【症例】72歳, 女性. 肺がん膵転移に伴うがん性疼痛に対してオキシコドン徐放剤を投与し, また閉塞性黄疸に対して内視鏡的胆道ドレナージを行った. 皮膚掻痒感がみられたため, 外用薬・内服(ミルタザピンと漢方)の投与を行ったが改善しなかった. 難治性皮膚掻痒感と診断しプレガバリンを投与した. 低用量で開始後増量し, 投与3日目に改善効果がみられた. 最終的には皮膚掻痒感のNumerical Rating Scaleは投与前8/10から投与後0~1/10となり, 症状緩和が得られた. 【考察】プレガバリンが皮膚掻痒に有効であるという海外の先行研究がみられている. 自験例でも, プレガバリンにより難治性皮膚掻痒感の症状緩和を得ることができた. 【結論】プレガバリンは, 難治性皮膚掻痒感に対する有効な治療の選択肢の1つと考えられる.
著者
三木 明徳 安藤 啓司 荒川 高光
出版者
神戸大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

筋損傷に対する予防や治療は、スポーツやリハビリテーションの臨床の現場において、理学療法士の重要な任務である。筋損傷急性期には寒冷療法が行われているが、筋再生の面から見ると好ましくない結果が出ている。科学的根拠に基づいた筋損傷に対する治療を確立するため、筋損傷に対する温度刺激の影響を形態学的、組織化学的、生化学的に観察した。温熱刺激を試みたところ、筋の再生は促進し、MyoDやmyogeninといった筋再生の重要因子の発現も早期化、促進できた。筋損傷後急性期の温熱刺激は禁忌とされているが、筋再生の面から見て検討を要すると考えられた。
著者
坂元 眞由美 松本 大輔 川又 敏男 山崎 郁子 中村 美優 安藤 啓司 傳 秋光 川又 敏男 安藤 啓司 山崎 郁子 傳 秋光 中村 美優
出版者
神戸大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

本研究は重度認知症高齢者の自律神経に音楽がどのような影響をもたらすのかを明らかにすることにある。方法はCDRにて分類した重度認知症高齢者に対し、好きな音楽を用いた介入を個別に週1回、能動的参加群と受動的参加群、コントロール群に分けて行なった。評価方法は加速度脈派測定システム・フェーススケールを使用した。その結果、好きな音楽の受動的聴取または能動的歌唱の両者共に精神安定効果があることを確認した。