著者
宮崎 康 田中 正巳 岡村 ゆか里 川越 千恵美
出版者
一般社団法人 日本糖尿病学会
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.46, no.9, pp.757-761, 2003-09-30 (Released:2011-03-02)
参考文献数
39
被引用文献数
6

症例は85歳, 女性.2002年6月より口渇・嘔吐が出現, 7月に466mg/dlの高血糖が判明し入院となった.病歴と検査所見から1型糖尿病の急性発症と診断した.検索し得た限り, 本例の1型糖尿病発症年齢 (85歳) は本邦で3番目の高齢である.1997年以降の糖尿病学会誌収載地方会報告等から検索し得た後期高齢 (75歳以上) 発症1型糖尿病22例の検討から次の点が判明した.(1) 圧倒的に女性が多い.(2) 発症様式から急性発症型と緩徐発症型に分かれる.(3) 急性発症型の最高齢は88歳で本例は2番目の高齢である.緩徐発症型の最高齢は92歳である.(4) 抗GAD抗体は急性発症型では陰性ないし低抗体価, 緩徐発症型では高抗体価で, 他の自己免疫疾患併発例が多い.(5) 1型糖尿病発症と関連するとされるHLAのA24, DR4, DR9は両群に認められた.本例には, 最近小児発症1型糖尿病との関係が報告されたDPB1*0201遺伝子が認められたが, 高齢発症との関連は今後の検討課題である.
著者
山崎 政彦 荒木 友太 有田 公輔 宮崎 康行 松原 一雄 中村 義隆
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SAT, 衛星通信 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.497, pp.23-28, 2008-02-21
参考文献数
3

日本大学では,2001年より超小型人工衛星開発に着手し,2004年10cm立方,1kgのSEEDSを完成させた.SEEDSは2006年7月に打ち上げられたが,ロケットのエンジントラブルによって打ち上げは失敗に終わった.2007年6月,再び打ち上げを目指し,開発を完了したSEEDSは,今年度中のインドでの打ち上げを目指している.2005年11月,日本大学2機目となる超小型人工衛星SPROUTの開発をスタートさせた.SPROUTは2009年度の打ち上げを目指し現在開発中である.本報告では,SEEDSの概要と現在の状況および,SPROUTの概要,開発状況と今後の計画を報告する.
著者
川島 レイ 趙 孟佑 宮崎 康行 佐原 宏典 安藤 恵美子
出版者
一般社団法人日本航空宇宙学会
雑誌
日本航空宇宙学会誌 = Aeronautical and space sciences Japan (ISSN:00214663)
巻号頁・発行日
vol.62, no.10, pp.331-336, 2014-10

大学宇宙工学コンソーシアム(University Space Engineering Consortium:UNISEC)は10年余にわたる国内高専・大学への実践的宇宙開発の支援を経て,宇宙ハンズオントレーニングの有用性・有効性を確信し,活動を宇宙開発新興国を含む他地域に広げるべく,2011年に国際委員会を組織した.国際向けの活動としては,超小型衛星のミッションアイディア国際コンテスト開催,海外の新興国への衛星開発教育の実践,超小型衛星シンポジウムの事務局運営などがある.UNISECでは,2020年までに100以上の国で大学生が実践的宇宙開発に参加できるような世界を作ろうという「VISION 2020-100」を発表し,世界各地にUNISECのような大学連携組織を作り,それらの組織を横断的につなぐUNISEC-Globalを設立しようという提案を国連の会議等で行い,2013年11月には,第1回UNISEC世界大会(The 1st UNISEC-Global Meeting)を実施し,UNISEC-Globalの設立が宣言された.本稿では,UNISEC国際展開の経緯と成果およびその将来展望,課題について考察する.
著者
田中 三郎 宮崎 康次 塚本 寛
出版者
社団法人 日本伝熱学会
雑誌
日本伝熱シンポジウム講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2009, pp.224-224, 2009

p型ビスマステルライドをビーズミルを用いてナノ粒子を作製,有機溶剤に分散させ,ペースト状のナノ粒子をアルミナ基板に塗布,薄膜の作製を行った.ナノ多孔体薄膜の熱伝導率を3オメガ法により-170℃から室温の範囲で測定した.薄膜の熱伝導率はバルクよりも大幅に小さく,低温になるにつれ熱伝導率は増加せず,バルクと異なる温度依存性を示した.これらの結果から,ナノ粒子で作製したナノ多孔体の熱伝導に及ぼす影響を考察した.
著者
牧野 俊郎 花村 克悟 山田 純 宮崎 康次 松本 充弘 若林 英信
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2008

本研究は,スペクトル機能性ふく射の制御技術開発をめざす熱工学の研究の展開を図るものである.そのような技術は,とりわけ,熱光起電力発電(TPV)システムの開発において重要であり,また,わかりやすい.電磁波動論・分光学・固体物性論・伝熱工学を基礎として分光熱工学の実験・理論研究を行い,熱工学のシステム的な視野をもって,エネルギー工学と生活環境工学のために有効なハードシステムの実現をめざす
著者
宮崎 康行
出版者
日本大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

本研究では,薄膜やケーブルなどのゴサマー構造と,それを支持する宇宙機本体等から成るゴサマー多体構造物の変形と運動について,その特徴を理論・数値シミュレーション・地上実験により明らかにした.そして,その理論・数値解析手法をJAXAの小型実証機IKAROSの設計・開発へ適用し,IKAROSの軌道上データとの比較により,その妥当性を宇宙実証した.最後に,ゴサマー構造物の実用化に向けた新しい解析手法を提案した.