- 著者
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小松 理佐子
- 出版者
- 日本福祉大学社会福祉学部
- 雑誌
- 日本福祉大学社会福祉論集 = Journal social Welfare, Nihon Fukushi University (ISSN:1345174X)
- 巻号頁・発行日
- vol.134, pp.31-47, 2016-03-31
高齢者の増加に伴う社会保障費の増加を背景にして,地域包括ケアシステムの構築は,重要な政策課題となっている.活用できる資源に乏しい過疎地域では,従来からのサービスの不足 2)に加えて,人口減少による地域力の弱化という課題を抱え,システムの形成を困難にしている.以上の関心から,過疎地域における地域包括ケアシステムの形成方法を考察した. Ⅰでは,先行研究をもとに地域包括ケアシステムの構築における過疎地域の固有の課題を検討した.Ⅱでは,相互支援に限界が生じている二地区の事例をもとに,システム形成に必要な要件を検討し,中間支援機能が必要であることを明らかにした.Ⅲでは中間支援機能の内容を考察するために,独自のサービスを創出した地域の事例を分析した.それを踏まえてⅣでは,過疎地域で地域包括ケアシステムを形成するためには,地域の状況の変化を的確に見極め,外からの支援者による支援が円滑に行うことができるようにするためのスーパービジョンの機能を担う機関が必要であることを指摘した.