著者
坂東 昌子 和田 隆宏 真鍋 勇一郎 角山 雄一 中尾 麻伊香 尾上 洋介
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2016-04-01

社会調査G:アンケート項目を作成し、491人の放射線の研究者(10の学会、6のML)にアンケートを実施し、結果の分析を行った。その結果、交流人数が多い人は放射能汚染のリスクを低く評価していることが認められた。交絡因子によるものかどうかを精査することによって、これらの関係がより明確になるが、これはH30年度実施予定の項目を改善し、大規模で実施するアンケートで確かめていきたい。また、異分野交流の人数が多い人は放射線に関する知識量も多い傾向がみられた。参与観察G:環境科学研究所、ノースウエスタン大学に赴き、研究所(室)の概要についてのインタビューを実施した。また分野を横断する試みを行っている研究会(iCEM リトリート研究会等)に参加し、分野横断の試みについて調査した。歴史研究G:分野横断研究を行った研究者(和田昭允・永宮正治・安斎育郎))のインタビュー調査を行い、文章化し、推敲を行い、発表できる目処が立った。
著者
平田 恭洋 尾上 洋 藤岡 要彰 西尾 洋紀 孫 尚孝 益山 光一 北垣 邦彦
出版者
一般社団法人 レギュラトリーサイエンス学会
雑誌
レギュラトリーサイエンス学会誌 (ISSN:21857113)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.3-15, 2022 (Released:2022-01-31)
参考文献数
15

薬局薬剤師は,病院薬剤師をはじめとした医療従事者と連携することにより,切れ目のない医療を地域全体で支える地域包括ケアシステムにおいて重要な役割を担っている.入退院時における患者の服薬状況などの情報共有は,連携の重要な一つであり,医療従事者の業務負担軽減や医療の質向上につながる可能性がある.本研究は,薬局薬剤師が入院前の患者の服薬状況などの情報を提供することが,病院薬剤師の負担軽減や円滑な業務遂行につながるかを検討することを目的とした.病院薬剤師を対象として入院患者の持参薬管理の現状と薬局薬剤師からの情報提供の有用性などについて質問紙調査し,その結果をCS分析に付した.薬局薬剤師による情報提供は病院薬剤師業務に対する有用性が高いことが示唆された.しかし,薬局薬剤師が提供する文書を使用する病院薬剤師は20%にとどまり,お薬手帳に比べて信頼性が低かった.その課題解決には,患者の服薬情報を一元的・継続的に把握する「かかりつけ薬剤師・薬局」を一層推進していくことと,その情報が薬局薬剤師・病院薬剤師間でスムーズに共有される連携体制の構築が求められる.
著者
今井 晨介 尾上 洋介 宮野 公樹 日置 尋久 小山田 耕二
出版者
社団法人 可視化情報学会
雑誌
可視化情報学会論文集
巻号頁・発行日
vol.37, no.8, pp.40-47, 2017
被引用文献数
1

<p> 現代社会は複雑化が進み,様々な分野で解決困難な社会課題に直面している.学術界はこれらの課題解決を担ってきたが,学術分野の細分化が増すにつれて,単一の学術分野でこれらの社会的課題を解決することが困難になってきている.この様な状況下で,学際研究は重要な位置付けとなる.学際研究では,異なる分野の研究者が互いの研究の価値観,文化を理解することが重要となる.本研究の目的は,異なる研究分野間での研究者の相互理解を促進させることである.本研究では,研究者を対象に行われたアンケート結果を分析した.アンケートでは研究者の研究に対する価値観,行動様式を調査している.我々は,このアンケート結果から研究コミュニティを検出し,コミュニティの文化的特徴を抽出した.この分析結果を,学術分野の文化を表現するレーダーチャートとネットワークによって可視化した.これらの可視化結果によって学術分野間の文化的差異をより簡単に比較可能になり,異なる分野の研究者の相互理解の助けとなると考えられる.</p>
著者
尾上 洋介 馬場 一貴 小山田 耕二
出版者
社団法人 可視化情報学会
雑誌
可視化情報学会誌 (ISSN:09164731)
巻号頁・発行日
vol.38, no.151, pp.23-27, 2018 (Released:2019-10-01)
参考文献数
19

近年,査読付き論文誌への科学論文の投稿件数が増加したことで,研究者の論文査読の負担が増大している.査読負担の増大は,論文掲載の遅れや査読の質の低下を招いており,これまで科学を支えてきた査読制度の崩壊も危惧されている.そのため,研究者の査読負担を軽減するための査読支援技術の開発は急務である.本研究では,人工知能技術を用いた査読支援について検討する。論文の採否を分ける要因として論文の文章構造に着目し,科学論文の文章構造を数値的に処理するために,Doc2Vecを用いた文章ベクトルを算出した.国際論文誌Journal of Visualizationに投稿された不再録も含めた591件の論文アブストラクトを対象に,再録・不再録論文の文章構造の差異を調査した.さらに,文章構造に基づいて論文の採否判定の分類モデルを作成し,論文のアブストラクトのみでも75%の精度で採否判定ができることが確認された.
著者
尾上 洋一 村上 巧啓 高柳 幹 岩谷 雅子 萱原 昌子 足立 陽子 松野 正知 足立 雄一
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー (ISSN:00214884)
巻号頁・発行日
vol.44, no.10, pp.1207-1215, 1995
被引用文献数
6

6〜16歳の気管支喘息児51名において4種のゴキブリ特異IgE抗体をRASTおよびCAP-RASTにて測定した. ゴキブリ特異IgE抗体陽性率はRASTでクロゴキブリ17.6%, チャバネゴキブリ29.4%, ワモンゴキブリ19.6%, ヤマトゴキブリ15.7%であり, CAP-RASTではクロゴキブリ, チヤバネゴキプリとも15.7%であった. また, この4種のゴキブリRASTを陰性と陽性に分けて検討すると相関関係が認められた. クロゴキブリおよびチャバネゴキプリ虫体と糞のRASTは相関関係を認め, 2名のゴキブリ陽性患児血清を用いた. immunoblot法では虫体と糞に共通の感作抗原分画を認めた. ゴキブリ抗原吸入誘発試験では既時型の気道反応を示し, RAST抑制試験ではゴキブリ抗原によりダニRASTは抑制されなかった. 以上より小児気管支喘息においてゴキブリはダニとは異なる吸入性アレルゲンとして注目すべきと考えらられた.