著者
福永 寛 櫻木 悟 藤原 敬士 藤田 慎平 山田 大介 鈴木 秀行 宮地 剛 川本 健治 山本 和彦 堀崎 孝松 田中屋 真智子 片山 祐介
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.43, no.SUPPL.2, pp.S2_154-S2_158, 2011 (Released:2012-12-05)
参考文献数
3

Kounis症候群とはアレルギー反応に伴い急性冠症候群をきたす症候群であり, 冠攣縮に合併したタイプ1とプラーク破裂に伴う血栓形成に起因するタイプ2に分類される. 今回, われわれはKounis症候群により心肺停止をきたした2症例を経験したので報告する.症例1: 76歳, 男性. 腰部脊中柱管狭窄症の術中にセフォペラゾンを投与したところ, アナフィラキシーショックを発症した. 下壁誘導にてST上昇を認めたため急性冠症候群と診断, 緊急冠動脈造影にて右冠動脈#1に血栓および#4AVに完全閉塞を認めた. 血栓吸引療法のみで再疎通が得られた.症例2: 61歳, 男性. 起床時より四肢・体幹に蕁麻疹を認め, その後, 心肺停止となり, 当院へ搬送された. 心肺蘇生術にて心拍再開したが, その後, 心室頻拍が頻発, 急性冠症候群を疑い緊急冠動脈造影を施行した. 冠動脈に有意狭窄は認めなかったが, 心電図上胸部誘導で一時的にST上昇を認めたため, 左前下行枝の冠攣縮と診断した.
著者
櫻井 三子 山本 和彦
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.49, pp.309-310, 1994-09-20

RFC822で定義されたヘッダと本文以外に構造を持たないメールに代わって,本文に構造を持つ多目的メール(MIME)や,プライバシ強化メール(PEM)が定義されている.MIMEもPEMもRFC822との互換性は重視しているが,互いの利用に関しては十分な考慮がなされないまま,独立に規定されている.様々なデータ形式を扱うMIMEの利用は,今後RFC822に代わり普及するであろう.従って,MIME形式のメールに対してPEMを適用するような場合が増えることが予想されるため,MIMEやPEMのような構造化メールを統合する必要性が高まってくる.また,構造化メールの普及を図るためには,Emacsなどユーザの多いエディタ上で使い易いインターフェイスを提供することが重要である.このような観点から,本稿では, MIMEとPEMを統合する方式や, Emacs上のメールインターフェイスにおける実装について議論する.
著者
中村 聖平 諏訪 啓 森田 晋一 山本 和彦 若山 俊夫 大島 正資 前川 良二 松田 庄司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SANE, 宇宙・航行エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.52, pp.13-18, 2011-05-13
参考文献数
8

既存の電波源が放射する電波を用いて,レーダ機能を実現するパッシブレーダ方式による目標観測では,新たな送信局の設置コストの低減,受信局の秘匿性向上などの特長がある.著者らは,地上デジタル放送波を用いたパッシブレーダ方式による目標の逆合成開口レーダ(inverse Synthetic Aperture Radar : ISAR)画像取得アルゴリズムを開発中である.筆者らのグループでは,同アルゴリズム検証のためのフィールド実験を2010年に実施した.本稿では,取得した実験データから高分解能なパッシブISAR画像を取得するために実施した処理内容について報告する.取得したデータを用いて,パッシブISAR画像を再生した結果,得られたパッシブISAR画像上の目標サイズが,観測した目標はレンジ方向に約35m,クロスレンジ方向に約40mの広がりを持つ目標であることを確認した.実際に観測した目標サイズは,全長39.5m,全幅34.3mであるので,画像上から読み取れる目標サイズと実際の目標サイズと概ね一致する結果を得た.
著者
王 彩華 棚橋 英樹 平湯 秀和 丹羽 義典 山本 和彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.58, pp.77-83, 2001-05-11
参考文献数
13

本研究では, ノイズのあるレンジデータから局所平面を安定的かつ, 効率的に当てはめるために, タイムフライレーザーレンジファインダーで得られたレンジデータのノイズモデルに基づいて, 局所平面の最適当てはめの幾つかの近似的な推定手法を導出する. また, シミュレーションレンジデータとGround Truthの分かる実測レンジデータを用いて, 提案手法に対して, 最小二乗法や固有値法, 最尤推定法など一般的な平面当てはめ手法, 及びノイズモデルに最適な当てはめ手法であるくりこみ法を比較し, これらの手法の性能と安定性を評価し, 提案手法の有効性を示す.
著者
野原 佐知世 加藤 邦人 山本 和彦
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.34, no.34, pp.77-80, 2010-08-30

人は食品の画像を見ただけでも「おいしさ」を感じることができる.しかし,食品画像中には「おいしさ」に影響を与える要因が多く含まれており,人の食に対する感性を定量化することは非常に難しいとされている.この食品画像が持つ多量な要因に対し,提示する画像情報をコントロールすることができれば人の「おいしさ」に対する要因を抽出することが可能であると考えられる.本稿では,画像提示時間を変化させることで画像情報コントロールを行うアンケート方法の提案と,その有効性の検証を行った.
著者
藤村 恒太 横矢 直和 山本 和彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.76, no.2, pp.382-390, 1993-02-25
被引用文献数
25

本論文では,医用画像処理における今後の重要な課題の一つである動画像処理のアプローチとして,医用分野で大半を占める形状およびその動き・変形が滑らかな非剛体物体の動画像を対象とした物体の追跡と動きの解析について述べる.物体の輪郭形状に対するフレーム内とフレーム間での制約をエネルギー関数として定義した動的輪郭モデルを用い,多重スケールでの動的計画法を用いたエネルギー最小化により対象物体の輪郭を抽出・追跡し,その動きを解析する.ここで提案する多重スケールでの動的計画法は,スケールに応じて動的計画法の探索近傍を変化させるもので,粗いスケールでは粗い近傍を,細かいスケールでは細かい近傍を定義し,粗いスケールから細かいスケールへとエネルギーの最小化を行う.これによって物体の大きな動き・変形に対処することができる.本手法を「条件付け学習の神経機構の解明を目的とするナメクジの行動解析」の動画像と超音波心臓動画像に適用し,非剛体物体追跡の有効性を確認した.なお,前者の適用例では,動きの解析として,輪郭に沿った曲率の正の極大点を物体の変形に不変な特徴として抽出し.その移動量を計測した.これによって,物体の大まかな動きの測定が可能となった.
著者
本郷 仁志 石井 洋平 丹羽 義典 山本 和彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.532, pp.1-6, 2002-12-13
被引用文献数
9

顔画像から性別と年齢を統合的に推定する方法を提案する.本稿では,顔画像から抽出した四方向面特徴を線形判別分析で学習した識別器をベースとし,性別・年齢のクラス分類の方法の違いによる推定率を比較する.特徴量としては,肌色情報で抽出した顔外接領域と目と口を囲む顔部品領域とから抽出した特徴量を用いた.HOIP顔画像データベース300名の正面顔画像に対して実験を行ったところ,性別推定では,男女混在分類において92%の識別率を得た.年齢推定においては,男女と性別で分け,年齢を10歳区分で学習することで,学習人物に対しては約70%,未知人物に対しては,約40%が得られた.本提案手法による性別及び年齢の推定が可能である見込みが得られた.
著者
本郷 仁志 安本 護 渡辺 博己 ジャンクリストフ テリヨン 山本 和彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.443, pp.7-12, 2000-11-10
被引用文献数
16

多視点カメラ画像から人物の性別、年齢、顔向きなどの情報をセンシングすることで、その人物の意図を推察し活動を支援する空間(パーセプトルーム)の構築を目的として、幅広い年齢層から男女均等に顔画像を水平24方向・垂直7方向各15度間隔の168方向から収集した300名のデータベースを開発している。本稿では、パーセプトルームのプラットフォームとなる多視点画像収集システムとそれを用いて収集した多方向顔画像データベースについて述べる.本データベースを用いて顔部品抽出した結果について報告する。
著者
安本 護 本郷 仁志 渡辺 博己 山本 和彦 輿水 大和
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-パターン処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.84, no.8, pp.1772-1780, 2001-08-01
被引用文献数
27

本論文では,複数方向の顔画像から抽出した4方向面特徴を用いて,顔向きによらない人物識別と人物によらない顔向き推定を実行する手法について述べる.また,複数のカメラで異なる方向から画像を取得し,各カメラの識別器出力を統合するマルチカメラ協調手法も提案する,人物識別実,験では,1台のカメラで296°の顔向き範囲に対して平均92.9%の認識率が得られた.顔向き推定実験からは,推定誤差の平均が4.5°以下,分散が11.0という結果を得た.また,8台のカメラから得た情報を統合する処理が,人物識別のオクルージョン耐性や顔向き推定の精度向上に効果的であることを示した.
著者
村田 彰 羽飼 直記 本郷 仁志 加藤 邦人 山本 和彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解
巻号頁・発行日
vol.97, no.387, pp.55-60, 1997-11-21
被引用文献数
8

顔の表情や視線方向などを認識し、コンピュータとのインタラクションに応用することを目的とし、顔の向きや傾き、瞬きによる形状の変化や環境変化に強い目、口領域の抽出方法を提案する。本手法では、まず環境に応じて基準肌色色相値を決定し、肌色領域の抽出を行う。抽出された領域内にて、4方向面特徴と色情報によるテンプレートマッチングを行うことにより目、口を抽出する。このとき、テンプレートを自動更新することで形状の変化に対応する。
著者
市川 啓之 櫻木 悟 藤原 敬士 西原 大裕 辻 真弘 横濱 ふみ 谷本 匡史 大塚 寛昭 山本 和彦 川本 健治 田中屋 真智子 片山 祐介
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.50, no.1, pp.60-65, 2018-01-15 (Released:2019-03-28)
参考文献数
11

背景:急性冠症候群(ACS)の急性期には,糖代謝異常を認めることが多い.本研究ではACSの急性期に糖負荷試験を行い,糖代謝異常の経時的変化とその機序について検討した. 方法:対象は,ACSで当院に入院した患者のうち,糖尿病既往がなく,心不全などの合併症のない26名.急性期と亜急性期に75 gOGTTを施行し,インスリン分泌能および抵抗性の経時的変化を調査した. 結果:急性期には糖尿病型の割合が46%と多く存在したが,亜急性期には15%に低下した.急性期から亜急性期にかけて,Insulinogenic indexは有意に上昇した(0.50±0.46 vs 0.91±0.78,p=0.003).一方,HOMA-IRには変化がみられなかった. 結論:ACS患者では糖代謝異常が多く存在し,その原因として,インスリン抵抗性よりもインスリン分泌能の低下が大きく関与していると考えられた.
著者
上原 敏夫 長谷部 由紀子 山本 和彦
出版者
有斐閣
雑誌
別冊jurist (ISSN:13425048)
巻号頁・発行日
vol.56, no.1, pp.2-8,1-217, 2020-01
著者
佐藤 研吾 山本 和彦 加藤 邦人
出版者
社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.33, pp.27-30, 2009
参考文献数
4

人間は気配を認識する能力がある。その中でも視覚による気配の認識は、視野の端の領域である周辺視野にて行われ、その後気配の対象をとらえるために注意を中心視野に移動させる場合がある。周辺視野は解像度が低く、物の詳細を見ることができないが、そのような状態の中から人間はなんらかの情報を知覚している。この知覚した情報を解析できれば、人間の新たな視覚系における認識パターンを見つけることができると考えられる。本研究ではその情報のひとつとして空間認識能力が関係していると考え、マネキンとその等身大のパネルを用いて気配の認識時における空間認識能力について実験により検証した。
著者
川本 健治 片山 祐介 櫻木 悟 西原 大裕 辻 真弘 市川 啓之 横濱 ふみ 谷本 匡史 大塚 寛昭 山本 和彦 田中屋 真智子
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.48, no.2, pp.S2_152-S2_157, 2016

<p></p><p>症例は74歳,女性.前医のホルター心電図にて50%を超える心室期外収縮や非持続性心室頻拍を認めた.心室期外収縮は,下壁誘導でのpeak deflection indexが0.66と0.6を超えており,心外膜側起源が疑われた.さらに心室期外収縮は,単形性で,右脚ブロック型+下行軸,Ⅰ誘導でrS,V5-6でS波を認め,下壁誘導にてノッチは認めなかった.大心静脈(以下,GCV)遠位部にて,局所電位はQRS起始部に30ms先行し,perfect pace mapが得られた.さらに,GCV遠位部近傍の左室心内膜側にてactivation mappingを行い,QRS起始部に12ms先行し,good pace mappingが得られた.GCV遠位部での通電も考慮したが,まず左室心内膜側の最早期興奮部位からの焼灼を行うこととし,焼灼開始25秒で心室期外収縮は消失し,その周囲に追加通電を行い,その後,再発を認めない.</p>