著者
岸 保行 鈴木 信貴
出版者
東京大学大学院経済学研究科
雑誌
経済学論集 (ISSN:00229768)
巻号頁・発行日
vol.80, no.3-4, pp.31-44, 2016-01-01 (Released:2022-02-25)
参考文献数
25

本稿は,現場の存続と深層の競争力,能力構築の関係について,富士ゼロックスマニュファクチュアリング(株)新潟事業所の事例を基に分析した.事例調査では,事業所を訪問し,工場調査と関係者へのヒアリングをおこなうとともに,工場の関連資料の収集をおこなった.本稿の分析結果からは,売却,合併によって,親会社が変わったとしても,現場の能力構築によって培かわれてきた高い深層の競争力や組織能力,さらには蓄積された知識,技術が継承されることで,その後も,扱う製品が変化したとしても高いパフォーマンスを発揮し,生産現場の存続につながるとともに,新会社の他の生産現場に影響を与えることが明らかになった.
著者
岸本 太一 岸 保行
出版者
東京理科大学
雑誌
挑戦的研究(萌芽)
巻号頁・発行日
2019-06-28

近年文化製品の国際展開は、国家戦略となるほどにまで活発化し、その拡大に示唆を与える研究は、社会から強く求められつつある。本研究では、日本におけるワインという成功事例を基に、文化製品の大衆品化メカニズムの解明を試みる。研究領域の細分化と専門化が進展する経営学において、本研究では複合領域的な視角を採用する。具体的には、製品開発論、生産管理論、サプライチェーンマネジメント、マーケティング、国際経営論、社会学(文化論)を活用して分析を行う。一方、最終目的に関しては、特定仮説の実証研究による短編論文が主流の中、「メカニズムの全体像を描く仮説群の提示」自体を目的に掲げ、著書による最終成果物公表を目指す。
著者
岸 保行
出版者
東京大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2009

台湾・香港・中国に進出した日系企業で働く現地人マネジャーたちは、日系ものづくり企業での長期の勤続を経て自らの地位を高めていた。多くの日本人スタッフとの協働体験や思い出を共有することで、日本人スタッフや日本の本社との信頼関係を構築させ、お互いの理解を増幅させていた。このような過程は、まさに日系企業内部における「第二次社会化(secondary socialization) (Berger & Luckmann 1966=1977)」の過程であり、Weick(1995=1999)のいう「センス・メーキング(sensemaking)」の過程そのものであった。