著者
松平 誠
出版者
女子栄養大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1994

本研究は1966年4月7日から1971年3月29日に亘り放映されたNHK番組「ふるさとの歌まつり」が、地域社会の伝統行事に対する関心を広げ、地域伝統文化活性化の導因となるとともに、観光化への道を開いていった過程を分析し、TVによる地域文化の開発原理を探るための実証的調査研究である。「ふるさとの歌まつり」が、地域文化創成に寄与するとともに、以後のTV番組による地域文化の観光化に先鞭をつけたことは、一般に知られている。それは、TVメデアによる地域文化掘り起こしの画期的な実験であると同時に、地域文化が都市化の中で変質していく契機を提供したものであった。本研究は、三年間にわたり同番組に取り上げられたすべての地域を対象として、総合的、多角的に全国的実証的調査を行なうとともに、重点的な地区について、詳細な聞き取り調査を実施し、全国約600の市町村および祝祭行事関係者の協力をえて、TVコミュニケーション時代の祝祭文化の実態を明らかにすることができた。本研究の結果、TVメディアによる地域文化掘り起こしと、都市化のなかでの地域文化が持続に関する基本的な原理を明らかにすることができ、成果は十分挙げられたと確信している。成果の詳細な内容とその具体的なデータは、添付報告論文のなかに記載してあるので、再説しないが、成果を全国の市町村に配布することによって、将来への方向付けの一端をも果たし得たと思う。
著者
松平 誠
出版者
日本生活学会
雑誌
生活学論叢 (ISSN:24332933)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.28-40, 1996-09-30 (Released:2021-03-29)

This is a study on the modern Japanese festival. About 5 years ago, the author published a book named "Sociology of City Festival." In the book, he picked up the famous traditional dance, Awa-Odori which was originally a local dance in Tokushima-prefecture, and he discribed its transfering processes to the very far and large city, Tokyo. And then, he concluded that the Tokyo Awa-odori became one of typical models of modern Japanese city festivals. The author thinks that Awa-Odori has some special key characters comparing with the other Japanese traditional dances. The former is not only for the people who live in closed narrow areas (such as the old traditional city festivals), but also for all of the persons who are interested in with it. It can change themselves into various styles (Dancing styles, Instruments, Merodies, etc.) following the changes of ages. And it can offer dancing plesures for every persons (old and young, men and women, expert and beginner, etc.). So it looks mostly nice with the modern isolated and separated city people. And now, Tokyo Awa-Odori has begun to spread to many cities. It has now totally about 100 fellow groups in varios cities in Eastern Japan. And they are making various styles of networks each other. (Radial connection, mutual network, father-son-grandson relations, satelite style, etc.) The author is not so sure that such a collective action will directly connect to the future or not. But perhaps it may be true that it is reflecting one of modern life and culture in Japan.
著者
華山 宣胤 定平 誠
出版者
尚美学園大学芸術情報学部
雑誌
尚美学園大学芸術情報研究 (ISSN:18825370)
巻号頁・発行日
no.13, pp.17-26, 2008-03

インターネットの高速化とコンピュータの処理能力の向上に伴い、ウェブサイトの動画コンテンツ配信のあり方が注目されている。Webラーニングにおいても、Webとインターネットをプラットホームとする動画コンテンツの有効活用を試行している。しかし、動画配信を中心とするカルチャー教育のWebラーニングについて調査すると、講座には興味を示す人が多いにもかかわらず、実際に利用している受講者は極めて少ないのが現状である。それは、制作者側が単に講座の種類と数を増やすことに腐心し、講座の有効なプロモーション活動を怠っているためである。そこで、本研究では、カルチャー教育を動画配信している「ネット塾」の各種の講座についてのイメージ調査を行い、そのデータ分析から、動画配信講座の有効なプロモーション方法を考究する。今回の研究は、この研究調査の予備調査の結果を中心に報告する。
著者
平 誠
出版者
日本陸水学会
雑誌
陸水学雑誌 (ISSN:00215104)
巻号頁・発行日
vol.56, no.3, pp.233-236, 1995-07-31 (Released:2009-06-12)
参考文献数
16
被引用文献数
1 1

高層湿原の池溏における,セストン量と甲殻類プランクトン群集の種組成の関係を,苗場山頂湿原において調査した。水中のセストン量が約4mg・l-1より少ない池溏ではAcanthodiaptamus pacificus,約4mg・l-1から7mg・l-1までの中程度のセストンを有する池溏ではDiaphanosoma brachyurum,約7mg・l-1より多くのセストンを有する池溏ではDiphnia longispinaがそれぞれ優占した。これらの結果から,腐植物質を主とするセストンの量が、甲殻類プランクトンの種組成を決定する重要な要因の1つである可能性が示唆された。
著者
定平 誠 斎藤 忍 松浦 克樹
出版者
尚美学園大学芸術情報学部
雑誌
尚美学園大学芸術情報研究 (ISSN:18825370)
巻号頁・発行日
no.21, pp.1-16, 2012-03

埼玉県には他県に引けを取らない魅力あるコンテンツ(歴史遺産、文化、工芸、自然など)が数多く点在する。しかし、これらのコンテンツの魅力を十分に情報発信しきれていないため、埼玉県の全国的な認知度は低いという現状がある。そこで、本研究は埼玉県の魅力あるコンテンツの認知度を高めるべく、コンテンツの演出効果の向上をめざした新たなネットワーク連動型のプラットフォームとなるウェブサイトを構築する。このサイト上で紹介されるコンテンツ情報はYouTubeを始め、Twitter、Facebook、Google+などのソーシャルメディアとの連携を図り、バズマーケッティングへと発展させる。そして、これらの結果を踏まえ、埼玉県のコンテンツの発信能力をいかに強化していけるか、埼玉県のブランド創出につなげていけるか、また、地域能力の向上に貢献することができるかについて考究する。
著者
斎藤 忍 石井 満 定平 誠
出版者
日本テレワーク学会
雑誌
日本テレワーク学会研究発表大会予稿集
巻号頁・発行日
no.12, pp.49-53, 2010-06-26

Information provided by website promotion is increasingly becoming composed of movies other than characters and pictures. Developing website promotion taking advantage of movies is beginning to be suggested also as a part of the local revitalization. The purpose of this study is to improve the appeal power of tourist spots by building a tourism promotion website focusing on movies. Especially, I'm going to conduct website promotion focusing on a barbecue garden which is a tourist spot to establish an area brand by the website promotion.
著者
大平 誠也
出版者
尼崎市立中央公民館
雑誌
奨励研究
巻号頁・発行日
2007

本研究では、小学校6年生児童を対象にセルフモニタリング機能を有する体育の宿題(セルフチェック)を実施し、健康増進行動に与える影響を検討することを目的とした。健康増進行動については、体と心の両面から捉え、身体活動量の指標は歩数、精神面は運動有能感を取り上げた。本調査は、平成19年9月〜11月に調査した。歩数は、装着した歩数計で休み時間の行動記録を1日ごと求めた。まず、ベースライン期(1週間)、次に、体育の宿題(セルフチェック)用紙を用いて、1週間ごと4回(4週間)記録し、さらに終了1ケ月後(1週間)再調査した。精神面の変容の測定は、身体的有能感、統制感、受容感の3因子で構成された運動有能感測定尺度(岡澤、1998)で宿題実施前後、終了1ケ月後を実施した。求めたデータの処理は、Excel統計2004for windowsで行った。その結果、全体の平均歩数では、ベースライン期を基準に比較したとき、宿題開始第1週目は減少するが、第2週目は有意な増加に転じた。その後、有意差はないが終了まで安定した増加傾向であった。宿題終了後1ケ月の調査では減少し、ベースライン時への逆戻りを示唆する傾向が認められた。運動有能感は、実施後有意に3要因とも高まった。しかしながら、実施1カ月後では、差がなくなり逆戻りの傾向を示した。同様の男女別比較で男子の歩数は、1週目にやや低下するが、2週目以降増加する傾向を示し、4週目、1ケ月後に有意な増加が認められた。女子も1週目にやや低下し、2週目上昇するが、男子と異なり3週目以降は減少傾向を示した。運動有能感は、男子では、統制感、受容感が運動後有意に高まり、統制感は1ケ月後も高まった状況を持ち越した。一方、女子では、統制感、受容感ともに運動後に高まるにとどまった。男子では、歩数、統制感の持ち越し効果が期待できるが、女子は逆戻り傾向であった。