著者
香川 靖雄 小松 文夫 金子 嘉徳 川端 輝江 渡邊 早苗 佐久間 充 工藤 秀機 金子 嘉徳 川端 輝江 渡辺 早苗 佐久間 充 工藤 秀機
出版者
女子栄養大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2005

モンゴル人は日本人に比べ平均寿命が男女とも15 年以上短い。その理由を知るためにモンゴル人の健康調査を行った。モンゴル人は食生活に偏りがあり、肉食が主で野菜や果物は少なく、酸化ストレスが高く、老化の訪れが早かった。彼らの短寿命を解決するにはこれらの改善が重要であり、日本人の老化を考える上でモンゴル人の食生活と高い酸化ストレス度は重要な警鐘と思われた。
著者
松平 誠
出版者
女子栄養大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1994

本研究は1966年4月7日から1971年3月29日に亘り放映されたNHK番組「ふるさとの歌まつり」が、地域社会の伝統行事に対する関心を広げ、地域伝統文化活性化の導因となるとともに、観光化への道を開いていった過程を分析し、TVによる地域文化の開発原理を探るための実証的調査研究である。「ふるさとの歌まつり」が、地域文化創成に寄与するとともに、以後のTV番組による地域文化の観光化に先鞭をつけたことは、一般に知られている。それは、TVメデアによる地域文化掘り起こしの画期的な実験であると同時に、地域文化が都市化の中で変質していく契機を提供したものであった。本研究は、三年間にわたり同番組に取り上げられたすべての地域を対象として、総合的、多角的に全国的実証的調査を行なうとともに、重点的な地区について、詳細な聞き取り調査を実施し、全国約600の市町村および祝祭行事関係者の協力をえて、TVコミュニケーション時代の祝祭文化の実態を明らかにすることができた。本研究の結果、TVメディアによる地域文化掘り起こしと、都市化のなかでの地域文化が持続に関する基本的な原理を明らかにすることができ、成果は十分挙げられたと確信している。成果の詳細な内容とその具体的なデータは、添付報告論文のなかに記載してあるので、再説しないが、成果を全国の市町村に配布することによって、将来への方向付けの一端をも果たし得たと思う。
著者
香川 靖雄 岩本 禎彦 蒲池 桂子 田中 明 川端 輝江 中山 一大
出版者
女子栄養大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

目的:健康維持に不可欠なEPA,DHAの摂取量が殆どない菜食者の中で、Δ5脂肪酸不飽和化酵素の遺伝子多型rs174547のC型ではALAからのEPA,DHA合成能が低いためその健康状態を研究した。結果:DHA摂取量0gの純菜食者+乳菜食者の血清と赤血球脂肪酸はTT型に比べてALAはC/CC型で増加し、血清EPA,DHAは減少し、ω3指数(赤血球EPA+DHA)は3.2に減少していたがAAの減少も著明であった。純菜食+乳菜食の健康状態は国民健康・栄養調査の一般日本人の健康度を上回り多型間に差が無かった。健康度はEPA/AA比の増加とDHA保持能増加で低いDHA摂取量を補償すると推定した。
著者
福島 真実
出版者
女子栄養大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2006

食品中の葉酸は、結合しているグルタミン酸が1つのモノグルタミン酸型と数個結合したポリグルタミン酸型があり、吸収過程が異なっているため、それぞれBioavailability(生体利用率)が異なる。葉酸供給源となる主な食品17品と通常の献立5種類中の両者を微生物法にて分別定量した。その数値を基に、健康な女子大学生および高齢者施設入居者の食事調査からモノとポリグルタミン酸型葉酸の摂取比率を求めたところ、平均してそれぞれ17%と83%であった。
著者
橋本 紀子 井上 惠美子 田代 美江子 井谷 惠子 木村 浩則 杉田 真衣 艮 香織 茂木 輝順 水崎 富美 森岡 真梨 丸井 淑美
出版者
女子栄養大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

本研究は、校歌・校訓の変遷の歴史的調査、人々の男女共学・別学観のインタビュー調査、高校生とOG/ OBの意識調査、学校参与観察、フィンランド・イギリス・韓国での海外調査等々、幅広い視点から行われた。その結果、ジェンダー平等教育の発展・普及のための、以下の重点課題が浮き彫りとなった。(1)新しいジェンダー平等教育の内容づくりを教育課程の見直しも含めて行うこと。(2)そのためには、教材や授業記録等も含めて、これまでの教育実践の掘り起こし、優れた実践の典型化をはかり、テキスト作成に結びつけること、などである。
著者
川端 輝江 仲井 邦彦
出版者
女子栄養大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

授乳期間中の母親の魚介類摂取及びn-3系脂肪酸代謝と、出生児の成長と発達の関連性を検証した。その結果、n-3系脂肪酸であるドコサヘキサエン酸(DHA)の母乳組成及び濃度は、魚介類摂取量と正相関した。⊿5不飽和化酵素遺伝子型(rs174547)C/C群(対象者の約15%)では、T/T群に対して母乳中DHA組成が有意に低値であった。出生から7か月までに児が摂取したDHA濃度を推測し、その濃度別に児の発育について検討したところ、児の体重増加との間には関連はみられなかった。今後、DHA摂取と発達との関連においてさらなる検討が必要と考えている。
著者
小西 史子 香西 みどり 古庄 律
出版者
女子栄養大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2016-04-01

老化促進マウス(SAMP8)を、対照群、ムクナ豆粉末低投与群、ムクナ豆粉末高抗投与群の3群に分けた。ムクナ豆粉末低投与群には、ムクナ粉末を1.5g/体重kgに調製した飼料を、ムクナ豆粉末高投与群には、ムクナ粉末を15g/体重kgに調製した飼料を投与した。それぞれの飼料におけるL-DOPA含量は、0.6mg/体重kgおよび6mg/体重kgである。飼育期間は、11週齢から40週齢までである。飼育後、脳を取り出し、N-PER試薬を用いてたんぱく質を抽出、遠心後、上清を用いて、ウェスタンブロッティングを行い、タウタンパク質のリン酸化の程度を調べた。用いた抗体は、抗リン酸化タウS199,S262,T181マウスモノクローナル抗体である。その結果、タウタンパク質のセリン262,スレオニン181のリン酸化の程度には、群間で有意な差は認められなかった。しかし対照群に比べ、ムクナ豆粉末高投与群においてタウタンパク質セリン199におけるリン酸化が有意に抑制されていた。このことから、ムクナ粉末の投与は、老化によるタウタンパク質リン酸化の増加を抑制することが示唆された。ムクナ豆を用いた加工食品の調製では、ムクナ豆焙煎粉末を小麦粉に0,5,10,15,20%に添加した麺を作成した。その結果、ムクナ豆焙煎粉末の添加量の増加とともに、抗酸化能が上昇した。また、これらに重曹を添加すると中華麺になり、風味が増したが、抗酸化能は低下した。
著者
艮 香織
出版者
女子栄養大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2008

本稿の目的は、家庭科の教育実践において、ジェンダー/セクシュアリティに関わる問題がどの領域・分野でどのように展開されているのかについて、課題を含め明らかにすることにある。教員(家庭科担当)を対象とした調査の結果、男女平等に関する教育は、「日常生活レベル」に重点が置いた内容が多く、性教育は主に「保育分野」で扱われていた。内容は、命の大切さを教える教師、生徒の性に関する現状に合わせて授業を組み立てる教師、ライフスタイルの一つとして性を教える家庭科教師に分けられた。また、一部の家庭科教師は多様なセクシュアリティや人権に関する内容は、家庭科で「現段階で扱える多様性の範囲」として捉えていることが明らかとなった。
著者
秋山 由美 宮城 重二
出版者
女子栄養大学
雑誌
女子栄養大学紀要 (ISSN:02860511)
巻号頁・発行日
vol.34, pp.61-67, 2003-12-01

沖縄県の一農村における "ミニデイサービス" 利用者126人について, その健康状態および生活習慣, 食生活の実態に関する調査を行った。その結果は以下のとおりである。1) 対象者の実態 (1)基本的属性 : 家族構成では, 60〜74歳より75歳以上において1世代世帯が多かった。配偶者「あり」の割合は75歳以上で約30%, 60〜74歳で約70%であった。(2)生活習慣 : 起床時間では, 60〜74歳より75歳以上では7時以降に起床する者が多かった。睡眠時間では, 75歳以上で60〜74歳に比較して, 9時間以上の者が多かった。(3)食生活 : 60〜74歳・75歳以上とも, 3食を「毎日食べる」者が9割以上であった。間食は「よくある」者の割合が60〜74歳で約5割, 75歳以上で約4割であった。(4)健康状態 : 「健康である」者の割合は, 60〜74歳・75歳以上では40%台であった。夜間尿回数は75歳以上で2回以上と多かった。2) 生活習慣別健康状態75歳以上において, 就寝時間が24時以降と遅い群ほど自覚症状得点が高かった。3) 食物摂取頻度区分別健康状態60〜74歳において, 蛋白質源食品摂取頻度の高得点群が低得点群より持病数が少なかった。ビタミン・ミネラル源食品摂取頻度では, 高得点群が低得点群に比較して自覚症状得点が低かった。