著者
雨宮 一彦 中村 由紀 新井 由紀
出版者
国際学院埼玉短期大学
雑誌
国際学院埼玉短期大学研究紀要 (ISSN:02896850)
巻号頁・発行日
no.29, pp.81-85, 2008

日本人が古くから親しんできた香辛料の中で,寿司や刺身に欠かせない薬味といえばわさびである。わさびの細菌に対する抗菌効果を確かめるため,蒸散暴露(気相法)により大腸菌と黄色ブドウ球菌を用いて実験を行った。暴露する温度条件を4℃,室温(25℃),35℃で抗菌効果を比較すると,チューブ入り加工わさび,生わさびのいずれも暴露温度が35℃時に抗菌効果が高かった。わさびに7日間継続的に暴露し続けた結果,生わさびは途中で菌の発育がみられたが,チューブ入り加工わさびは菌の発育はみられず,細菌に対する増殖抑制と共に殺菌効果があることがわかった。菌数減少の推移を定量的に測定したところ,暴露開始5時間後から徐々に菌数が減少し48時間後には生菌は全く認められなかった。わさびの主な抗菌成分は揮発性のアリルイソチオシアネートといわれる。この実験からも寒天培地に触れさせず蒸気で接触させる方法で抗菌効果が強く認められたと考えられる。
著者
鶴島 博和 櫻木 晋一 亀谷 学 菊池 雄太 城戸 照子 西村 道也 新井 由紀夫 徳橋 曜 安木 新一郎 図師 宣忠 阿部 俊大 西岡 健司 名城 邦夫 山田 雅彦 向井 伸哉
出版者
熊本大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2016-04-01

1. 2018年5月20日日本西洋史学会(広島大学)でDr David Roffeを招聘してDomesday Moneyersと題する研究報告、5月24日熊本大学においてThe Domesday Text Projectという講義を行った。2. 9月2日から8日までは、熊本大学と同志社大学においてThe International and symposium workshop on Money and its Circulation in the Pre-Modern Western Eurasian World in 2018を開催した。報告者は地中海世界のイスラーム貨幣に関してはスペインの大学からProf. F. M.atima Escudero, Prof. Alberto Canto, Carolina Domenech Belda 、Prof. W. Schultz、と科研メンバーの亀谷学が、世界のキリスト教世界に関してはイギリスからDr William Day , Dr Adrian Popescuが、スペインからはProf. D.Carvajal de laと Vega Dr Albert Estrada-Riusが、そして科研メンバーの阿部俊大が行った。議論は、多岐にわたり、とくに少額銀貨の流通に関して有意義な知見をえた。スペイン貨幣史研究の指導的研究者である Prof. Alberto Cantoからはこれまで経験したシンポジウムの中で最良のものの一つであるという評価を得ている。これらの報告内容に関しては報告書(2029 for 2018)に収録する予定。3.熊本地震で出土した益城町出土の古銭を地元の協力を得て分析し報告書を出版した。研究を地域に貢献することができた。4.2019年1月23日から2月10日まで鶴島がイタリアでProf. Andrea Saccocci, Prof. Monica Baldassariと研究打ち合わせを行い本年度のシンポジムに関する意見交換を行った。オックスフォード大学でZomiaに関する研究会に招待されて貨幣史から見たイングランドの無統治地域についての報告を行った。3月28日は今年度まとめの研究集会を行い、29日にドイツとバルト海の交易と貨幣についてProf. Michael Northと研究打ち合わせを行った。
著者
三浦 徹 安田 次郎 神田 由築 新井 由紀夫 菅 聡子
出版者
お茶の水女子大学
雑誌
萌芽研究
巻号頁・発行日
2003

本研究は、アジア(日本を含む東アジアと中東・イスラーム世界)の社会文化の特性を、比較研究を通して明らかにし、人類文化におけるアジアの可能性を見いだすことを目的とする。同性愛というテーマを主題にとりあげたのは、当該社会のなかで、両義的なイメージを賦与されていた現象を、比較文化の視点から研究することにより、新たな分析観点を探るためである。16年度は、以下の研究を実施した。1.韓国での調査・研究会(2004年9月23-25日) 男寺党(ナムサダン)とよばれる芸能集団の調査を、国立文化財研究所朴原模研究員の協力をえて実施し、同研究所と淑明女子大学で研究会を開催した。一般に儒教文化の影響で性についてのタブーが強いとされる韓国においても、日本と同様の性の役割に関わる問題群があることが確認された。2.基本資料の収集と文献データベース作成 15年度までに収集した文献データベース4000件に500件の追加を行い、全体の校正・整理を行った。なお、当初大学のホームページに公開を予定していたが、インターネットのセキュリティ管理が強化され、その技術的な問題が解決するまで公開を延期することとした。3.2年間の研究成果を問うために『越境する性:同性愛の比較文化史』(山川出版社)を刊行する。5名の研究分担者が執筆し、ヨーロッパ、イスラーム世界、日本中世、日本近世、日本近代の同性愛の文化を、比較の観点からとりあげ、アジア社会の柔軟な性文化とその変容が明らかにされる。
著者
新井 由紀夫
出版者
お茶の水女子大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

本研究は、中世後期イングランド社会の具体的諸相を、ジェントリ(十地保有階層)の視点から明らかにするという全体構想のもと、ジェントリの関係する史資料の全貌を体系的に明らかにした。比較的まとまった史料群でありながら、公文書とは違うため英国史料データ化プロジェクトには載らないような中世後期ジェントリの家系文書史料であるイングランド北部のヨークシァ、リーズ市文書館所蔵のプランプトン家文書を、まるごとデジタル画像ファイル化しその史料類型と内容のあらましを整理分析した。