著者
早川 文代 馬場 康維
出版者
社団法人日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.53, no.5, pp.437-446, 2002-05-15
被引用文献数
3

"Mattari," which is a term for describing food properties, was clarified by a questionnaire to 496 young people in the metropolitan area around Tokyo. The respondents were first asked when and how they had known the term, and the answers reveal that "mattari" is a vogue-word. Second, the association between "mattari" and 52 kinds of food was studied. The panel was asked how "mattari" an item is: very, a little, not at all, and "I've never eaten." The data were analyzed by quantification method III, and their item category values were obtained. Order was apparent among the data categories, showing that there was a common conception of "mattari." Order was also found among the evaluated items, meaning that scaling of "mattari" was possible, so that the intensity of "mattari" for each kind of food could be quantitatively obtained. Sweets or dairy products such as custard cream, fresh cream, butter cream and carbonara sauce were very "mattari." Third, the panel was asked whether 53 kinds of terms-for describing food properties were close to "mattari" or not. The terms close to "mattari" were "sticky," "mild," "spreading slowly in the mouth" and "rich."
著者
阿久澤 さゆり 藤田 直子 早川 文代
出版者
東京農業大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

日本晴を親にして、澱粉合成酵素の働きを抑えて特性を変化させた変異体米(SSIIIa)を作出し、その米の精白米と分離した米澱粉の特性を検討した。その結果SSIIIa の精白米は、日本晴と近似していたが、炊飯によって縦に長くなる形状で、粘らずもろい特性を示した。これらの特徴は、澱粉中のアミロペクチンの構造変化によるもので、国内産米の利用の拡大につながると期待された。
著者
今井 悦子 早川 文代 畑江 敬子 島田 淳子 相内 雅冶
出版者
社団法人日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.45, no.8, pp.697-708, 1994-08-15
被引用文献数
2

5種類の目皿(細孔の直径2.4,3.4,4.8,6.8および9.6mm)を通した挽き肉(牛,豚および鶏の3種類)を用いてハンバーグ様試料を調製し,試料の官能的識別および物性に及ぼす粒度の影響を検討した.生肉粒,加熱後の肉粒の粒度を測定した結果,加熱による肉粒の収縮率は牛肉>豚肉>鶏肉であった.さらに粒度測定から,牛肉は,目皿の直径が異なる試料間の粒度の識別がもっともしやすく,また鶏肉は結着性がもっとも高いことが示唆された.試料中の水分の保ちやすさは,解凍試料では目皿の直径が大きい試料の方,加熱試料では小さい試料の方であり,さらに鶏肉>豚肉>牛肉という肉種による差があった.剪断破断歪みおよび凝集性は,目皿の直径が大きい試料ほど有意に大きく,また牛肉は他の肉種より,目皿の直径が異なる試料間での変化率が大きかった.これより,牛肉の物性は,目皿の直径が異なる試料間で識別しやすいことが示唆された.官能検査の結果,目皿の直径が異なる試料間で,切り口の粗さ,硬さ,弾力性および肉粒感は3種の肉ともにある程度識別できたが,識別のしやすさには肉種により差があり,牛肉≧豚肉≧鶏肉であることが分かった.この結果より,肉粒の粒度測定および物性測定による示唆が裏づけられた.肉の粒度を官能的に捉える指標の1つである肉粒感は,肉汁の流出率および解凍試料の保水力の2つの物性値で98%予測できることが分かった.また,2つの肉粒の体積の比が1.2〜1.5以上になると粒度の識別ができると考えられた.
著者
早川 文代 神山 かおる 佐々木 朋子
出版者
独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

テクスチャーの官能評価において、「かたさ」「サクサク感」など評価項目に用いる用語は重要な役割を担う。しかし、用語選定は労力と時間のかかる過程である。そこで、本課題では、官能評価に有効なデータベースを作成し、官能評価の迅速化に資することを目的とした。テクスチャー用語はすでに収集した445語を用いた。文献調査、質問紙調査および官能評価によって、935品目の食物名を選定し、コレスポンデンス分析によって、用語間の関係、用語と食物名との関係、食物名間の関係の数値化を行い、食物からも用語からも検索できるデータベースを作成した。
著者
神山 かおる 早川 文代 安岡 利一
出版者
独立行政法人農業技術研究機構
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2005

高齢社会においてニーズが高まっている物性を調整した食品の開発に資するため、食品を実際に咀嚼する条件で、口腔内にかかる圧力を直接計測することにより、口腔感覚を簡便かつ正確に評価する手法開発を目標とした。口腔感覚粘度を測定する簡易なデバイスを設計し、口腔内で検出された力学的性質の食品による差異や健常者と摂食機能障害者との差異を解析することができた。
著者
早川 文代 岩政 由布子 畑江 敬子 島田 淳子
出版者
社団法人日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.50, no.5, pp.481-490, 1999-05-15
被引用文献数
11

The use of onomatopoeic terms for describing food properties was studied. Fify-three onomatopoeic terms were selected to describe food properties by round-table discussion and questionnaires from 192 terms that had been collected from literature and free-answer questionnaires. A panel of 830 persons was asked whether the selected terms correctly expressed the properties of foods. Of the 648 returned questionnaires, 595 were considered valid and thus used for further analysis. More than 40% of the panel (with a confidence level of 95%) answered "yes" for almost all of the terms. A further analysis showed that the use of such terms as "mattari" and "boso-boso" differed according to the sex, age and/or degree of interest in food of the panelists.