- 著者
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森田 亜紀
早川 文代
香西 みどり
- 出版者
- 公益社団法人 日本食品科学工学会
- 雑誌
- 日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
- 巻号頁・発行日
- vol.67, no.1, pp.13-23, 2020-01-15 (Released:2020-01-27)
- 参考文献数
- 27
- 被引用文献数
-
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パルミジャーノ・レッジャーノを添加したチーズブレッドの風味に寄与する成分について,アミノ酸,脂肪酸,有機酸からなる32成分モデルチーズを用いた評価を実施した.チーズブレッドの風味に対して,オミッションテストにより,アミノ酸,脂肪酸の寄与が大きいこと,さらに,アディッションテストにより,グルタミン酸ナトリウム,バリン,メチオニン,イソロイシン,ロイシン,フェニルアラニン,プロリン,酪酸が風味に影響していることが確認できた.これら8成分を添加することによりパルミジャーノ・レッジャーノを添加したパンの風味に関する官能特性を再現できた.アディッションテストの結果を主成分分析で解析したところ,第1主成分は「チーズの濃厚感」,第2主成分は「パンらしい香ばしさ」,第3主成分は「発酵香」と解釈でき,これらの風味特性のバランスでチーズブレッドの風味が形成されていることが確認できた.グルタミン酸ナトリウムはうま味だけでなく,チーズブレッドの風味形成に大きな役割を果たしていた.揮発性成分の分析結果より,バリン,メチオニン,イソロイシン,ロイシン,フェニルアラニンを添加することにより,イーストの発酵により生成するアルデヒド類やアルコール類,メイラード反応で生成するアルデヒド類が増加しており,これら成分がチーズブレッドの風味を形成していると考えられた.本研究により,チーズブレッドの風味に寄与する8成分をパン生地に添加することで,チーズブレッドの風味を再現でき,その製パン性はチーズブレッドよりも良好であったことから,良好な品質のチーズ風味ブレッドを作成する手段を提案できた.