著者
田中 智大 山崎 大 吉岡 秀和 木村 匡臣
出版者
水文・水資源学会
雑誌
水文・水資源学会誌 (ISSN:09151389)
巻号頁・発行日
pp.37.1817, (Released:2023-08-31)
参考文献数
21

局所慣性方程式は,効率よく洪水氾濫解析を実行できる基礎方程式として2010年頃に提案されて以来,数多くの数値モデルに使われている.著者らは,局所慣性方程式がなぜ高い数値安定性を有するのか,また,その安定性条件はどのように決定されるのかについて,数学的解析とモデル実装の両面から研究に取り組んできた.本稿は,約10年間に渡り取り組んできた一連の研究をレビューし,拡散波方程式との比較,摩擦項の離散化手法による安定性への影響,安定性と精度を両立する離散化手法の提案,という3つの視点で成果を整理する.数理解析の概要を説明するとともに,局所慣性方程式をモデルに実装するユーザー視点での要点をまとめることを目的とする.さらに,水文・水資源学会の研究グループ発足といった原著論文では記すことが難しい共同研究進展の契機についても,時系列で振り返って研究ノートの形で記録する.
著者
福浦 啓史 青 孝明 佐々木 暢琢 福本 紗与 木村 匡男
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.141, no.8, pp.1009-1013, 2021-08-01 (Released:2021-08-01)
参考文献数
11

The dose of direct oral anticoagulants (DOACs) must be determined based on package insert recommendations. There are reports on the rate of inappropriate DOAC dose usage defined as a dose deviating from the approved dose in the package insert but no reports on factors that led to such deviations. Thus, patients who were admitted to the Suzuka Kaisei Hospital between 1 April 2016 and 31 March 2017 were chosen as subjects. Moreover, the factors that during hospitalization led to dose deviation from the package-insert DOAC dose were retrospectively examined. The characteristics of patients administered doses deviating from the package insert were compared with those of patients in the appropriate-dose group. The finding was that the proportion concomitantly administered antiplatelet agents was higher in the underdose group. In contrast, deviations from the recommended dose did not occur when DOACs were combined with CYP3A4 inhibitors or P-glycoprotein (P-gp) inhibitors. It was suggested that increase in the risk of hemorrhage by antiplatelet agents in combination with oral anticoagulants could explain deviations from the stipulated DOAC dose. In addition, a higher proportion of patients in the overdose group showed depressed Ccr, and gastrointestinal bleeding. In future, it will be necessary to propose principle-based dose changes for patients administered doses deviating from the package insert. If an underdose is administered, it is important to make a dose change that takes the concomitant drugs into consideration.
著者
木村匡 編
出版者
安江正直[ほか]
巻号頁・発行日
1895
著者
岡山 貴史 山本 純之 木村 匡臣 松野 裕
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
AI・データサイエンス論文集 (ISSN:24359262)
巻号頁・発行日
vol.4, no.3, pp.46-53, 2023 (Released:2023-11-14)
参考文献数
23

カキの優良産地である奈良県五條吉野地域では,収穫時期の半年前頃より収穫作業の労働力確保として短期雇用の計画を始めている.また,地球温暖化の影響で経験則による収穫時期の予測が困難になっているため,新たな予測手法が求められている.本研究では,ANNを用いて気象データからカキの収穫最盛日予測を行った.対象品種は,地域の主力品種’刀根早生’,’平核無’,’富有’の3品種とした.モデルのパラーメータを検討し,品種ごとにモデルを構築した.結果は誤差が最大3日のモデルが構築された.また,3品種とも10月以降に収穫されるが,5月1日と6月1日時点では最大で2.5日の誤差であり,収穫直前までの各月1日時点での誤差は最大3日で予測可能となり,収穫時期の予測手法としてANNの適応可能性が示された.
著者
笠原 太一 福田 信二 木村 匡臣 浅田 洋平 乃田 啓吾
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:24366021)
巻号頁・発行日
vol.79, no.1, pp.G-0268, 2023 (Released:2023-01-23)
参考文献数
32

島嶼地域での水資源開発のために建設された河川横断構造物等は,河道内の物理環境を改変し,生態系に影響を及ぼすことから,総合的な環境評価が求められる.本研究では,石垣島宮良川流域における網羅的な魚類生息環境調査によって物理環境と魚類相の流程分布を明らかにし,河川横断構造物の影響について検討した.結果として,宮良川全域で29科72種確認され,純淡水魚が7種,通し回遊魚が17種,周縁性淡水魚が37種および海産種が11種観察された.また,水域区分ごとに水温や水深などの物理環境条件が有意に異なっており,魚類相にも差異がみられた.本調査結果から,石垣島宮良川において河川横断構造物は,湛水部形成による物理環境の改変と感潮域境界部における魚類の移動阻害により魚類相の流程分布に影響を及ぼす可能性が示唆された.
著者
清水 賢二 酒井 浩 木村 匡男 田後 裕之 髙橋 守正
出版者
一般社団法人 日本作業療法士協会
雑誌
作業療法 (ISSN:02894920)
巻号頁・発行日
vol.39, no.4, pp.495-502, 2020-08-15 (Released:2020-08-15)
参考文献数
13

要旨:聴覚失認とは,聴覚による言語や環境音の認知が困難になる状態であり,横側頭回や聴放線の損傷によって生じるとされている.今回,聴覚失認を呈した60歳代の症例を経験した.もともと社交的な本症例であったが,聞き取りの困難さから周囲との交流を避けるようになっていった.作業療法において読話を用いた視覚的代償戦略を用いることで,聴覚失認の症状自体は変化を得られないなかでもコミュニケーションの困難さを克服しだし,周囲との交流を取り戻し始めた.コミュニケーションの障害を言語機能障害ととらえず,生活障害としてとらえて,作業療法士も積極的に介入していく必要がある.
著者
渡部 哲史 山田 真史 吉田 奈津妃 佐々木 織江 神谷 秀明 田中 智大 丸谷 靖幸 峠 嘉哉 木村 匡臣 田上 雅浩 木下 陽平 林 義晃 池内 寛明
出版者
水文・水資源学会
雑誌
水文・水資源学会誌 (ISSN:09151389)
巻号頁・発行日
vol.30, no.4, pp.260-265, 2017
被引用文献数
1

 平成29年2月18,19日に東京大学本郷キャンパスにおいて,合計16名の参加者により第6回目となるWACCA (Water-Associated Community toward Collaborative Achievements)meetingを開催した.第6回となる今回は各自の研究内容を理解し,多様なスケールで展開される様々な水関連研究の現状やそれぞれが抱える課題,それらを克服するために必要なブレークスルーについて考える機会を設けた.各自の研究発表を基に,様々な研究分野に共通する課題やブレークスルーなど研究に関する議論や,アウトリーチのような活動に関する情報共有,その他研究を進める上で感じていること等の意見交換を行った.本報告ではそれらの議論の概要について記す.
著者
木村匡 著
出版者
安江正直[ほか]
巻号頁・発行日
1895