著者
木村 滋子 久住 武
出版者
日本心身健康科学会
雑誌
心身健康科学 (ISSN:18826881)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.1-12, 2019 (Released:2019-04-19)
参考文献数
35

本研究は「切る」「手でこねる」の2種類の料理作業に着目し,各料理作業が作業者の不安と気分に及ぼす影響を明らかにすることを目的に,大学1年生男女延べ25名を対象に,「切る」(11名)と「手でこねる」(14名)の作業について,新版STAIと日本語版POMS短縮版を指標として,各作業あり・なしの料理前後で比較した.その結果,特性・状態不安(STAI)と総合得点TMD(POMS)は,「切る」「手でこねる」どちらの作業においても,作業あり・なしに関わらず有意に低下した.POMS下位尺度は,「手でこねる」作業の場合,作業ありのみで「怒り-敵意」が有意に低下し「活気」が有意に上昇した.「疲労」「抑うつ-落込み」「緊張-不安」は作業あり・なしともに有意に低下し,「混乱」はともに有意な変化を認めなかった.「切る」作業の場合,作業ありのみで「抑うつ-落込み」「緊張-不安」「混乱」が有意に低下し,「疲労」は作業あり・なしともに有意に低下し,「怒り-敵意」「活気」はともに有意な変化を認めなかった(p<0.05).2種類の料理作業の各々の場合において,作業あり・なしでPOMS下位尺度に異なる影響を見出すことができた.この違いは,食材に直接触れるか否かによる料理作業中の触感の違いが影響した可能性がある.作業内容を一部変えることで,作業者の不安や気分に異なる影響を及ぼすことをより詳細に明らかにすることができた.このことから,料理作業と心身相関の関係を明らかにすることができた.
著者
木村 滋 冨野 弘之 Shigeru KIMURA Hiroyuki TOMINO
雑誌
日本赤十字秋田短期大学紀要 = Bulletin of the Japanese Red Cross Junior College of Akita (ISSN:13430033)
巻号頁・発行日
no.10, pp.9-22, 2006-03-15

辺縁系由来の情動活性化、記憶、意識について脳科学を概観し、好みの音楽を聴いて影響される被験者の脳波(α,β,θ)を調査した。また、モーツアルトの小夜曲、バッハのG線上のアリアの最初の小節とこおろぎの音のスペクトル分析をした。これらの音楽と音は癒し効果があるということで知られている。研究者の中にはモーツアルトの音楽や秋のこおろぎのような虫の音の3.5KHz~4.5KHzの周波数帯の音は癒し効果があると信じている人もいる。脳波測定の被験者は10代後半の女性、20代前半の男性、50代の男性、60代の女性で好みの1つの音楽、実験用に指定したよく知られた2つの歌謡曲、バッハのG線上のアリアを聴きながら脳波(α,β,θ)を測定した。好みの音楽はそれぞれβ波減少(-11~-1.3%)、θ波減少(-10~0%)とαW増加(+21.2~0%)を示した。指定した音楽は好みの音楽とほぼ同様の効果を示した。音響学的に分析したモーツアルトのセレナーデとバッハのG線上のアリアは上記の周波数帯には部分的にしか集まっていなかった。
著者
鈴木 進 戸崎 近雄 川島 正昭 小谷 悌三 木村 滋章 水島 克己
出版者
一般社団法人 日本ゴム協会
雑誌
日本ゴム協会誌 (ISSN:0029022X)
巻号頁・発行日
vol.42, no.4, pp.254-259, 1969
被引用文献数
3

橋かけまたは加硫したゴムの伸びを温度を変えて測定するとある温度 (<i>T</i><sub>max</sub> と呼ぶ) で極大値を示す. この極大値を極限伸張比&alpha;<sub>c</sub>(=1+&gamma;<sub>bmax</sub>) と考えると, 同一ゴム, 同一加硫系では, 網目間鎖数濃度&nu;<sub>e</sub>の逆数の平方根に, 橋かけ点分子量<i>M</i><sub>c</sub>の平方根に比例することがわかった. &alpha;<sub>c</sub>の<i>M</i><sup>1/2</sup><sub>c</sub>に対するこう配はゴムの種類, 加硫系によって変化した. 一方, <i>T</i><sub>max</sub> は網目間鎖数濃度&nu;<sub>e</sub>とともにほぼ直線的に減少し, そのこう配もゴムの種類, 加硫系によって変化した. またこれら試料のガラス化点, <i>T</i><sub>g</sub>は&nu;<sub>e</sub>とともに直線的に上昇した.<br><i>T</i><sub>max</sub> 付近でゴム分子が十分に伸びきっていると考えて, 逆ランジュバン関数からセグメントの数<i>n</i>を推定し, 一方, <i>M</i><sub>c</sub>をモノマー単位の分子量<i>m</i>で割った値, <i>M</i><sub>c</sub>/<i>m</i>を求めた. また, &alpha;<sub>c</sub>=&radic;<i>n</i>として, セグメント数<i>n</i>を推定した. これらの値を比較して, <i>T</i><sub>max</sub> 付近でゴム分子がかなり伸びきってから切断すること, 極限伸びはセグメント数の平方根から推定されること, &alpha;<sub>c</sub>(<i>M</i><sub>c</sub>/<i>m</i>)<sup>1/2</sup>の値を分子の剛さの尺度としてよいであろうことを結論した.
著者
木村 滋 冨野 弘之 Shigeru KIMURA Hiroyuki TOMINO 日本赤十字秋田短期大学 日本赤十字秋田短期大学事務部
出版者
日本赤十字秋田短期大学紀要編集委員会
雑誌
日本赤十字秋田短期大学紀要 = Bulletin of the Japanese Red Cross Junior College of Akita (ISSN:13430033)
巻号頁・発行日
no.10, pp.9-22, 2006-03-15

辺縁系由来の情動活性化、記憶、意識について脳科学を概観し、好みの音楽を聴いて影響される被験者の脳波(α,β,θ)を調査した。また、モーツアルトの小夜曲、バッハのG線上のアリアの最初の小節とこおろぎの音のスペクトル分析をした。これらの音楽と音は癒し効果があるということで知られている。研究者の中にはモーツアルトの音楽や秋のこおろぎのような虫の音の3.5KHz~4.5KHzの周波数帯の音は癒し効果があると信じている人もいる。脳波測定の被験者は10代後半の女性、20代前半の男性、50代の男性、60代の女性で好みの1つの音楽、実験用に指定したよく知られた2つの歌謡曲、バッハのG線上のアリアを聴きながら脳波(α,β,θ)を測定した。好みの音楽はそれぞれβ波減少(-11~-1.3%)、θ波減少(-10~0%)とαW増加(+21.2~0%)を示した。指定した音楽は好みの音楽とほぼ同様の効果を示した。音響学的に分析したモーツアルトのセレナーデとバッハのG線上のアリアは上記の周波数帯には部分的にしか集まっていなかった。We have surveyed emotional activation originated from the neurological system (the limbic cortex), memory, consciousness, and have investigated the brain waves (α, β, θ) of subjects influenced by listening to their favorite music. We also have spectrographically analyzed the first parts of two pieces of music, Mozart's Eine Kline Nacht Musik, and Bach's Air on the G String and also a high-pitched sound (around 2.7KHz~3KHz) of a cricket in autumn. This music and the cricket sound are famous for their healing effect on many people. Some researchers have believed the frequency bound of these pieces of music and the sound of an insect, like a cricket, should focus on around 3.5KHz to 4.5KHz, the sound frequency which might affect healing. As to EEG measurements, the subjects were, a female in her late teens, a male in his early 20's, a male in his 50's and a female in her 60's. They have listened to the above music. Their favorite music decreased β wave (-11~-1.3%) and θ wave (-10~0%), and increased α wave (+21.2~0%), respectively. The assigned 3 pieces of music along with a piece of classic music (the Bach's Air on the G String) for the experiment had about the same effectiveness on them as their favorite music had. The sonogram of the part of Mozart's serenade and Bach's Air on the G string analyzed acoustically, partially showed a slight distinguished focus of the above frequency band.
著者
河村 能人 萩原 幸司 相澤 一也 木村 滋 古原 忠 東田 賢二 乾 晴行 奥田 浩司 中谷 彰宏 君塚 肇 中島 英治 大橋 鉄也
出版者
熊本大学
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2011-04-01

総括班の役割は、各計画研究と公募研究が緊密に連携して十分な研究成果が出せるように、本領域の組織的かつ効果的な運営と研究支援活動ならびに若手人材育成を図り、本領域の目的達成と次への展開に資することである。運営面での特徴は,①6つの部会と4つの事務局による効率的な運営、②量子線共同利用施設や共通試料提供等による研究支援、③若手人材育成への注力、④国際交流,異分野交流,産学官交流の推進である。総括班としての主な成果は、各種領域内会議による効果的な運営、研究支援による効率的な研究推進、領域内交流による連携推進、国内外シンポジウム等の開催による本領域のプレゼンス向上、若手研究者の活躍等である。
著者
中澤 勇夫 雨宮 将稔 清水 裕之 秦 正治 広瀬 敏之 佐藤 英昭 木村 滋 小寺 隆三 阿部 宗男 杉田 邦博 水谷 太蔵 光武 雄一郎 工藤 栄亮 野原 学 吉川 憲昭 鈴木 文雄 関 和彦 小川 博世
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. RCS, 無線通信システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.568, pp.141-148, 2000-01-20
被引用文献数
1

第三世代移動通信システム(IMT-2000)は、世界各国で使用可能なグローバルサービスを目指す位置づけから1992年ITUにおいて世界共通の周波数(2GHz帯)の割当が行われた。国内のIMT-2000の2GHz帯導入に際しては、既存システムとの干渉特性を明らかにする必要がある。このため、(社)電波産業会(以後ARIB)では平成8年度より調査検討会を設置し、導入が期待されているCDMA方式による移動無線と、IMT-2000に割り当てられた周波数帯を用いている既存の固定無線との周波数共用の可否、及び周波数共用を可能とする条件を明らかにするために、計算機シミュレーションおよびフィールド実証試験について調査及び試験分析を行ってきた。本報告はこの内、フィールド実証試験についての調査及び試験結果の報告であり、相互干渉モデル、試験システム、広帯域伝搬路特性、電界強度特性等について述べる。