著者
本田 和也
出版者
一般社団法人 日本特殊教育学会
雑誌
特殊教育学研究 (ISSN:03873374)
巻号頁・発行日
vol.55, no.5, pp.271-278, 2018 (Released:2019-03-19)
参考文献数
16

本研究の目的は、聴覚障害児と母親の視線共有に視点を当て、母親の聴覚障害の有無により、聴覚障害児と母親の視線共有に違いがあるのか、あるとすればどのような違いがあり、母親の働きかけの特性は何かを検討することであった。対象者は、聴覚障害児と聴覚障害のない母親(健聴群)3組、聴覚障害児と聴覚障害の母親(聴障群)3組であった。6組の母子がおもちゃを介した自由遊びを行い、10分間のやりとりをビデオ録画し、分析した。その結果、両群の視線共有の回数や時間には差はなかったが、両群の母親の働きかけに質的な違いが示された。聴障群では、出生後からの母親の働きかけの積み重ねにより、やりとりが成立し始めていることが推測された。
著者
本田 和也 森塚 倫也 伊藤 健大 松尾 彩香 日宇 健 川原 一郎 小野 智憲 原口 渉 牛島 隆二郎 堤 圭介
出版者
一般社団法人 日本脳卒中学会
雑誌
脳卒中 (ISSN:09120726)
巻号頁・発行日
pp.10802, (Released:2020-08-31)
参考文献数
40

要旨:日本における脳卒中診療は,患者数増加・高齢化等,多様な問題に直面しており,専門医不足に伴う過重労働や燃え尽き症候群が危惧されている.医師以外の人的資源を有効活用した診療システムが必要であり,高度実践看護の能力を持つ nurse practitioner(NP)はこの診療分野に貢献し得る.NPは医師の指導・協働下に,専門性の高い特定行為や医師業務の代行が可能であり,脳卒中チーム内の多職種ならびに患者・家族間をコーディネートする中核的存在としても活躍している.米国ではすでに半世紀前より,医師の過重労働を予防・緩和する解決策のひとつとして,NP制度が多方面の医療現場で積極的に導入されてきた.NPの能力・技量や果たし得る業務の可能性は,未だ医師の間で十分に認識されている状況ではない.日本版NPは,今後の本邦脳卒中診療システムを改革する医療職として期待される存在である.
著者
鈴木 美穂 渡邊 隆夫 香田 将英 本田 和也 原田 奈穂子
出版者
慶應義塾大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2020-04-01

本研究では、日本において高度実践看護師のひとつであるナースプラクティショナー(NP)を欧米のように活用した医療提供モデルを構築するために、日本におけるNP養成課程修了者の実践の実態を明らかにし、NPの実践による費用対効果等のアウトカムを評価する。医療技術の進歩と医療ニーズの複雑化により医療者がますます不足かつ偏在する中で、欧米諸国では医療の質とアクセスを一定に保つために、NPを活用してきているが、日本ではNPは公式には認められておらず、協議会ベースでの認定であり、公的導入に至るには科学的にも政策的にも支持するエビデンスがほとんどなく、日本での医療保険制度でのエビデンスの生成を目指す。
著者
本田 和也 川田 耕太郎
出版者
鹿児島女子短期大学
雑誌
鹿児島女子短期大学紀要 = BULLETIN OF KAGOSHIMA WOMEN’S COLLEGE (ISSN:02868970)
巻号頁・発行日
no.58, pp.69-73, 2021-02-28

近年,障害のある幼児の動向として,幼稚園や保育所,幼保連携型認定こども園において,障害のある幼児が在籍しており,特別支援教育の対象となる幼児の数は年々増加傾向にある.「幼稚園教育要領解説」等では,障害のある幼児の障害の種類や程度を十分に理解して指導内容を設定し,指導方法の工夫を行うことが求められている.本研究では幼児教育段階での障害のある幼児への指導のあり方について検討した.特に,指導内容や指導方法における自立活動の有効性について,質問紙による調査を通して分析した.その結果,保育現場において,自立活動の理解が進んでいないことが示唆された.しかし,保育者への自立活動の理解を促すことが,指導の有効性へとつながることも示唆された.
著者
本田 和也 橘 伸也 飯塚 敦
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集F6(安全問題)
巻号頁・発行日
vol.75, no.1, pp.31-39, 2019

<p> 災害時の初期対応において,意思決定者は一刻も早く災害対応の決断を行う必要がある.この初期対応の迅速性を高める手段として,逐次得られる災害情報から被災者数を予測することで意思決定に利用するという考え方がある.</p><p> 本研究では死亡者数の経時変化を表す関数について検討を行い,発災後初期に被災規模を予測できる被害予測モデルの精度向上を考える.発災後初期の情報更新が多い事例については,死亡者数再現関数として双曲線関数を採用することで,ワイブル分布の場合よりも早い時点で信頼できる被害予測を行うことができることがわかった.また,出来るだけ初期にその災害の被災規模を予測できる被害予測モデルの運用方法を検討した.情報更新速度を向上させることで,本モデルを用いて災害初期段階で被害予測を行うことができると考える.</p>
著者
本田 和也 新井 嘉則 加島 正浩 澤田 久仁彦 江島 堅一郎 米津 博文 杉崎 正志 篠田 宏司
出版者
一般社団法人 日本顎関節学会
雑誌
TMJ : journal of Japanese Society for Temporomandibular Joint : 日本顎関節学会雑誌 (ISSN:09153004)
巻号頁・発行日
vol.12, no.3, pp.349-353, 2000-12-20
参考文献数
11
被引用文献数
5

我々は開口障害の顎関節症患者について, 顎関節造影検査をX線テレビシステムと断層撮影装置を使用して行ってきた。しかし, 上関節腔穿刺時における中頭蓋窩損傷などが問題であった。最近画像支援による外科処置が医科領域で報告され, その有効性が述べられている。しかし, 歯科領域では少ない。当教室で開発した歯科用小照射野CT (以下Ortho-CT) は, X線透視とX線CTの両者の撮影が可能な小型のコーンビーム型X線Computed Tomography (CT) で, 顎顔面領域の小範囲の精査に有効である。我々は, Ortho-CTを利用し顎関節造影検査を行った結果, 良好であったのでその検査法について報告する。<br>本検査法では, 上関節腔に穿刺する場合の安全角度と安全距離を計測した。さらに3次元画像を参照しながら安全性を考慮して造影検査を行った。対象症例は開口障害を伴う顎関節症であり, 検査は安全に行え, 円板の位置と形態の, 造影像はMRIと同じ所見を示した。<br>今後, Ortho-CTを応用したこの検査法は顎関節造影検査に有効であると考えられた。
著者
本田和也
雑誌
日本歯科評論
巻号頁・発行日
vol.684, pp.181-191, 1999
被引用文献数
2