著者
杉本 洋介 柴田 知己 佐藤 陽彦
出版者
Japan Ergonomics Society
雑誌
人間工学 (ISSN:05494974)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.35-41, 1991

本研究は, 健常者における手指触覚によるアルファベット文字およびドット数の知覚に, 左右差があるかどうか調べることを目的とした. 被験者は, 利き手調査票によって分けられた80人の完全な右手利きの男性と, それ以外の10人の男性であった. 刺激は, 能動的な手指動作によって左右いずれかの人さし指に与えられ, 被験者は感じたアルファベット文字あるいはドットの数を口頭で答えるように指示された. 実験の結果, 完全な右手利きのグループでは有意に左手の成績がよく, また左手の優位はアルファベット文字で顕著であった. それ以外のグループでは反対の傾向がみられた. これらの結果より, 完全な右手利きの被験者ではアルファベット文字は右大脳半球で形態として処理されることが示唆された.
著者
杉本 洋輝 光来 健一 山口 実靖
雑誌
研究報告システムソフトウェアとオペレーティング・システム(OS) (ISSN:21888795)
巻号頁・発行日
vol.2016-OS-136, no.3, pp.1-7, 2016-02-22

仮想化環境下において,HDD へのアクセスは二重のキャッシュ (ホスト OS ページキャッシュ,ゲスト OS ページキャッシュ) を介して行われる.このような二重キャッシュ環境ではホスト OS ページキャッシュへのアクセスに通常とは逆向きの負の参照の時間的局所性が存在することが実 OS を用いた検証で確認されており,ホスト OS にて通常の参照の局所性を期待している LRU は効果的に機能しないことが確認されている.また,キャッシュ管理手法としては LRU より FIX (キャッシュ内容固定) の方が性能が高いことがシミュレーションにより確認されている.本稿では,仮想化環境においてキャッシュ対象領域を固定化するファイルシステムを構築し,仮想化環境における I/O 性能の向上手法について考察する.
著者
佐藤 陽彦 佐々木 司 杉本 洋介
出版者
Japan Ergonomics Society
雑誌
人間工学 (ISSN:05494974)
巻号頁・発行日
vol.28, no.4, pp.223-229, 1992-08-15 (Released:2010-03-11)
参考文献数
3

“いらいら”の実態と構造を明らかにするために, 2種類の質問紙調査を行った. その結果, イライラの頻度では週2~3回が, イライラの対象では人間関係が, イライラの状況としては時間因子が関与しているときが最も多かった. イライラの構成要素は自分と状況である. イライラを生じさせる状況は, 自分がある目標に向かって計画に沿って行動している過程で, 自分の思いどおりにならないときである. しかも, その状況がある程度持続し, 自分の努力によってその状況を変えることができず, 目標が達成できるかどうかまだ不明なときである. そして, イライラの感じ方は本人の身体的・精神的状態によって大きく左右される.
著者
森藤 義孝 杉本 洋輔
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会研究会研究報告 (ISSN:18824684)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.123-128, 2012 (Released:2018-04-07)
参考文献数
7

本研究においては,小学校理科の学習内容に関する命題分析を通した検討の一環として,電気分野で取り扱う諸概念について,意味内容とイメージの観点からの分析を行った。その結果,現行の学習指導要領,及びそれに基づいて作成された小学校理科教科書における科学用語の取り扱いには改善の余地があることが明らかにされた。そこで,本研究では,見いだされた科学用語の取り扱いに関わる問題点を解消するための方策として,Asoko らの提案を踏まえつつ,小学校で構築すべき電気分野の諸概念にかかわる効果的なイメージの提案を行った。
著者
浜野 光年 青山 康雄 杉本 洋
出版者
公益社団法人 日本農芸化学会
雑誌
日本農芸化学会誌 (ISSN:00021407)
巻号頁・発行日
vol.50, no.7, pp.401-407, 1976 (Released:2008-11-21)
参考文献数
30

(1)示差走査熱量計(DSC)を用いる熱分析法で,糖成分および,粉末醤油中の水分の吸湿状態が測定できた.水分(挙動)は, 50°C~80°Cにかけて1つの吸熱ピークとして観測された. (2)イオン交換樹脂で醤油より分画した,オリゴ糖,ヘキソースおよびペントースを含有する中性糖区分は,熱分析や吸湿曲線の結果から,相対湿度35~40%以上の領域で,粉末醤油の吸湿状態に大きく影響を与えていることがわかった. (3)各種糖成分をそれぞれ加えた粉末醤油は,+glucose≧+sucrose>+maltose>+mannose≧+galactose≧無添加粉末醤油>+soluble starch>+arabinose>+xyloseの順で平衡吸湿量が増加していた. (4)醤油中の酸性多糖類は,易乾燥性,高保水能を示し,品質上プラスに寄与する.その中に含まれる水は,粉末醤油や中性糖区分に含まれる水にくらべて,結合様式の強固な水であると思われる. (5)多糖の防湿効果を検討したところ,デンプン糖や酸化澱粉の構造の間隙に,粉末醤油中の易水分収着物質が取り込まれて,吸湿性が低下したと推定された.
著者
橋本 真太郎 杉本 洋平 濱本 昂 石濱 直樹 Hashimoto Shintaro Sugimoto Yohei Hamamoto Ko Ishihama Naoki
出版者
宇宙航空研究開発機構宇宙科学研究所(JAXA)(ISAS)
雑誌
平成29年度 宇宙科学情報解析シンポジウム=Space Science Informatics Symposium FY2017
巻号頁・発行日
2018-02 (Released:2018-02-00)

会議情報: 平成29年度宇宙科学情報解析シンポジウム(2018年2月16日. 宇宙航空研究開発機構宇宙科学研究所(JAXA)(ISAS)), 相模原市, 神奈川県 Meeting Information: Space Science Informatics Symposium FY2017 (February 16, 2018. Institute of Space and Astronautical Science, Japan Aerospace Exploration Agency (JAXA)(ISAS)), Sagamihara, Kanagawa Japan
著者
杉本 洋
出版者
日本文化人類学会
雑誌
日本文化人類学会研究大会発表要旨集 日本文化人類学会第50回研究大会 (ISSN:21897964)
巻号頁・発行日
pp.I11, 2016 (Released:2016-04-23)

病気や障害を有する人々による当事者活動はセルフヘルプ・グループなどが知られている。本研究では当事者によるパフォーマンス活動を通して,着眼されることの少なかった当事者活動のサブカルチャー的側面についての考察を行う。そこからは,アンダーグラウンドな要素を持つサブカルチャー的実践は,弱さと強さ,健康と病気といった二元論的な視点を超えた保健福祉の理念の拡張を迫るものとなっていることがうかがえる。
著者
辻 英之 益田 和彦 杉本 洋輔
出版者
長崎大学
雑誌
長崎醫學會雜誌 : Nagasaki Igakkai zasshi (ISSN:03693228)
巻号頁・発行日
vol.86, no.3, pp.157-161, 2011-09-25

症例は58歳女性、50歳時にVogt-小柳-原田病(原田病)を発症し、最近はステロイド点眼のみを続けていた。2010年7月より4.5kgの体重減少あり。8月に入り、咽頭痛、口渇、全身倦怠悪化するため8月2日近医受診、随時血糖433mg/dl、HbA1c 9.8%(以下HbA1cは国際標準値で表記)あり、投薬加療開始されるも、ケトーシス悪化傾向にあり、当院紹介され8月6日入院となった。入院時採血、検尿で、抗GAD抗体 1214.3U/ml、血中CPR空腹時 1.0ng/ml、食後2hr 1.2ng/ml、尿中CPR 15.6マイクロg/日、CPR 5min 0.5ng/mlであること、約1年前の空腹時血糖84mg/dl、HbA1c 5.6%であることなどから急性発症自己免疫性1型糖尿病と考え、インスリン強化療法を導入、加療を開始した。入院時の眼底検査では典型的な夕焼け眼底を認めるものの、糖尿病性変化はなかった。患者の同意を得、測定したHLAでは、A*1101 A*2402 B*3501 B*5401 C*0102 C*0303 DRB1*0405 DQB1*0401 DPB1*0501でVogt-小柳-原田病、1型糖尿病に疾患感受性のあるHLA DRB1*0405が陽性であった。