著者
山田 未知 平山 紀子 山田 幸二 杉田 昭栄 山内 克彦
出版者
日本養豚学会
雑誌
日本養豚学会誌 (ISSN:0913882X)
巻号頁・発行日
vol.39, no.3, pp.166-174, 2002
被引用文献数
1

照明の色が豚の発育性・産肉性および脂肪組織と筋肉の脂肪酸組成に及ぼす影響について検討した。肥育前期・後期・試験期間全体の一日平均増体量および飼料要求率は, 無灯火区, 赤色照明区, 青色照明区, 白熱灯照明区の各区間に有意な差は見られなかった。枝肉歩留および背脂肪の厚さにおいても各区間に有意な差は見られなかった。背脂肪の脂肪酸組成ではC18:0が青色照明区で低い値を示し, 無灯火区と青色照明区間に有意な差が見られた (P<0.05)。また, C18:2では無灯火区が低い値を示し, 無灯火区と赤色照明区間に有意な差が見られた (P<0.05)。胸最長筋内脂質の脂肪酸組成ではC14:0が無灯火区で高い値を示し, 無灯火区と白熱灯照明区間に有意な差が見られた (P<0.05)。またC18:0では赤色照明区が高い値を示し, 無灯火区と赤色照明区間, 赤色照明区と青色照明区および白熱灯照明区間に有意な差が見られた (P<0.05)。その飽和脂肪酸は赤色照明区が高い値を示し, 赤色照明区と青色照明区および白熱灯照明区間, 青色照明区と白熱灯照明区間に有意な差が見られた (P<0.05)。また不飽和脂肪酸は赤色照明区が低い値を示し, 赤色照明区と青色照明区および白熱灯照明区間に有意な差が見られた (P<0.05)。さらに不飽和脂肪酸に対する飽和脂肪酸の比では赤色照明区が高い値を示し, 赤色照明区と青色照明区および白熱灯照明区間に有意な差が見られた (P<0.05)。血中脂質成分では, 中性脂肪, 総コレステロールおよびHDL-コレステロール量は各区間に有意な差は見られなかった。しかし, 総コレステロールに対するHDL-コレステロール比では青色照明区が低い値を示し, 青色照明区と赤色照明区間に有意な差が見られた (P<0.05)。
著者
山田 未知 平山 紀子 山田 幸二 杉田 昭栄 山内 克彦
出版者
日本養豚学会
雑誌
日本養豚学会誌 = The Japanese journal of swine science (ISSN:0913882X)
巻号頁・発行日
vol.39, no.3, pp.166-174, 2002-09-20
参考文献数
17
被引用文献数
1

照明の色が豚の発育性・産肉性および脂肪組織と筋肉の脂肪酸組成に及ぼす影響について検討した。肥育前期・後期・試験期間全体の一日平均増体量および飼料要求率は、無灯火区、赤色照明区、青色照明区、白熱灯照明区の各区間に有意な差は見られなかった。枝肉歩留および背脂肪の厚さにおいても各区間に有意な差は見られなかった。背脂肪の脂肪酸組成ではC18 : 0が青色照明区で低い値を示し、無灯火区と青色照明区間に有意な差が見られた(P<0.05)。また、C18 : 2では無灯火区が低い値を示し、無灯火区と赤色照明区間に有意な差が見られた(P<0.05)。胸最長筋内脂質の脂肪酸組成ではC14 : 0が無灯火区で高い値を示し、無灯火区と白熱灯照明区間に有意な差が見られた(P<0.05)。またC18 : 0では赤色照明区が高い値を示し、無灯火区と赤色照明区間、赤色照明区と青色照明区および白熱灯照明区間に有意な差が見られた(P<0.05)。その飽和脂肪酸は赤色照明区が高い値を示し、赤色照明区と青色照明区および白熱灯照明区間、青色照明区と白熱照明区間に有意な差が見られた(P<0.05)。また不飽和脂肪酸は赤色照明区が低い値を示し、赤色照明区と青色照明区および白熱灯照明区間に有意な差が見られた(P<0.05)。さらに不飽和脂肪酸に対する飽和脂肪酸の比では赤色照明区が高い値を示し、赤色照明区と青色照明区および白熱灯照明区間に有意な差が見られた(P<0.05)。血中脂肪成分では、中性脂肪、総コレステロールおよびHDL-コレステロール量は各区間に有意な差は見られなかった。しかし、総コレステロールに対するHDL-コレステロール比では青色照明区が低い値を示し、青色照明区と赤色照明区間に有意な差が見られた。(P<0.05)。
著者
久保 章 川本 勝 福島 恒男 石黒 直樹 仲野 明 杉田 昭 山崎 安信 土屋 周二 鴻丸 裕一
出版者
The Japan Society of Coloproctology
雑誌
日本大腸肛門病学会雑誌 (ISSN:00471801)
巻号頁・発行日
vol.38, no.2, pp.123-128, 1985 (Released:2009-06-05)
参考文献数
9

潰瘍性大腸炎症例の便中細菌叢を,経時的に検索し,それぞれの病期の推移によりどのような変化を来たすか比較検討した.本症患者14例について,延べ36回便を採取し嫌気性培養を施行し細菌叢を検索した.本症では,罹患範囲にかかわらず緩解期から活動期またはその反対の経過を追って調べると,便中総菌数と嫌気性菌数がほぼ例外なく活動期に著明に減少し,各菌群の中では,BacteroidaceaeとEubacteriumが同様の変動を示した、本症の活動期においてこのような変化を来たす原因として,第1に炎症性変化が強い為,粘膜の恒常性が保たれないこと,第2に腸通過時間の変化により腸管内環境が変化すること,第3に何らかの機序により大腸内の酸素張力の増加,酸化・還元電位の増加がおこっていること,などが考えられた.索引用語:潰瘍性大腸炎,便中細菌叢,嫌気性菌
著者
小原 尚 小金井 一隆 辰巳 健志 二木 了 黒木 博介 山田 恭子 荒井 勝彦 杉田 昭 福島 恒男
出版者
一般社団法人 日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.51, no.3, pp.245-252, 2018-03-01 (Released:2018-03-28)
参考文献数
32

30歳未満で難治性直腸肛門病変に対して直腸切断術を施行したクローン病17例の臨床経過と予後を検討した.適応となった病態はのべ症例数で,直腸肛門狭窄12例,難治性痔瘻9例,直腸瘻4例,直腸膣瘻2例,骨盤内膿瘍2例,直腸尿道瘻1例,直腸周囲膿瘍1例,aggressive ulceration 1例,痔瘻癌1例であった.これらの病変により,全例,日常生活や就労・就学に支障を来していた.術後は前述の症状は全例で改善し,術前から未就労であった2例は未就労のままであったが,15例(88%)が就労,就学が可能となった.術後合併症は14例(82%)に認め,のべ症例数で人工肛門関連合併症8例,正中創SSI 5例,会陰創治癒遅延3例,性機能障害(術直後)2例,癒着性イレウス2例であった.クローン病の難治性直腸肛門病変に対する直腸切断術は術後合併症があるものの,自覚症状の改善とQOLの向上に有効であり,若年者に対しても考慮すべき治療の選択肢と考えられた.
著者
髙津戸 望 青山 真人 杉田 昭栄
出版者
日本家畜管理学会
雑誌
日本家畜管理学会誌・応用動物行動学会誌 (ISSN:18802133)
巻号頁・発行日
vol.52, no.2, pp.85-97, 2016-06-25 (Released:2016-12-27)
参考文献数
28

ヒヨドリによる果樹食害の対策法を検討するために、各種光波長の発光ダイオード(LED)を果実に照射し、ヒヨドリの採食行動がどのような影響を受けるかを試験した。実験には、野生から捕獲したヒヨドリを供試した。赤(630nm)、黄(590nm)、緑(525nm)、青(470nm)の4種のLEDと、対照として一般的な蛍光灯を用い、各個体を単独飼育下で実験した。ヒヨドリ5羽に8段階の成熟度の異なるイチゴを同時に提示する選択実験を行なった結果、蛍光灯を照射した対照区でヒヨドリは成熟度が最も高い果実を優先的に選択したが、各色LEDの照射時には、成熟度の高いイチゴを選択する行動に有意差があった。特に青色LED照射時は、ヒヨドリがイチゴを選択するまでの時間が有意に長くなり、イチゴを1つも選択せずに終了した試行が3個体で4試行観察された。一方、ヒヨドリ4羽に7段階の成熟度の異なるブドウを同時に提示する選択実験を行なった結果、いずれのLED照射時においてもヒヨドリは成熟度の高い果実を選択し、その選択行動に相違はなく、青色LED照射時も含め、果実を選択するまでの時間にLEDによる差はなかった。これらの結果より、イチゴでは青色LEDを照射することで、ヒヨドリの採食行動を抑制することが期待できたが、ブドウのようにこの効果が期待できない果実もあることが分かった。LEDの照射によるヒヨドリの果実採食行動への影響は、本来の果実の色により異なることが示唆された。
著者
青山 真人 杉田 昭栄
出版者
宇都宮大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

本研究では、ヤギがトラック輸送により乗り物酔い(動揺病)になるか否かを検討した。ヒトに悪心(気分が悪いこと)や嘔吐を誘発する薬剤であるシスプラチンをヤギに投与したところ、顔を下に向け、動きが鈍くなった(これを「悪心様状態」とする)。また、ヤギをトラックで輸送すると、悪心様状態と類似の状態が誘発された。酔い止め薬として市販されている「ジフェンヒドラミン」を輸送前にヤギに投与すると、悪心様状態はかなり軽減された。これらのことより、ヤギは輸送により動揺病になるものと考えられた。
著者
青山 真人 駒崎 孝高 杉田 昭栄 楠瀬 良
出版者
Japanese Society of Animal Science
雑誌
日本畜産學會報 = The Japanese journal of zootechnical science (ISSN:1346907X)
巻号頁・発行日
vol.74, no.2, pp.241-250, 2003-05-25

ウマ同士の社会行動にともない顔や体に現れる特徴の意味の把握は,ウマがヒトに対しても同じ行動を取ることから,現場でのウマの取り扱いにおいて重要な情報になると考えられる.そこでわれわれは,日常的にウマに接している者(ウマ取扱者)およびウマに接する機会が少ない者(非取扱者)を対象に,互いに社会行動をしている2頭のウマの写真からその社会的関係を推察し,さらに判断の手がかりとして注目した部位を回答させるアンケート調査を行なった.ウマ取扱者189名の正解問題数の平均は6.01問(全11問 ; 正解率54.6%),非取扱者53名のそれは5.26問(正解率47.9%)であった.両群とも,無作為に回答した場合よりも有意に高い正解率であったが,ウマ取扱者のそれは非取扱者のそれよりも有意に高かった.ウマ取扱者が回答の際に注目した部位については,耳が38.0%でその頻度がもっとも高く,次いで体全体33.5%,顔全体 23.9%の順であった.非取扱者による注目部位は,高い順に耳29.6%,顔全体20.6%,目15.6%であった.一方,回答者を7問以上正解者(7以上群)と6問以下正解者(6以下群)に分けて比較すると,ウマ取扱者については耳(ただしP=0.091)および顔全体において,非取扱者では首の向き・角度および体全体において,7以上群の方が有意に高い頻度でこれを注目した.各問題の回答を解析すると,一方のウマがその耳や首をもう一方のウマに向けている状態(社会的に劣位のウマが耳を上位のウマに向けて気にしている様子など)が正解の手がかりとなった状況については,ウマ取扱者と非取扱者の正解率や観察の仕方は類似した.しかし,ウマの耳や首がもう一方のウマの位置と関係なく特異的な状態になる場合(耳を後方へ倒す威嚇の表情など)は,ウマ取扱者と非取扱者の観察の仕方は異なり,ウマ取扱者の正解率が高かった.ウマに接して来た経験をもとにウマの耳および首の向き・角度に注目することは,ウマの社会的な状況を推察するのに有効であると示された.