著者
宮園 晃輝 中間 洸太 住友 佑樹 東野 伸一郎
出版者
一般社団法人 日本航空宇宙学会
雑誌
航空宇宙技術 (ISSN:18840477)
巻号頁・発行日
vol.19, pp.131-140, 2020 (Released:2020-12-05)
参考文献数
14
被引用文献数
1 1

A runway for the operation of a fixed-wind UAV cannot be always available in practical missions and there is no handy method for landing in confined space while a catapult can be used for launch. The purpose of this paper is to develop a new vertical landing method using the flat spin. Flat spin is the motion that an aircraft rotates horizontally while it is descending vertically. In order to control its touchdown position to a desired position, it is necessary to generate centripetal force to control UAV's descent path to target direction while descending vertically. This paper shows the method to change the path during vertical descent, as well as the result of flight tests and wind tunnel tests.
著者
東野 伸一郎
出版者
一般社団法人 日本航空宇宙学会
雑誌
日本航空宇宙学会誌 (ISSN:00214663)
巻号頁・発行日
vol.63, no.7, pp.215-222, 2015-07-05 (Released:2017-06-08)

近年は国内でも無人機がかなり一般的に知られるようになってきた.マスコミも「無人航空機」あるいは「無人飛行機」などの代わりに「無人機」という用語を使いつつあるようである.おそらく福島原発での活躍や,北朝鮮の無人機,また最近は「ドローン」と呼ばれることの多いマルチコプターがしばしばニュースとなるようになったことなどの影響であろう.福島原発の例からもわかるように,過酷な環境で人間パイロットに代わって業務を行う無人機は,国内のみならず北極や南極などの極域における科学観測においても大変有用である.日本の南極観測に関しては,2004年頃から国立極地研究所の一部の研究者グループが固定翼無人機を南極昭和基地で利用することを試みたのが始まりである.筆者は偶然このグループに関わる機会を得て,南極の夏期における観測のために,国立極地研究所や福岡大学との無人機の共同開発と,南極の夏期シーズン(12月〜1月)のみではあるが,2010年から2015年まで4回の夏期シーズンにわたって実際に南極で観測・運用を行う機会を得た.本稿では,極域の特に南極における各国および日本の無人機観測の動向と,筆者が関わった観測・運用の実際と課題等について述べる.
著者
東野 伸一郎 長崎 秀司
出版者
九州大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2014-04-01

本課題では,フラットスピンを利用した小型固定翼UAVの自動垂直着陸を実現する方法を研究した.通常の機体であってもフラットスピンにエントリーさせるために,バラストを利用して必要な時のみ機体の重心位置を後退させ,フラットスピンにエントリーさせる方法を考案し,飛行実験によってその有効性とスピン中の姿勢がほぼ水平になることを確認した.また,スピン中の姿勢がフラットになることにより,降下中の速度がかなり小さくなることが確認された.さらに,フラットスピン中の機種が所望の方向を向いた瞬間に推力を与え,飛行経路を変更する方法を考案し,飛行実験によって所望の方向に経路移動が可能であることを示した.
著者
林 政彦 東野 伸一郎
出版者
福岡大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2011

成層圏エアロゾル層の観測を飛躍的に発展させるために,安価で,観測装置および大気試料の回収が可能な観測プラットホームを開発した。観測装置を搭載した翼幅約3mのモータグライダーに,エアロゾル計数装置,エアロゾルサンプラーを搭載し,ゴム気球で飛揚,目的最高高度で気球を分離し,地上基地に自動で最適航路を選択しながら帰還させる。システム開発を国内における実験で行い,実地観測を南極昭和基地において,2013年1月に実施した。小型ゴム気球により,観測を行いながら飛揚したのち,気球を分離し,観測拠点まで自律帰還させることに複数回成功した。観測最高高度は成層圏下部に達する高度10kmであった。
著者
石川 尚人 東野 伸一郎 吉村 令慧 望月 伸竜 加々島 慎一
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2017-04-01

本研究は、大陸リフトから海洋底拡大へと現在進行しているエチオピア・アファール凹地において、近年拡大現象が起こったDabbahu Riftとその周辺域を対象に、陸上での電磁気探査、地表溶岩流の岩石学的・古地磁気学的解析、無人小型飛行機による航空磁気探査を行い、プレート拡大軸域の磁気異常の分布と構造、その形成過程を明らかにすることを目的としている。今年度は10月22日~11月5日にエチオピアに渡航し、Dabbahu Riftの南方約40kmの地点にリフトの延長方向に直交する測線(約60km)をとり、MT探査(14地点、約6時間観測)と溶岩流からの試料採取(古地磁気解析用18地点53個、岩石学的解析用10地点22個)を行った(現地調査6日間)。MT探査から、測線中央部の地下約4km以深に熱源の存在を示唆する低比抵抗域、その両側には高比抵抗域があることがわかった。同測線で2016年に行った磁場探査のデータ解析から、測線中央部に負、その両側に正の異常がある長周期の磁気異常が確認された。以上から、測線中央部を軸とする拡大現象による上記の磁気異常の形成が示唆された。溶岩流の古地磁気学的解析から、測線東端は逆帯磁、他は正帯磁の残留磁化もち、測線中央部ほど磁化強度が強いこと、上記の磁気異常に重なる短周期の磁気異常の変動が溶岩流の磁化強度の強弱を反映していることがわかった。岩石学的解析から、溶岩流が中央海嶺玄武岩であり、測線中央部からの距離に応じ化学組成が系統的に変化することがわかった。航空磁気探査のため、無人飛行機と磁気センサシステムの製作・調整を行った。また無人飛行機の持込・使用の許可を得るために、エチオピアの関係機関と同国の研究協力者を通じて渡航時を含め折衝し、2018年夏頃に許可が得られる見通しとなった。以上から次年度からの航空磁気探査の実施の目処がたった。
著者
満武 勝嗣 東野 伸一郎
出版者
一般社団法人 日本航空宇宙学会
雑誌
日本航空宇宙学会論文集 (ISSN:13446460)
巻号頁・発行日
vol.58, no.677, pp.153-163, 2010 (Released:2010-07-23)
参考文献数
10
被引用文献数
3 5

The authors have proposed the A*-EC hybrid path planning method which can generate a 3D flight path quickly considering terrain and obstacle avoidance. This paper proposes two methods to improve its calculation time in order to apply it to a larger scale problem in real time. Using the two methods, the calculation time reduces approximately from half to quarter. The authors measure the calculation times to examine the performance of the improved A*-EC method by changing the number of waypoints and ``nodes'' which are the apexes of the 3D cells expressing terrain and obstacles. Calculation time is about 10—100 seconds in case of 50—100 waypoints and 2000—7500 nodes. The authors apply the method to a large scale problem in which there are 61 waypoints and about 7000 nodes, and actual topological information and recorded weather information are used as obstacles. The simulation result shows the method can be used in real time.
著者
船木 實 東野 伸一郎 坂中 伸也 岩田 尚能 中村 教博
出版者
国立極地研究所
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

小型無人飛行機により、南極・ブランスフィールド海盆にある Deception 島で空中磁気観測等を行い、同島の北半分と周辺海域の磁気異常を明らかにした。 本研究により、南極でも無人飛行機による科学観測が可能で、安全で大きな費用対効果を持つ ことが示された。King George 島では岩石磁気、年代、それに磁気異常の研究が行われ、ブラ ンスフィールド海盆が典型的な背弧海盆の特徴を持つことを明らかにされた。