著者
金村 在哲 西川 哲夫 松原 伸明 日野 高睦 冨田 佳孝 三谷 誠 原田 俊彦 井口 哲弘
出版者
医学書院
雑誌
臨床整形外科 (ISSN:05570433)
巻号頁・発行日
vol.35, no.3, pp.211-214, 2000-02-25

抄録: 潰瘍性大腸炎に破壊性の股関節炎を合併した1例を経験した.症例は33歳の女性で,12歳時より腹痛と下痢を主訴に潰瘍性大腸炎の診断にて加療を受けていたが,翌年より腹部症状の増悪時には膝,肘および股関節の移動性,一過性の疼痛を自覚していた.31歳時より右股関節痛が増強し,保存的治療を受けたが症状の軽快はなく,X線像上も関節破壊の進行を認めたため,右股関節に対して双極性人工骨頭置換術を施行した.術後経過は良好で疼痛は消失している. 潰瘍性大腸炎では種々の腸管外合併症が認められているが,その中でも脊椎および関節症状は血清反応陰性脊椎関節症の範疇に属している.その特徴は急性に発症し,一過性,移動性に生じるびらん性変化を伴わない非破壊性の関節炎とされている.自験例では破壊性の股関節炎を合併し,観血的治療にまで至った稀な1例であり,人工骨頭置換術を施行し良好な結果を得た.
著者
小柴 等 相原 健郎 小田 朋宏 星 孝哲 松原 伸人 森 純一郎 武田 英明
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.51, no.8, pp.1452-1468, 2010-08-15

ICT(Information and Communication Technology)の発展・普及にともなって,情報爆発という問題が顕在化してきた1).この情報爆発と呼ばれる問題への対策の1つとして,ユーザの望む,ユーザに適した情報を提供するための情報推薦技術が研究・開発されている.しかしながら,情報爆発の勢いはとどまることを知らず,すでに推薦結果であるユーザに適した情報までが氾濫しつつある.そこで本論文では,ネット上や物理世界における行動ログデータが多数蓄積された世界を想定し,従来の推薦手法に加えて,推薦結果である情報がユーザに受け入れられる可能性(情報の受容度)まで考慮した情報推薦手法を提案し,実験により評価した.具体的には,まず,社会心理学の知見をベースに説得性と称するユーザ間の情報受容度を算出するモデルを提案した.次に,実際の商店街を舞台に一般募集の被験者を対象として,行動ログデータを収集した.そのうえで,それらの行動ログデータを用いて説得性の算出を行い,被験者による評価実験を行った.評価実験の結果は,おおむね我々の仮説を好意的に支持するものであり,本論文において提案した"説得性を考慮した情報推薦手法"が,有効に作用することが確認できた.In the "information explosion" are when we can access the increasing amount of information available in digital form from anywhere and at anytime, a filtering method is one of the most important technologies to be solved; how to identify information whether it is adequate and relevant to a user or not. Although many information recommendation systems have been proposed, existing methods could not solve the problem of "overflow" of recommendations, if they judge the information only by using similarity measures of contents. In this paper, we propose a new recommendation approach based on persuasibility among users. We focus on lifelogging both in the real world and the information world. Our recommendation model the information acceptability of information from unknown users and assume that the information of highly persuasible users tend to be accepted than ones of little persuasible users. Our persuasibility model consists of expertise, trustworthiness, likability, and similarity which is typically used in collaborative filtering methods. We carried out some experiments for evaluating our method. Firstly, we developed a specific recommendation model and an experimental recommender. Secondly, we set an experiment to collect lifelogs in a authentic situation. In this experiment, we used 52 shops in a small but very popular town in Tokyo, and about 700 consumers were involved. Finally, we set up another experiment for evaluation of our recommender using a subset of these participants. Our experimental results suggest that our proposed "persuasibility-based recommender" is more useful than general collaborative filtering.
著者
山守 一徳 松原 伸樹 Yamamori Kazunori Matsubara Nobuki
出版者
三重大学教育学部
雑誌
三重大学教育学部研究紀要 自然科学・人文科学・社会科学・教育科学・教育実践 = Bulletin of the Faculty of Education, Mie University. Natural Science, Humanities, Social Science, Education, Educational Practice (ISSN:18802419)
巻号頁・発行日
vol.71, pp.1-13, 2020-02-28

大学のネットワーク内には、ウィルス感染に気付かずにいる利用者が少なからず存在し、被害が広がってしまう恐れがある。ウィルス駆除ソフトをダウンロードしてインストールできる環境にありながら、最新版をインストールせず無頓着に利用を続ける場合だけでなく、ウィルス駆除ソフトで検出されないウィルスが隠れていたりする。ネットワーク管理者は、ネットワークデータの挙動から怪しい端末を見つけることがあるため、そのために役に立つ手法を述べる。この提案する手法は、ネットワーク管理者だけでなく、Windows を利用する個々人にも役に立つ手法であり、自分のWindows パソコン上に怪しいマルウェアが動いているのではないかと心配になった時に調べて、マルウェアを突き止める方法である。
著者
松原 伸一
出版者
滋賀大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1997

本研究は,学習者の自己教育力を高めるための自己意識形成を支援するシステムの開発に関するものである。本研究の成果は,【encircled 1】授業展開の学習モデルの提案とその支援システムに関するもの,【encircled 2】自己教育力を高めるための分析視点の育成に特化した二値応答接近法の開発に関するもの,【encircled 3】自己教育力を高めるための状況下における質問とその応答に関するものに大別される。【encircled 1】は主に初年度に行われたもので,抽象的で曖昧な自己の持つ意識・概念を分かりやすく表現し,思考活動を活性化させることにより,問題を自ら意識させ,反省を促して,行動変容を自然な形で起こさせるようなソフトな学習(変容)モデルを前提としている。このような視点に立ち授業展開の学習モデル構築のための支援システムとしてハイパーテキストファイル生成システム(HTFGS)を開発した。【encircled 2】は第2年度において開発されたもので,学習環境および支援環境を検討し学習者の思考活動をさらに支援することを目的に,連想の考え方を取り入れ分析的視点の育成に特化した手法であり,これを二値応答接近法(BRAM:Binary Response Approaching Method)と名づけた。この方法は,ある刺激語を学習者に与えて連想させることにより,表出された語(連想語)を対象として,それらを分析するための思考活動を支援する方法である。第3年度においては,本手法を充実させる上で分析手法の拡張・充実が急務であったので,これを整理し分析手法を開発した。ここで開発された二値応答接近法の分析体系は,項目分析,関連分析,応答パターン分析(列パターン分析,行パターン分析,マトリックスパターン分析,2次元ソート分析,応答距離分析)および理由分析である。【encircled 3】については,第3年度に成果を得たもので,情報教育または情報技術教育において学習者が発する質問を状況設定の条件のもとに,被験者による応答実験を行ったものである。
著者
水野 義之 菅井 勝雄 松原 伸一 三宅 正太郎
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会研究会研究報告
巻号頁・発行日
vol.12, no.5, 1998

近年, 情報・環境などをテーマとする総合的学習への対応や, 自然科学分野を選択する生徒の減少などが問題となる一方, 欧米を中心に技術リテラシーの育成が話題になっています。そこで, 本シンポジウムでは, 最先端の物理を教育現場に届けるWebサイトの裏方を務めながら基礎科学の重要性を訴えておられる水野先生, Technology for All Americansの動きを調べながら科学に根ざした新しい技術教育を模索されている松原先生, 社会と科学や新しい技術との関係を社会的構成主義の立場から検討されている菅井先生, 新しいメディアの活用を受け手である学習者の立場から検討されている三宅先生に, これまでの取り組みや展望を話し合っていただきたいと思っております。
著者
坂井 貴志 青景 圭樹 三好 智裕 松原 伸晃 石井 源一郎 関原 圭吾 菱田 智之 吉田 純司 坪井 正博
出版者
特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会
雑誌
日本呼吸器外科学会雑誌 (ISSN:09190945)
巻号頁・発行日
vol.31, no.1, pp.3-7, 2017-01-15 (Released:2017-01-15)
参考文献数
10

背景:縦隔原発非セミノーマ胚細胞腫瘍(non-seminomatous germ cell tumor:NSGCT)の治療は化学療法が第一選択であり,手術は通常,腫瘍マーカーが正常化した症例における残存病変に対して行われる.一方,正常化が得られない場合にも手術が施行されることがあるが,その治療成績,予後は明らかにされていない.対象:2008年8月から2013年2月までに当院で施行されたNSGCTに対する手術症例7例.結果:AFPは初診時全例で高値,化学療法後正常化せず手術に臨んだ症例は3例であった.そのうちviable cellの遺残を認めた1例で術後再発があり原病死しているが,他2例においては無再発生存が得られている.結語:縦隔原発NSGCTでは,化学療法後にAFPが正常化しなくても大幅な減少が得られれば,残存病変切除により長期生存を期待できる症例がある.
著者
小柴 等 相原 健郎 森 純一郎 小田 朋宏 星 孝哲 松原 伸人 武田 英明
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.51, no.1, pp.63-81, 2010-01-15

本論文では,ブログとライフログを利用した記憶の想起と記録の支援システムの提案と,当該システムの一般ユーザにおける受容性について述べる.まず,ブログやライフログをめぐる現状の課題に関する概観について述べ,それらの課題を解決するために,ライフログデータをもとにしたブログ生成支援システムの提案と,支援システムを支える,ライフログデータからのユーザの興味・関心推定手法の提案を行う.次いで,実店舗と一般ユーザを用いた実証実験により,当該システムの有効性と受容性について考察を行う.実証実験の結果からは,ライフログデータをもとにしたブログ生成支援システムについて,ふだんブログに関する活動に積極的でないユーザからも多くの記事が編集されるなど,広く受容され,有効に機能したこと,筆者らの提案する興味・関心推定手法は,単純に滞在時間によって興味・関心を推定する手法に比べて,より高精度に興味・関心を推定できること,ライフログデータをもとにブログ記事のひな形を作成する際に,ユーザの興味・関心という主観を用いてデータを丸めることで,行動情報の取得に対する嫌悪感が低減され受容されやすくなる可能性のあること,などを示唆するデータを得た.We propose a methodology for memory recall and memo aid by an integrated system of blog and lifelog in this paper. We start off by discussing the relevant blog and lifelog issues. We then propose a solution that consists of two components. The first component is a blog authoring aid system based on lifelog data. It is a blog system integrated with lifelog for memory recall and memo aid. It automatically generates blog templates from lifelog data. The second component facilitates the interest estimate algorithm. The algorithm is implemented in the system in order to generate more acceptable blog templates. We have been conducting an experimentation using general customers as the subjects in an actually operating general store of up-to-date popular items. Our experimental results reveal that the proposed system supported the users to post blog entries. One interesting observation is that inactive blog users post as many blog entries as active blog users when using our system. The results also show that the proposed interest estimation algorithm is more accurate than a stay-time based method. In addition, it was found that the proposed method provides a positive result to reduce negative attitudes against behavior logging.