著者
川井 正弘 松本 孝芳 升田 利史郎
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
日本化学会誌
巻号頁・発行日
vol.1995, no.7, pp.540-543, 1995

6-O-カルボキシメチルキチソ(以下,CM-キチンと略す)は,金属イオンの吸着剤として注目され,吸着した金属イオンとの親和性により系のレオロジー的性質が変化する.また,CM-キチン水溶液は適当な三価の金属陽イオンによりゲル化し,このゲルは医用高分子材料として注目されている.しかしながら,ゲル化に及ぼす添加陽イオン種の影響は明らかでない.本研究では,その影響をレオロジー測定を通して研究した.レオロジー測定は10wt%CM-キチン水溶液に種々の濃度で塩化アルミニウム,塩化ガリウム(III),塩化インジウム(III)を添加した系について,円錐-円板型レオメーターを用いて測定温度25℃ で行った.ゲル化するに要する添加塩の量は,塩化イソジウム(III),塩化アルミニウム,塩化ガリウム(III)の順に増加した.これは,水溶液中におけるこれら三価金属イオンのCM-キチン分子を拘束する力が,In<SUP>3+</SUP> > Al<SUP>3+</SUP> > Ga<SUP>3+</SUP>の順に低下するためと考えられる.
著者
松本孝輔 訓
出版者
松本孝輔
巻号頁・発行日
1878
著者
北尾 直也 八幡 剛浩 松本 孝朗 岡松(小倉) 優子 大町 麻子 木村 和弘 斉藤 昌之
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
The journal of veterinary medical science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.69, no.10, pp.1065-1068, 2007-10-25

脱共役蛋白質UCP1は熱産生組織である褐色脂肪に特異的に発現し,寒冷下における体温調節に寄与している.高原性ナキウサギ(Ochotona dauurica)はモンゴルや中国北方の寒冷高地帯に生息する小型の非冬眠動物であり,同環境への適応にUCP1の関与が示唆されている.本研究では,高原性ナキウサギのUCP1 cDNAをクローニングし,ヌクレオチド配列を決定した.予想されるアミノ酸配列は他の動物種のUCP1と高い相同性を示し,UCPファミリーに共通するいくつかの配列が確認された.また,様々な組織におけるUCP1 mRNAおよび蛋白質を調べたところ,肩甲骨間の皮下脂肪組織に発現が認められたが,他の部位の脂肪組織や心臓,骨格筋,脳などには発現が認められなかった.これらの結果は,高原性ナキウサギのUCP1が褐色脂肪組織での熱産生に貢献していることを示唆する.
著者
高橋 真美 松本 孝
出版者
昭和女子大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

コレステロール低下作用を有するモナコリンKは紅麹が産生する二次代謝産物である。モナコリンK含有紅麹(紅麹)のパンへの有効活用を目的に、紅麹がパンの組織と官能評価に及ぼす影響について検討した。組織観察では、紅麹添加パンは、気泡壁にも小孔が観察された。官能評価の結果、0.05%および0.1%紅麹添加パンは、6項目において高く評価された。生体内における影響は、ラットに5週間紅麹添加パンを摂取させ分析した結果、体重変化は認められなかったが、血中の総コレステロールは紅麹無添加パン群と比較して、紅麹添加パン群は低下した。
著者
八尾 滋 宮川 淑人 松本 孝芳
出版者
一般社団法人 日本レオロジー学会
雑誌
日本レオロジー学会誌 (ISSN:03871533)
巻号頁・発行日
vol.14, no.2, pp.77-81, 1986-06-20 (Released:2012-11-20)
参考文献数
11

Linear and nonlinear viscoelastic properties of disperse systems of photosensitive particles were studied in relation to the degree of aggregation of dispersing particles. The disperse system has the characteristic long-time relaxation process attributed to the aggregate structure of dispersing particles. In that relaxation process, the system in which the dispersing particles aggregate in some degree shows markedly nonlinear viscoelasticity. The characteristic relaxation time in the long-time relaxation process can be closely related with the rotational diffusion of the aggregate. It is also shown that the characteristic relaxation time is independent of the dynamic strain amplitude.