著者
葛 崎偉 中田 充 呉 靭 松野 浩嗣 北沢 千里
出版者
山口大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2020-04-01

経脈とは東洋医学における人体の代謝物質(気と血)の通り道であり,経穴(ツボ)の連絡系(道)を指す.鍼灸治療は鍼や灸で経穴を刺激することにより,気や血の流れを良くする治療法であり,世界保健機関(WHO)にも認められている.本研究では鍼灸治療を支援するシステムに関する三つの技術を開発する.その一つ目は東洋医学における五行説,臓腑の表裏関係,経穴の補瀉(ほしゃ)役割等に基づいた人体モデル構築の手法である.二つ目は東洋医学の診察法である四診(望診・聞診・問診・切診)のデータ解析の手法である.三つ目は四診の解析結果と人体モデルを用いて鍼灸治療法を推定するシミュレーションシステム設計の手法である.
著者
松野 浩嗣 乾 秀行 呉 靱
出版者
山口大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2011-04-28

2つの異なる言語の同一性判定問題は、世界言語照合の研究の主な問題に一つである。本研究では、言語名類似性と言語分類類似性の2つの尺度を用いてこの判定を行う行うアルゴリズムを提案し、実験により88%の正解率の照合結果を得ることができた。さらに、兄弟情報を考慮することで、この正解率を向上させることができた。この手法のさらなる改良、すなわち、これら2つの尺度のうち、どちらか一方が完全な照合であるときにでも不一致とする問題点を解決するため、さらに2つの基準である、言語情報と兄弟情報による類似性と言語名と分類情報による基準を定め、その効果を実験的に確認した。
著者
松野 浩嗣
出版者
一般社団法人 電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会 基礎・境界ソサイエティ Fundamentals Review (ISSN:18820875)
巻号頁・発行日
vol.4, no.4, pp.293-300, 2011 (Released:2011-04-01)
参考文献数
20
被引用文献数
1

ペトリネットは細胞内の反応経路や遺伝子・たん白質等の制御関係をモデル化するための形式的手法として活発に研究され,最近ではシステム生物学の道具の一つとして定着しつつある.最近のシステム生物学における形式的モデル化手法の研究動向についてペトリネットの特徴を踏まえながら紹介した後に,細胞内反応経路解析へのペトリネット理論の適用例について簡単に述べ,更に筆者が主に研究しているハイブリッドペトリネットによって生物時計モデルを作成しシミュレーション実行した応用例について述べる.
著者
呉靭 松浦佑哉 松野浩嗣
雑誌
研究報告数理モデル化と問題解決(MPS)
巻号頁・発行日
vol.2014-MPS-100, no.6, pp.1-3, 2014-09-18

近年,分子系統学の手法を言語学に応用し,言語系統樹を推定するアプローチが注目を集めている。本発表では,基礎語彙に基づいた分子系統学の手法による言語系統樹の推定方法を調査し報告する.これを踏まえ,我々の研究展開の位置づけおよび方向性などを示す.
著者
重安 哲也 松野 浩嗣 森永 規彦
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.45, no.8, pp.793-800, 2004-08-15

IEEE802.11bを始めとする無線LAN(Local Area Network)技術は,高度情報通信社会環境を構築する上でも欠かすことのできない社会基盤技術の1つとして位置づけられているそこで,本稿ではすでに普及段階にあるものから,標準化作業中のものを含めた無線LAN各規格を概観するとともに,各規格中で規定されているプロトコルに関する簡単な解説を行う.なお,無線LAN技術標準の中にはIEEE802.11のようにIEEE802委員会が標準化を行っているものや,欧州のETSI-BRAINが策定するHIPERLAN/2や,ARIB STD-T70として標準化されたHiSWANa (High Speed Wireless Access Network a)などさまざまなものがあるが,今回はIEEE各規格に限定して概観する. "
著者
辻 正二 中村 彰治 原田 規章 坪郷 英彦 松野 浩嗣 石田 成則 高野 和良 速水 聖子 鍋山 祥子 林 寛子 高橋 征仁
出版者
山口大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

現在の高度産業社会には、これまで人類の歴史が経験したことのない新しい時間問題が生まれている。これまで人類は、進化の中で身につけた生命的時間と人間が自ら形成した社会的時間をうまく調和させてきたが、今日のグローバル化と情報通信技術の進展によって生じたハイスピード化社会は、社会的時間を大きく変化させて、人類の時間構造に歪みを増幅させて、生命的時間に慢性的時差ボケを生みつつある。今回の時間意識の調査研究ではハイスピード化によって社会的時間の変化が生じており、これが生命的時間との間でズレを生んでいることがある程度明らかになった。調査データの分析からは、ハイスピード化が生命的時間に負の影響をもたらし、青年や高齢者に身体の不調(疲労やイライラ度や不眠や生理不順など)や社会病理の原因を生んでいることが明らかになった。
著者
大瀧龍 重安 哲也 浦上 美佐子 松野 浩嗣
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.52, no.1, pp.308-318, 2011-01-15

本論文では,自然災害発生時に効果的に災害救援活動を支援することを目的とした被災情報提供システムについて検討する.具体的には,災害発生直後にもシステムの運用を可能とするために,少ない通信機材でネットワークを構成すること,ならびに,避難所の存在位置の偏りに影響を受けずにバックボーン回線を実現するための指向性アンテナを有する幹線基地局を適切に配置するアルゴリズムについて提案する.また,提案したアルゴリズムの有効性を評価するために,柳井市をモデルとしたネットワーク適用例を示した結果について報告する.This paper discusses the development of a disaster information system that effectively supports disaster relief activities. The proposed algorithm designs the backbone shelter links of wireless nodes so that shelter locations are not biased, enabling the operation of the disaster information system with a small number of operators. In order to clarify the effectiveness of the proposed algorithm, this paper reports results of sample network modeled on Yanai city, constructed by the proposed algorithm.
著者
大瀧 龍 重安 哲也 浦上 美佐子 松野 浩嗣
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告電子化知的財産・社会基盤(EIP) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2009, no.2, pp.1-6, 2009-11-19

これまで,災害発生時の既設インフラ回復するまでの一時的な通信網として避難所間無線ネットワーク選択構築することで,安否情報や被災状況を自律的に収集・共有する被災情報提供システムの提案を行ってきた.同ネットワークで用いる避難所は耐震強度や収容可能人数で選択をすることを検討してきたが,ネットワークを構築する範囲や個々の地域特性の違いへの対応はこれまでに十分に検討されていなかった.本稿では,避難所間無線ネットワークを構築する範囲の決定方法と地域特性に柔軟に対応できるアルゴリズムの検討を行った結果について報告する.We have studied about the construction of wireless network system for exchanging safy information of evacuees and damage information of social infrastructures at disaster distressed area. In the system, shock-proof shelters having large cpasity for evacuees will be selected as wireless station. However, the system does not pay any consideration for geographical condition. Then this paper proposes a new network construction method which copes with a difference of geographical condition.
著者
杉井 学 松野 浩嗣
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告マルチメディア通信と分散処理(DPS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.16, pp.183-188, 2007-03-01

単語の出現頻度と語順解析を組み合わせた機械学習システムを用いて、スパムメールの特徴抽出を試みた。このシステムは、スパムメール群とそれ以外のメール群をそれぞれ正の学習例と負の学習例として与えると、学習例ごとに特徴的に出現する単語と文章中での出現パターンを解析して、二つの群を分ける規則を決定木として出力する。得られた決定木から、スパムメールの持つ特性について考察し、メールフィルターシステム構築の方策を検討した。We have tried to identify features of spam mails using machine learning system with a combination of word sequence analysis and the appearing rate of words. This machine learning system creates a decision tree as the classification rule from positive and negative examples by analyzing the distinctive features of words and its appearing patterns in a sentence. We discussed architecture and plan for constructing spam mail filter system on the basis of the decision tree functions getting from computational experiments of this research.