著者
荘林 幹太郎
出版者
学習院女子大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究では、連坦化促進のための手法として集落コミュニティによる農地所有の「一体化」が有効である可能性を検証することを主たる目的とした。事例地区に関する詳細な実証分析及び概念分析等を行った結果、土地所有者が協調して個別の所有権を大きく超える利用に対して規律をもたらす非農家主体土地所有者組合モデル(「新海モデル」)が、その規律がもたらす正の外部性が存在するときに土地利用効率上の大きな意味をもつことを明らかにした。それは「共有資源」の個別利用を主たる対象としたコモンズ論的に新たな視点を加えうるものであることも確認した。さらに、新海モデルの普及のために必要な政策的枠組みについての提案も行った。
著者
中嶋 康博 荘林 幹太郎 小川 茂男 合崎 英男 高橋 太郎 山田 七絵 佐藤 赳 鄭 暁雲 宋 敏 王 維真
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

メカニズムデザインの手法を用い、中国南西部の湿潤地域と中国北西部の乾燥地域のそれぞれにおいて、農業生産者の土地資源および水資源の利用に対する望ましい政策介入について分析した。分析においては地理情報システムおよびリモートセンシングの技術を活用し、地域の空間的な特徴を内生化した経済モデルの設計を行った。
著者
矢部 光保 荘林 幹太郎 田中 宗浩 西澤 栄一郎 林 岳 高橋 義文 陳 廷貴 黄 波 田村 啓二 辻林 英高
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

中国では畜産廃棄物が深刻な水質汚染をもたらしている。そこで、中国江蘇省にある出荷頭数 2.8 万頭の養豚場と近隣農家を対象に、ふん尿由来のメタン発酵消化液を液肥利用する試験を行い、その環境的・経済的効果を評価した。3 年間で液肥利用農地面積は、ゼロから 40ha に拡大し、農家は肥料代を大きく節減できた。また、消化液の投棄が防止され、有機性廃棄物循環、水質環境の改善、温室効果ガス削減に、液肥利用は貢献できることが実証された