著者
筒井 智樹 為栗 健 井口 正人
出版者
特定非営利活動法人 日本火山学会
雑誌
火山 (ISSN:04534360)
巻号頁・発行日
vol.66, no.2, pp.71-81, 2021-06-30 (Released:2021-07-27)
参考文献数
24

A seismic reflector at 13.6 km beneath western Aira Caldera, northmost part of Kagoshima Bay, Kyushu, Japan is discussed through later phase analysis of controlled source seismograms obtained in the experiment in 2008. A prominent seismic later phase appears at 8.3 s in travel time on the seismograms in northeastern Sakurajima Volcano for ray paths across western Aira Caldera in the seismic experiment in 2008. Back-azimuth of the later phase orientates center of western Aira Caldera and apparent velocity of 3.7 km/s is measured in the seismic array at northern Sakurajima Volcano. The later phase is inferred as P-SV converted reflection at 13.6 km depth from its travel time and a corresponding reflector located in the east off Osakigahana point, western part of Aira Caldera. Negative impedance contrast at the reflector is inferred from negative polarity of the onset of the later phase. Some clear later phases after S arrival, which appears in seismograms of natural earthquakes through trans-caldera ray paths, can be explained as SS reflection at the reflector. The reflector inferred as top surface of a possible magma reservoir of Aira Caldera, from its negative polarity and its location at depth of the west of known pressure source from preceding geodetic surveys.
著者
井口 正人 為栗 健 平林 順一 中道 治久
出版者
特定非営利活動法人 日本火山学会
雑誌
火山 (ISSN:04534360)
巻号頁・発行日
vol.64, no.2, pp.33-51, 2019-06-30 (Released:2019-07-06)
参考文献数
50

In order to find an empirical event branch logic from abnormal phenomena to following volcanic activity for forecasting scale and type of eruption, the magma intrusion rate prior to eruptions of Sakurajima volcano is examined using ground deformation mostly from observation data and partially based on legends, for eruptions after the 20th century: the 1914 eruption starting with plinian eruption followed by effusion of lava, the 1946 eruptions with lava effusion, eruptions at the summit crater of Minamidake during the period from 1955 to 2005, and vulcanian eruptions at Showa crater east of the summit from 2006 to 2017. Prior to the 1914 eruption, it is estimated that the magma intrusion rate attained a level of approximately 108m3/day and was on the order of 106m3/day during the effusion of lava in the 1946 eruption. During the eruptive period of Minamidake summit crater, three types of eruption occurred: vulcanian eruption, strombolian/lava fountain and continuous emission of volcanic ash. In cases of intrusion of magma forming a new conduit, the intrusion rate immediately before the 1914 eruption exceeded 108m3/day, but only 106m3/day in the dyke-forming event of August 15, 2015. Magma intrusion rate into a pre-existing conduit prior to eruptions at Minamidake summit crater are ordered as follows: vulcanian eruption (1×105 to 8×105m3/day)>continuous emission of volcanic ash (approximately 1×105m3/day)>strombolian/lava fountain (0.2×105 to 2×105m3/day). The magma intrusion rate prior to vulcanian eruptions at Showa crater is smaller (approximately 104m3/day) than for eruptions at Minamidake summit crater. However, the rate reached an order of 105m3/day prior to lava fountain on August 22, 2017. Magma intrusion rates well correspond to the scale and type of eruption. In the case of magma intrusion under detection, the change of volcanic gas and increase in the heat discharge rate are available for the empirical event branch logic.
著者
為栗 健 Sukir MARYANTO 井口 正人
出版者
The Volcanological Society of Japan
雑誌
火山 (ISSN:04534360)
巻号頁・発行日
vol.52, no.5, pp.273-279, 2007-10-31 (Released:2017-03-20)
参考文献数
15
被引用文献数
1

桜島火山において発生するハーモニック微動のモーメントテンソル解析を行った.B型地震群発後に発生する微動(HTB)と爆発的噴火直後に発生する微動(HTE)のモーメントテンソル成分に大きな違いはなく,等方成分は50%以上,CLVD成分は20~30%,DC成分は20%以下であった.鉛直方向のダイポール成分が大きく,鉛直方向の力が優勢な震源が推定される.震源は火口直下の浅部であり,爆発的噴火発生前に火口底直下に形成されているガス溜まりが微動の発生に関与していると考えられる.
著者
為栗 健 井口 正人 真木 雅之 中道 治久 味喜 大介
雑誌
日本地球惑星科学連合2019年大会
巻号頁・発行日
2019-03-14

桜島火山では1955年以降、山頂火口においてブルカノ式と呼ばれる爆発的噴火を繰り返している。東側山腹の昭和火口では2006年に58年ぶりに噴火が再開し、2009年以降は特に噴火活動が活発化していた。2018年以降は昭和火口から南岳山頂火口に噴火活動が再度移行している。爆発的噴火の特徴として、火山弾の放出、衝撃波の発生、急激な火山灰や火山ガスの放出が上げられる。他にも、頻度は少ないものの南岳山頂火口や昭和火口の爆発的噴火では小規模な火砕流の発生が上げられる。火砕流は高温の火砕物や火山ガスが山腹斜面を高速で流れ下るもので、火山噴火の中で最も危険な現象の一つであり、火山防災上、その発生予測は必要不可欠である。1967年以降~1985年の間に南岳山頂火口における噴火に伴い7回の火砕流が確認されている(加茂・石原,1986)。さらに、気象庁によると2006年~2014年に昭和火口の噴火に伴い37回の火砕流発生が報告されている。いずれの火砕流も流下距離は2km未満で小規模なものであった。活発な噴火活動を続ける桜島であるが、火砕流はすべての噴火に伴うわけではなく、同規模の噴火でも火砕流が発生しない場合が多く、桜島における火砕流発生メカニズムの解明には至っていない。今後、噴火活動が活発化した際には大規模な火砕流の発生も考慮する必要があり、火砕流を伴う噴火の発生メカニズムの解明と噴火の前兆現象から火砕流が発生した場合の規模予測をすることが重要である。本研究では2012年~2018年に昭和火口で発生した火砕流、および2018年6月16日に南岳山頂火口において発生した爆発的噴火に伴う火砕流について前兆地震活動や地盤変動データの特徴を明らかにする。また、観測される前兆地震や地盤変動から火砕流が発生した場合の流下予測が可能かについて検証を行う。6月16日に発生した南岳山頂火口における爆発的噴火では噴煙高度4700mに達した。噴石が6合目まで飛散し、火砕流が南西方向に1.3 km流下した。噴火の発生約18時間前から地盤の膨張が観測されていた。噴火の1時間ほど前から散発的に前駆地震が発生していたが、昭和火口の噴火の際に観測される前駆地震と比較するとあまり明瞭な群発活動ではなかった。噴火時の映像から火砕流は噴煙が上昇し始めた約1分後に噴煙柱の根元から降下した噴出物が斜面に流れ下って発生していたことが分かる。火砕流は噴火と同時に発生しているわけではなく、これは南岳活動期に発生していた火砕流と同じ特徴を持っている(加茂・石原,1986)。噴火による地盤変動の収縮量から噴出物量は28万m3と推定される。それら噴出物の全てが火砕流となるわけではなく、火山灰として飛散していくものもある。地盤変動の膨張量から噴火による噴出物量の予測は可能であるが、火砕流の流下予測を行うためには斜面を流下する噴出物量を推定する必要がある。気象レーダーを使用した空中に放出された火山灰量の測定や降下火山灰の実測値などから火砕流となった噴出物量の推定を行うことが可能である。これにより前兆現象である地盤膨張量から火砕流発生時の最大流下距離の予測を行う。
著者
宮町 宏樹 泊 知里 八木原 寛 井口 正人 為栗 健 山本 圭吾 大倉 敬宏 安藤 隆志 尾西 恭亮 清水 洋 山下 裕亮 中道 治久 山脇 輝夫 及川 純 植木 貞人 筒井 智樹 森 済 西田 誠 平松 秀行 小枝 智幸 増田 与志郎 加藤 幸司 畠山 謙吾 小林 哲夫
出版者
特定非営利活動法人日本火山学会
雑誌
火山 (ISSN:04534360)
巻号頁・発行日
vol.58, no.1, pp.227-237, 2013-03-29

2008年に実施された屈折法地震探査によって得られたP波初動走時により,姶良カルデラおよび桜島火山の深さ3kmまでの速度構造を推定した.本研究地域の基盤層である四万十層群は4.6-5.0km/sのP波速度を持ち,姶良カルデラの中央部に向け傾斜している.姶良カルデラの中央部には,4.2-4.4km/sの低速度域が深さ1.5-3kmに存在している.そして,この低速度域はカルデラ下に存在する深部マグマ溜まりからのマグマ供給系が活発であることを示唆している.また,基盤層は鹿児島地溝帯の北西域の境界に沿って深さ1kmから2.5kmに急激に落ち込んでいることがわかった.桜島火山の速度構造は3.6-3.7km/sの領域が存在することで特徴づけられる.桜島火山の山頂直下で発生している火山性地震の震源域と速度構造の比較から,地下構造が種々の火山性地震の震源域の広がりに強い影響を与えていることを示した.
著者
為栗 健 MARYANTO Sukir 井口 正人
出版者
特定非営利活動法人日本火山学会
雑誌
火山 (ISSN:04534360)
巻号頁・発行日
vol.52, no.5, pp.273-279, 2007-10-31
被引用文献数
2

桜島火山において発生するハーモニック微動のモーメントテンソル解析を行った.B型地震群発後に発生する微動(HTB)と爆発的噴火直後に発生する微動(HTE)のモーメントテンソル成分に大きな違いはなく,等方成分は50%以上,CLVD成分は20〜30%,DC成分は20%以下であった.鉛直方向のダイポール成分が大きく,鉛直方向の力が優勢な震源が推定される.震源は火口直下の浅部であり,爆発的噴火発生前に火口底直下に形成されているガス溜まりが微動の発生に関与していると考えられる.