著者
任 玉洁 林 雅子
出版者
日本パーソナリティ心理学会
雑誌
パーソナリティ研究 (ISSN:13488406)
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.23-26, 2020-05-07 (Released:2020-05-07)
参考文献数
18
被引用文献数
2

The purpose of this study was to examine the effect of parental bonding instrument (PBI) on over-adaptation in adolescence from the viewpoint of gender difference. The participants were 299 university students (male=125; female=174). The results showed that the level of mother’s loving on the PBI positively predicted boys’ and girls’ external aspect (EA) of over-adaptation, but negatively predicted girls’ internal aspect (IA) of over-adaptation. The level of mother’s overprotectiveness on the PBI was found to positively predict both EA and IA in adolescence. The level of father’s overprotectiveness on the PBI was positively associated with IA in boys; however, it was not significantly correlated with IA in girls.
著者
林 雅子
出版者
日本パーソナリティ心理学会
雑誌
パーソナリティ研究 (ISSN:13488406)
巻号頁・発行日
vol.31, no.1, pp.39-51, 2022-07-06 (Released:2022-07-06)
参考文献数
30
被引用文献数
1

本研究は,無気力への感情に着目し,縦断調査から一般学生におけるスチューデント・アパシー的な無気力の実態を検討した。3回の調査に参加した大学生121名が,意欲低下領域尺度,無気力感尺度,心のゆとり感尺度を含めた質問紙に回答した。条件付き潜在曲線モデルに基づく解析を行い,初回測定時の学業意欲低下から切片と傾きへの影響を検討した。切片では,心の充足・開放性と対他的ゆとりに負の影響があり,切迫・疲労感には影響がなかった。傾きでは,心の充足・開放性と切迫・疲労感どちらも学業意欲低下からの影響がなかった。つまり,学業への意欲低下は心のゆとりを減少させるが,ネガティブな感情は伴わないことが示された。ただし,意欲の低下はその後の心のゆとりの増減に影響しないことも明らかになり,スチューデント・アパシー的な無気力の特徴が見出された。今後,大学生の無気力に対して上記の特徴を踏まえた支援を検討すべきであろう。
著者
林 雅子
出版者
日本建築学会
雑誌
建築雑誌 (ISSN:00038555)
巻号頁・発行日
no.1183, pp.73-74, 1981-08
著者
草柳 浩子 福地 麻貴子 尾高 大輔 飯村 直子 中林 雅子 西田 志穗 平野 美幸 岩崎 美和 佐藤 朝美 平井 るり 江本 リナ 筒井 真優美
出版者
一般社団法人日本小児看護学会
雑誌
日本小児看護学会誌 (ISSN:13449923)
巻号頁・発行日
vol.14, no.2, pp.44-51, 2005-09-05
被引用文献数
5

本研究の目的は、看護師の語りから、子どもの家族や医療職者を動かし子どものケアに影響を与えた看護師の技を明らかにすることである。エピソード・インタビューの方法を参考に、研究者らが作成した「子どもや家族へ行った看護場面を振り返るインタビューガイド」に基づく半構成的面接を、看護師12名に行った。その結果、5つのテーマが得られた。1.子どもが混乱している場面で、子どもの力を引き出すためのモデルを自ら示し子どものケアへ影響を与える。2.子どもが治療を拒否する場面で、子どもとの関係性を作ることから始め、カンファレンスを企画し子どもの反応の捉え方や関わり方を共有することでスタッフの子どもへのケアに影響を与える。3.気になる家族がいる場面で、「気になること」をスタッフと非公式に確認した後、家族を巻き込む看護を展開し子どものケアに影響を与える。4.通常の慣例では上手くいかないと判断した場面で、自らが考えた関わりを家族やスタッフを巻き込みながらその場で展開し、子どものケアに影響を与える。5.病棟変革を行う場面で、管理者が自分の信念をもとにスタッフ全体を巻き込みながら病棟のシステムを変化させることで、子どものケアに影響を与える。以上から、認知能力が発達途上であったり、自分のことを的確に表現できなかったりという発達の特徴を持つ子どもへの最善の利益を考えた看護が、家族や医療職者を動かしながら行われるためには、看護師の持つ看護観や倫理観とスタッフ間でのコミュニケーションが重要であることが再認識された。
著者
小林 雅子
出版者
佛教大学教育学部学会
雑誌
佛教大学教育学部学会紀要 = Bulletin of the Faculty of Education of Bukkyo University (ISSN:13474782)
巻号頁・発行日
no.17, pp.39-49, 2018

学生が大学で幾何学を学ぶにあたり,高校までのような,ユークリッド空間内の図形の問題を解くのではなく,ユークリッド空間の部分集合としての図形のとらえ方などを習得するため,集合の記号や不等号の表す領域等,それまで図形と関連しては意識していなかった対象物を再確認することになる。その際,大学の数学テキストでは往々にして当然のように用いられている数学記号や図形の表現方法が学生には定着しておらず,幾何の問題そのもの以前に表現方法の理解不足から問題解決に至らないことがしばしばある。 そこで本稿では幾何学初年度講義において学生に調査を行い,図形表現方法の定着がどの程度であるか考察する。大学幾何学教育図形表現ユークリッド幾何
著者
林 雅子 Hayashi Masako ハヤシ マサコ
出版者
大阪大学大学院文学研究科日本語学講座
雑誌
阪大日本語研究 (ISSN:09162135)
巻号頁・発行日
no.20, pp.33-59, 2008-02

現代日本語の「動詞テ形由来の副詞的成分」について、形態・意味・統語の三つの特徴に基づいてその「副詞度」を算出し、その連続相を多次元的に把握することを試みた。その結果、副詞度と副詞の種類との間には、以下のような相関が見出された。「陳述」と「時・頻度」の副詞度が最も大きく、次いで、「意志態度」「程度」「接続」がこの順で続き、「主体の心理」「主体の様子」「複数主体の様子」(「状態修飾成分」)の副詞度は小さい。また、「陳述」「時・頻度」「程度」「接続」は、これらを副詞と見なす研究者が多く、辞書で副詞として認定されるものが多いのに比べて、主体の心理・様子を表わす「状態修飾成分」は、これらを副詞とは見なさい研究者も多く、辞書でも副詞として認定されにくい、という傾向を得た。これらの結果は、「副詞度」の大きさと、「各研究者の副詞認識」「辞書編纂者の副詞認識」とが、一定の相関関係にあることを示している。
著者
林 雅子 秋元 志美 稲垣 知宏 隅谷 孝洋 冨田 達郎 中川 敦 長登 康
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告コンピュータと教育(CE) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2009, no.6, pp.1-3, 2009-12-04
参考文献数
3

CMS でストリーミング教材を活用する際,(1) アクセス制限がしにくい,(2) 視聴時間が把握しにくい,という問題点がある.我々は,Flash Media Server 3 (FMS3) の利用を前提に,サーバーの設定変更とメディアプレイヤーの新規開発によりこれらの問題点を解決した.Flash ActionScript3.0 で開発したこのプレイヤーは,SCORM を使用してユーザーごとの閲覧時間とブックマークデータを CMS に記録する事ができる.ここでは,FMS3 の設定とメディアプレイヤーのプログラム構成,特に ActionScript3.0 と SCORM との連携方法についての詳細を報告する.There are two problems with educational streaming media:It is difficult to control users access and to track their operation records. We solve these problems by changing the settings of our Flash Media Server 3(FMS3) by developing a new media player written in Flash ActionScript3.0. The media player can record viewing time and bookmark data of each user by using SCORM. In this article we show the settings of the FMS3 and the program structure of the media player, especially the communication method between SCORM and AS3.0.
著者
小林 雅子
出版者
一般社団法人日本発達心理学会
雑誌
発達心理学研究 (ISSN:09159029)
巻号頁・発行日
vol.8, no.2, pp.79-87, 1997-07-30

在日外国人幼児・児童はフラストレーション状況の場面を見ると, 様々な言語反応を示す。本研究の目的は, 特に発達と在日期間の観点から, 在日外国人幼児・児童と日本人幼児・児童のフラストレーション場面に対する言語反応の特徴を見つけ出すことである。被験者は, 国際学校の幼児22名と小学生24名, 朝鮮学校の幼児30名と小学生27名, 日本の幼児29名と小学生30名であった。調査にはフラストレーション状況を華いたP-F子タディ型の課題が12枚用いられた。言語反応のカテゴリーは因子分析にかけられ, 「自己主張」「注意・不服」「自己抑制」「謝罪・感謝」の4因子が得られた。結果を以下に示す。友達との間で生じるフラストレーション状況場面で, 日本及び朝鮮学校の幼児は自己抑制反応を多く示し, 国際学校の幼児は自己主張反応を多く示すことがわかった。小学生の場合, 在日外国人と日本人の反応にはほとんど違いが見られなかった。国際学校の小学生の在日年数に基づいて反応を比較した結果, 友達との場面で違いが見られた。また, 在目朝鮮人幼児・児童の反応は, 日本人幼児・児童の反応とほとんど変わらないことがわかった。