81 0 0 0 OA 量子群の結晶化

著者
柏原 正樹
出版者
一般社団法人 日本数学会
雑誌
数学 (ISSN:0039470X)
巻号頁・発行日
vol.44, no.4, pp.330-342, 1992-11-16 (Released:2008-12-25)
参考文献数
18
被引用文献数
2
著者
島田 信夫 河合 隆裕 斉藤 恭司 柏原 正樹 荒木 不二洋 中野 茂男
出版者
京都大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1986

本研究の目的とする多様体、特に複素多様体の幾何学と関連諸問題の研究に関して、複素空間、代数的多様体等の特異点の研究、偏微分方程式の解空間の構造、またそれに対する代数解析的研究、一般コホモロジー論、特に複素コボルディズム論の研究、代数的K-理論の研究、数理物理学的研究等様々の立場からの研究分担者による探求が進められ、多くの新たな成果と進展をみた。以下にその概要を述べる。1.島田はAdamsスペクトル系列の【E_1】-項を与えるラムダ代数の概念を、複素コボルディズム論におけるNovikovスペクトル系列の場合に拡張し、やはりその【E_1】-項を与えるMU-ラムダ代数を構成した。その幾何学的応用は今後の研究課題である。島川は多重圈の概念を活用して代数的K-理論における積構造について圈論的な存在証明を与えた、またそれらの同変理論も研究中である。2.斉藤恭司は正規ウェイト系に対応する孤立特異点をもつ超曲面に対して特異点解消、コンパクト化等の操作により、多くの重要かつ興味ある代数曲面の族を構成し、それらの分類および代数幾何学的特性について詳細な研究を行った。これは斉藤の従前からの一般ウェイト系、特異点、一般Weyl群と不変式論等の研究の進展継続を示す目ざましい成果である。成木は斉藤の仕事に関連して、或種の型の特異点解消に伴う楕円曲面系を簡明に構成した。3.中野,大沢は複素多様体上の或種の増大条件を満す正則函数の拡大に関する結果を得た。また大沢はK'dhler多様体と多変数函数論の研究を進めた。4.柏原,河合はD-が群の研究を進め多くの成果を挙げ、また三輪,神保は代数解析の方法を数理物理学へ適用し成果を得た。5.荒木は2次元Ising模型に対する相関函数の解析性に関する結果を得たまた中西,小嶋は場の理論の研究で成果を得た。その他、研究分担者による微分方程式、無限次元測度の研究がある。
著者
上野 健爾 土屋 昭博 河野 俊丈 伊達 悦朗 神保 道夫 柏原 正樹 松本 尭生 三輪 哲二
出版者
京都大学
雑誌
重点領域研究
巻号頁・発行日
1992

本研究は重点領域研究「無限自由度の可積分系の理論とその応用」の成果取りまとめのために行われた。平成4年度から5年間にわたって行われた本重点領域研究では無限自由度の可積分系の理論を中心に数多くの重要な成果が得られたが、これらの成果を有機的にまとめ、今後の研究へのひとつの指針を与えることが本研究の目指したものである。具体的には2次元格子模型、共形場理論、量子群、3,4次元トポロジー、無限自由度の可積分系と関係した代数幾何学に関してさらに研究を進め、今までに得られた成果をさらに高い立場から見直すことを行った。この結果、Calabi-Yau多様体のミラー対称性や量子コホモロジー群、量子群の表現と古典関数のq類似、3,4次元多様体の位相不変量などに関する研究において新しい知見が得られた。さらにこれらの成果は、非線型幾何学とも呼ぶべき新しい幾何学が背後にあることを強く示唆している。特に深谷のグループはCalabi-Yau多様体のミラー対称性を幾何学的に新しい見地から論じ、今後の研究に重要な一歩を踏み出した。また本年度の研究によって、神保のグループを中心に離散的Painleve方程式が幾何学的な構造を持つことが明瞭にされ、可積分系のもつ幾何学的構造の豊かさが改めて明らかになった。今後は、本重点領域研究の成果に基づき、非線型幾何学の建設へ研究が大きく前進していくことが期待される。
著者
柏原 正樹 河合 隆裕
出版者
一般社団法人 日本数学会
雑誌
数学 (ISSN:0039470X)
巻号頁・発行日
vol.37, no.2, pp.161-163, 1985-05-17 (Released:2008-12-25)
参考文献数
25
著者
柏原 正樹 西山 亨 行者 明彦 三輪 哲二 岡田 聡一 黒木 玄 寺田 至 小池 和彦 山田 裕史 谷崎 俊之 中島 俊樹 中屋敷 厚 織田 孝幸
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
1997

この科研費による計画においては、リー群・量子群・へッケ環などの表現論を数理物理学・組合わせ論との関係から研究した。以下、各年次における活動を記す。初年度(1997)においては、特にRIMS project1997(等質空間上の解析とLie群の表現)とタイアップして計画を遂行した。このプロジェクト研究では、等質空間という幾何的観点にたった実Lie群の表現の研究に焦点をあてた。海外からのべ約40名の参加者があり国際的な共同研究・研究交流の場が提供できた。この成果は、Advanced Studies in Pure Mathematics,vol.26に発表された。1998年は、RIMS project 1998(表現論における組合わせ論的方法)とタイアップして計画を遂行した。このプロジェクト研究では、海外からのべ約25名の参加者があり、量子群・アフィンへッケ環の表現論と組合わせ論を中心にして計画を行った。1999年は、国際高等研究所と数理解析研究所において"Physical Combinatorics"の国際シンポジュウムを開催し、数理物理と関連して研究を行った。量子群の表現論、Kniznik-Zamolodhikov方程式とそのq-変形の解の性質や共形場理論の研究を推進した。その成果は、"Physical Combinatorics,Progress in Math,vol.191,Birkhauserに発表された。2000年度は、計画の最終年として"数理物理における表現論および代数解析的方法の応用"を中心とする研究成果の発表を目的として、"Mathphys-Odyssey 2001"という国際シンポジュウムを開催した。この会議録は、Birkhauser出版から出版される予定である。
著者
ANATOL N. Kirillov 有木 進 中島 啓 野海 正俊 山田 泰彦 前野 俊昭 柏原 正樹
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2003

平成15年度〜17年度にわたり採択された本研究課題について私ならびに研究分担者は優れた数学雑誌に14の論文を発表した。また、研究集会を自ら組織するとともに研究遂行上必要な打ち合わせのため、国内外の研究集会に参加した。討論や共同研究は定期的に行った。15年度の主なものとして、私とGuest氏(首都大学東京)が組織した国際ワークショップ「Quantum Cohomology」(於:京大数理研6月実施)があげられる。このワークショップにはこの分野での著名な数学者中島啓氏(京都大・理学研究科)、齋藤恭司氏(京都大・数理研)、B.Kim(S.Korea)、A.-L.Mare(Canada)、A.Buch(Sweden)をはじめ国内からもおよそ50人の参加者があった。16年度の主なものとして、私と野海氏(神戸大)が組織した国際ワークショップ「Tropical algebraic geometry and tropical combinatorics」(於:京大数理研8月実施)があげられる。このワークショップには「トロピカル数学」において世界をリードする数学者、A.knutson(UC Berkeley, USA)、E.Miller(Univ.ofMinnesota, USA)、G.Mikhalkin(Toronto Univ., Canada)、D.Speyer((UC Berkeley, USA)、O.Viro(Uppsala Univ., Sweden)、柏原正樹(数理研)、尾角正人(阪大)、山田泰彦(神戸大)をはじめとして約60名の参加者があった。両ワークショップともに盛況で日本におけるトロピカル数学と量子コホモロジーに対する関心を高めることとなった。その他、中国南海大学での国際ワークショップ「Combinatorics, Special Functions and Physics」に招聘され、講演を行った。本研究課題の主目標の一つである放物型コストカ多項式については一般化されたsaturation conjectureを証明した他、放物型コストカ多項式やSchur関数の新しい興味深い性質を示した。Schubert Calculusと非可換微分法の関係についてはいくつかの重要な結果が、私と前野氏によって示された。特にある種の非可換代数多様体に対し平坦接続の生成する代数を記述することに成功しB_n型非可換Schubert多項式のMonk公式を証明した。
著者
柏原 正樹 有木 進 谷崎 俊之 中島 俊樹 加藤 周 三輪 哲二 SCHAPIRA Pierre KANG Seok-Jin VILONEN Kari D'AGNOLO Andrea
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010-04-01

この5年間の表現論に関連した研究の成果として大きなものが3点挙げられる。第一は、確定特異点型ホロノミーD-加群のリーマン・ヒルベルト対応を不確定特異点型ホロノミーD-加群に拡張したこと(A. D'Agnoloとの共同研究)、第二は、余次元3予想の肯定的解決(K. Vilonenとの共同研究)、第三は、円分箙ヘッケ代数を用いた量子群の表現の圏化である(S-J. Kangとの共同研究)。