- 著者
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大村嘉人
文光喜
柏谷博之
- 出版者
- 植物研究雑誌編集委員会
- 雑誌
- 植物研究雑誌 (ISSN:00222062)
- 巻号頁・発行日
- vol.75, no.5, pp.303-307, 2000-10-20 (Released:2022-10-21)
ウメノキゴケ科サルオガセ属地衣類の Usnea fragilescens (アッケシサルオガセ 新称)が北海道霧多布湿原周辺で発見された. 本種は西ヨーロッパおよび北米から報告されているが, これまで日本からの報告はなかった.本種の特徴は次の通りである. 地衣体は直立半懸垂性, 不同長二叉分岐, 地衣体基部は黒炭色, 分枝の髄層は厚く軸が細いため膨らんだようになる(%C/%M/%A = 5.1/33/23). 枝の幅ほどの円形の粉芽塊を持ち, その表面はやや凹み, 顆粒状の粉芽を生じる.粉芽塊の縁の皮層は反り返らない. 今回採集された全ての標本は, バルバチン酸, 4-O-デメチルバルバチン酸, プロトセトラール酸を主成分として含む.この化学変異株は本種では初めての報告である.